前回は妙なテンションで失礼した。
こっからが廃道探しの本番だ。
前回の冒頭でも紹介した上の二枚の地図は、地形図(左)とマップル(右)それぞれの最新版だ。
どう見ても地形図の方が古いままの道っぽいが、果たして実際はどうだろうか。
伝統ある国土地理院、まさかの敗北か。 それはもうすぐ明らかとなる。
2008/5/11 13:09
明智平では、廃止されたケーブルカー駅の建物が今も使われているというドライブインに入ったが、昼飯は持参の行動食があるし、特にお土産を買うでもない私は、極端に客の少ない店内にあって目立ちすぎた。
いたたまれなくなった私は、数分もたたず、相変わらず霧の深い屋外へ戻ってきた。
外では、常に動いていないと寒い。
濡れたサドルに跨り、目の前の国道120号へ漕ぎ出す。
すると、すぐに頭上��4.5m制限のバーが現れた。
早速、この先のトンネルが狭かった時代の遺物なのだろうか。
それにしても、ここで予告されても背後は一方通行であるから、もうどうにも戻れないと思うのだが…。
対向車線に対する制限とは思えないし…。
200mほど進むと、短いトンネルが霧の中からボゥワーっと現れてきた。
しかし、ここでガードレールが左へ離れていく。
間違いなく旧道の始まりだ。
早速、二枚の地図の不一致が再現される。
一見、廃止から30年も経過したような風に見える。
なにせ、背の高い木々が路上に沢山育っているのだから。
しかし、よく見るとそれは植樹されたものだと分かる。
舗装も、車止めのある道の中央部分にだけ、細く敷き直されているようだ。
トンネルの銘板。
名前は「明智第一トンネル」である。
竣工は1994年(平成6年)と、想像していたよりもちょっと古かった。
そして、この短いトンネルが現れた時点で、道路の線形から地形図の敗北(情報古し)が確定。
U字形にトンネルを迂回する旧道。
最もありがちで平凡なパターンの旧道だが、その先端部分には頑丈そうな建物が。
扉には、「変電設備」「蓄電池設備」「関係者以外立入禁止」などと書かれてある。
旧道とは直接関係のない施設が、旧道跡地に建てられたようだ。
建物の裏手に、なんだか見えます。
近づいてみます。
既に路外に成り果てて久しい場所にポツンと取り残されていたのは、全く古びていない一方通行の標識だった。