「近江県」「琵琶湖県」? 大マジメに県名変更考える「滋賀県」の悩み……「佐賀」「千葉」と聞き間違えられる辛さ (1/4)
滋賀県の名前を変更すべきか――「佐賀」や「千葉」と聞き間違えられたり、どこにあるか正確に答えてもらえなかったりと、知名度の低さに悩む滋賀でそんな議論が巻き起こっている。
滋賀県の名前を変更すべきかどうか−。「佐賀」や「千葉」と聞き間違えられたり、どこにあるか正確に答えてもらえなかったりと、県名の知名度の低さに悩む滋賀でそんな議論が巻き起こっている。候補に挙がっているのは「近江県」や「琵琶湖県」。県議会本会議で「近江牛などのブランド人気にあやかって『近江県』に」と提案されたかと思えば、知事も県名変更に関する世論調査を真剣に検討。“改名”といえば、“しゃれ”で「うどん県」を名乗り知名度がアップした香川県の例などがあるが、滋賀の場合はあくまで大マジメだ。(江森梓)
県名変更で地方創生?
「県庁職員が思っている以上に、『近江』は知名度がある」
今年2月25日の滋賀県議会本会議。質問に立った議員が地方創生の一つの手段として、「近江県」への県名変更を提案した。
背景にあるのは、滋賀の知名度の低さだ。日経リサーチ社の「地域ブランド戦略サーベイ2013」によると、「その都道府県がどの辺りにあるか知っている」と回答した人の割合で示す「認知度」で、滋賀県は37位と岩手県や秋田県、千葉県、栃木県などと並んで同率最下位の不名誉な結果に。
一方、旧国名の認知度で「近江」は、88カ国中29位にランクイン。近江牛や近江米などの“近江ブランド”がある程度浸透していたとみられる。ならば、いっそのこと近江県を名乗ったほうが認知度も上がるのではないか−というのが、提案の趣旨だ。
これに対し、三日月大造知事は「長い間愛着を持たれてきた『滋賀』という県名は非常に重い」としつつも、「さまざまな視点から県名の議論を深めるのは、県民のアイデンティティーを見つめ直すきっかけになり、対外的な発信にもつながる」と理解も示した。
歴史ある「改名論争」
実は、滋賀の県名変更の議論は降ってわいた話ではない。