[251] 江戸の画家で蘭学者の司馬江漢は、 天明8(1788)年4月23日に江戸を発ち、 長崎に向かいました。 、江戸に帰着しました。 この間、毎日詳細に写生入り日記をつけていたと思われます。 >>224
[1] 後日西遊旅譚や江漢西遊日記としてその様子が出版されました。
[252] 西遊旅譚 (西遊旅談) は、その旅日記から毎日の行程、見物場所、若干の印象を抜粋し、 多くの写生 (141個の図) を入れ、 寛政6年に木版5巻で刊行したものでした。 >>224
[504]
序文には
「
[505]
寛政庚戌四月 門人蘭江平民誌
江漢先生著
... とありました。 >>514, >>519, >>507, >>224 4月に、 司馬江漢の文章を門下の蘭江平民が記したものでした。
[508] 国立国会図書館本は、
それに続く奥書に
「
[506] 従って本書は江戸に戻った翌年までにまとめられ、 それから4年で出版されることになったようであります。 初刊行年は序文のまたはその翌とされます >>557。
[559] その後本書は外題を図画西遊譚と改め、 内題含む版木を流用して出版されました。 に刊行されました。 刊行版があったとされますが、現存するか不明です。 >>557
[558] 少なくても次の版が現存しています。
[276] このうち葵文庫本は、刊本や他の2つの写本と趣が大きく異なります。 小さな文字でびっしりと筆写され、 挿絵を独立させずに本文中関係する箇所の文の途中に挿入していました。 >>224 絵柄もオリジナルとかなり違っています。
[545] 蜀山人旧蔵本も、それほどではないにせよ、 写本だけあって刊本とは違いがあります。
[282]
[548] それとの関係は不明ですが、慶應義塾大学所蔵本が Google Books で公開されています >>547。
[253] 江漢西遊日記 は、 西遊旅譚 を全編にわたって増補改訂したものでした。 全文が清書し直され、 挿絵 (62個の図) を全面的に描き改めていました。 >>224
[561] 西遊旅譚 では省略が多かったのに対し、本書では日記の殆ど全部を収録したものと推測されます。 本書には「其頃云云」や頭注の追加があって、明らかに増補されたものであります。 >>557
[560]
最終丁の本文の後には、
「
[562] 本書は司馬江漢の自筆原稿が伝わります。 晩年、病に倒れたためか昭和時代の日本古典全集本まで刊行に至りませんでした。 日本古典全集本は図のすべてと文章の一部の自筆本の写真を掲載しました。 >>557