[1] 栃木県道・茨城県道1号宇都宮笠間線の仏ノ山峠
茨城県笠間市片庭と栃木県茂木町小貫の間にある県道1号・宇都宮笠間線の峠である。
国道50号線から県道1号線に入った箱田小学校付近に車をデポして走り出す。
2014/3/12 11:00 【現在地】
今回の旧道は、自転車でうろうろしているときに偶々出会ったという、最近では珍しくなった“偶然の出会い系”探索であった。
そのため、「これはレポートしたいから記録しよう」と思うまでの序盤の写真撮影が散発的で、普段のように予めレポートの流れを意識して撮影していない事を予めお断りしたい。(写真が不出来であることの言い訳だ)
とりあえず、この最初の写真は、栃木側から見通した仏ノ山峠の頂上鞍部だ。
いきなり峠の頂上から始まっているが、このわずか1分前は田園風景を走っていた。栃木側からだと、それほど小さな峠なのである。
自転車の速力をほとんど緩める必要も無い上り坂の先に、曰くありげな名を持つ峠がある。
標高194m、常野国境の仏ノ山峠。
天然の鞍部を掘り下げたらしい見慣れた感じのする峠の切り通しだが、他の峠と少し違うのは、てっぺんの片側に平場があって、道を見下ろすようにお堂が建っていること。
同じ茨城県絡みだからかも知れないが、奥州街道の陸奥・常陸国境にあたる境ノ明神峠に似ていると思った。
この峠も同じく国境だから、同じように道中安全の「境の明神」を祀る神社かと思ったが、鳥居も見あたらないし、どうやらそうでもないらしい(正体不明)。
現地では(のんびりしていたから)、これ以上追求もせずに通りすぎたが、帰宅後に『茨城の峠』(岡村青著/昭和63年発行)を読んだところ、この峠には“峠の古えの記憶”というべき伝承がある事を知った。次のような話しである。
“車道が開通するよりも大昔の話。昼なお暗い林間の峠道には、物陰から火縄銃で旅人を撃ち殺す凶悪な追い剥ぎが出没した。追い剥ぎには、美しい一人娘がおり、娘は父親の凶行に心を痛めて、何度も止めるように懇願したのだが、遂に聞き入れられなかった。娘はある日、金持ちの娘に変装をして一人で峠を歩いた。父親は躊躇いなく娘を撃った。その死体を前に、父親は自らの行いを初めて悔いた。そしてその霊を弔うため、朝日に向かう山の西麓に「朝日堂」を、東の山裾に「夕日堂」を建立し、朝夕合掌してその冥福を祈った。”
“おせんころがし”を思い出させる悲話である。
ただし、私が見た峠のお堂は、この伝承に出てくる「朝日堂」でも「夕日堂」でもない、正体未確認のものである。
また、仏ノ山峠という曰わくありそうな名前の由来
笠間市片庭と栃木県茂木町小貫との境に仏ノ山峠があります。かつては笠間側から塩や乾物など、茂木側からは刻みタバコなどが馬で運ばれ、海と内陸を結ぶ峠*1としてたいせつな役割を果たしておりました。
また、雨引観音(桜川市)にお参りする人たちの参拝道でもありました。
むかし、このあたりは大変寂しい所で、追い剥ぎ*2が住み、峠を通る旅人を鉄砲で撃ち殺してお金や持ち物を奪い取っておりました。
その追い剥ぎを生業にしている男には娘が一人おりました。娘はとても心の優しい人でしたので、父親に人を殺めて金品を奪うような悪いことはやめてほしいと毎日のように頼んでおりました。
でも、まったく聞き入れてもらえず、ただ神仏に祈るばかりでした。
ある日、男がいつものように草むらに身をひそめ、旅人が通るのを待ちかまえていると、簑笠*3に身をつつんだ一人の旅人がやってきたのです。
(しめた。こいつは金目のものを持っていそうだ。) 男は一発でしとめようと慎重にねらい定めて引き金を引きました。
ズドーンという大きな音が峠にこだますると、その旅人は道端にバタリと倒れ込みました。
男は草むらから躍り出ると急いで旅人のもとに近寄っていきました。
そして、倒れている旅人の顔を見て驚きました。なんとそれは自分の娘だったのです。
男は娘のなきがらを抱いて大粒の涙を流しました。娘は自分の命と引きかえに父親に悪行*4をやめさせようとしたのです。
男はそれまでの悪行の数々を悔い、心を入れ替えて、自分が手にかけた旅人と娘の霊をなぐさめるために峠路の東西に二つのお堂を建て、念仏を唱えて暮らしたのだそうです。
仏ノ山峠を栃木県側に少し下ると、茅葺きの「朝日堂」と赤い屋根の「夕日堂」が道路をはさんで建っております。
*1 峠
山の坂路を登りつめた所。山の上りから下りにかかる境。
*2 追い剥ぎ
通行人をおどかして衣類や持ち物などを奪うこと。また、それをする者。
*3 簑笠
簑と笠。または、簑を着て笠をかぶること。簑は、かや・すげなどを編んで作った雨具。
*4 悪行
わるい行い。悪事。不品行。
去年の12月に歩いた花香月山〜鶏足山の続きをやってきた。
ルートは前回の終点から高峯の西側の登山口までである。
前回同様、栃木と茨城の県境を辿った。
当初は仏頂山までの予定だったが数年前、雨巻山側の県境をMTBで走っているのでこの際だから繋げちゃう事にした。
ルート/焼森の里(駐車地)⇒舗装林道峠付近⇒323m標高点⇒292.7m三角点⇒仏ノ山峠⇒255m標高点⇒仏頂山⇒奈良駄峠⇒高峯⇒駐輪地
平成25年1月14日の雪により通行ができない峠がありました。笠間市石井から栃木県に抜ける重要な県道1号線の仏ノ山峠です、翌朝も通れるような状態ではなく帰りに通ってもなんにもされておらず、ほんと頭にきました。なぜいつも除雪をしようという気はないのですか?私だけでなく、かなりの交通量があるのでかなりの方が同じように困っているので至急改善対応策を施してください。道路管理を仕事としている課の方はなにをしているのでしょうか、きちんと最低限の仕事をしてください。早目の対応策の返信をお待ちしております。
ご意見をいただきました主要地方道宇都宮笠間線仏の山峠付近の除雪につきましてお答え致します。
1月14日の大雪に対しまして,交通の危険を防止するため道路管理者(水戸土木事務所)と交通管理者(笠間警察署)で協議した結果,冬用タイヤでも通行が難しいと判断し,1月14日午後1時30分から1月15日午後3時までと,同日午後7時から1月16日午前10時まで通行止めといたしました。この間,早期に交通解放ができるよう5時間にわたる除雪作業のほか凍結防止剤散布作業を5回実施するなど,昼夜を問わず除雪を実施いたしました。
今後の降雪に対しましても懸命の除雪に取り組んでまいりますが交通安全確保のため状況によって通行止めとする必要も生じ,県民の皆様にはご不便をおかけすることもあろうかと存じますが,ご理解とご協力をお願い申し上げます。
栃木県道・茨城県道1号宇都宮笠間線のヘキサである。
古くから水戸北街道(水戸街道と言われる事の方が多いようだ)として人々の往来が盛んな道となっている。
そんな県道1号線の県境近くである。
17kmのキロポストが見えるが、栃木県内の県道区間は17.109km(wikipediaより)なので、ここから109mで県境という事になる。
[12] この記事はSuikaWiki Worldでに作成されました。 に最終更新されました。 https://world.suikawiki.org/spots/23438054530142729