先日、地理院地図を眺めているときに、面白いトンネルを見つけた。
あなたにも、見つけてもらいたい。
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ここ、どうなってるの?!
ごくごく短いトンネルが、180度のカーブを描いているように見える。
この奇妙なトンネルの道は、行き止まりのようだが、とても気になる。
実際にどんな景色が現地にはあるのか、見に行ってみよう。
場所は、日本有数の温泉歓楽街である、熱海(あたみ)だ。
2016/2/21 13:29 【現在地(マピオン)】
ここは、静岡県熱海市のJR熱海駅前。
東海道本線と東海道新幹線そして伊東線が停車するこの賑わいの駅を、観光やビジネスなどで訪れた経験を持つ人は大勢いることだろう。
しかし私はこの日この場所へ鉄道を使わずやってきた。
遙か昔に失われた 豆相人車鉄道 の跡を、人車鉄道並みの速度しか出ない自転車で追い掛けながら、辿り着いたのだ。
もっとも、ここに辿り着く直前に、人車鉄道の探索は終わっていた。かの鉄道の終点は、この近くではあるが、現在の駅前ではない。
前置きが長くなったが、私が初めて駅頭に立った熱海駅前から眺める景色は、溢れかけた宝石箱の印象を与えた。
瀟洒な洋装を纏う巨大な建造物たちは、猫額の海岸沿い低地から容易く溢れ出て、後背の山岳地(これは手ぬるい丘の如きものでは無く、伊豆半島の主山脈に属する本格派だ)をも支配的に居立していた。ここには立体的で迷宮的な、熱海という名の宝石箱都市(Jewel box city)の姿があった。
地図上に見つけた“奇妙なトンネル”を探すトレジャーハンティングの始まりだ。
13:50 【現在地】
熱海駅前を自転車で出発してから20分後、私は地図を頼りに辿り着いた。
駅から1kmほど西に離れた熱海市咲見町の一角、目指すトンネルへと通じる唯一の道の入口へと。
とても目立たない、青看も信号機もない交差点だった。
手前の2車線の道は交通量の多い市道であるが、そこからわざわざ、この見るからに狭く、見通しが悪く、急勾配が威圧的な脇道へと出入りするクルマは、今のところ見あたらない。
しかし良く見れば、この脇道の行き先が看板によって明かされていた。「両国予備校熱海研修会館」「Relax Resort Hotel」「野中山マンション」「東京実業健保組合保養所サンライズ熱海」といった、いかにも熱海色