前に、長野県松本市にある奈川渡ダムそばの国道158号、「入山トンネル」の東口坑口前で、右の隧道を発見したのを覚えているだろうか。
そのときのレポはこちら→【 道路レポ 国道158号旧道 水殿ダム〜奈川渡ダム (第5回) 】
その場所はこちら→ 【周辺地図(別ウィンドウ)】
それは、人が立って入るのがやっとと言うくらいに狭い、明らかに人道用の隧道である。
写真に出口は写っていないが、長さはかなり短くて、覗き込むと向こうの光が20mくらい先に見える。
しかし、入り口には施錠された鉄格子が填められていて、進入はできない。
この閉ざされた隧道は、こんな異様な場所にある。
国道の直角コーナーの先にあるにしてはあまりにも目立っていない。
周りに存在感のある標識や看板が多すぎるためだが…。
ドライバーに危険な錯誤を起こさせかねない正面の隧道にはスッコンデいてもらいたい。
それが松本工事事務所の本音であろう。
そんなマイナーな隧道だが、一度見つけてしまうと… もう駄目。
ここを通るたび、カーブの先から目が離せなくなった。
いつも、その先が気になってしまう。
しかも、この隧道は最新の地形図にしっかり描かれていたりする。
もちろん、徒歩道としてだが…。
地形図から、隧道の先の景色を想像してみた。
国道脇の隧道を抜けると、そこには一棟の建物がある。
道はそこから上り坂になって、すぐにもう一本の隧道が現れる。これは最初の隧道よりもさらに短いものだ。
左はカーブして、水殿ダムの水面上130mという急な山腹を横切る。
そしてやがて道は、奈川渡ダム堤体へ吸い込まれる…。
おそらく中間部から先では、全国有数の規模を誇る奈川渡ダムの巨大な堤体を、今まで体験したことのないアングルで望むことが出来るだろう…。
きっとすばらしい眺めがこの道にはある。
だが、ダム堤体に突っ込んでいくような立地を見る限りにおいて、この道の正体は一般道路ではない。
ダムの作業用通路…。
現役ダムの作業道は、私といえどさすがに立ち入ることがはばかられる領域。
でも、あの塞がれた坑門には、あってしかるべき警告文が見られなかった。
それは不審なことである。
謎の道……
少なくとも、現時点においてこの道の正体は謎。
これは、 「奈川渡ダムの謎の道」 だ…。
2008/9/8 16:58
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