※このレポートは、「 ミニレポート227回 」の続編ですので、先にそちらを一読されることをおすすめします。
【周辺地図(マピオン)】
青函トンネル については、いまさら説明は不要だろう。
本州と北海道を結ぶ全長53.85kmの鉄道用の海底トンネル(海底部分は23.3km)で、昭和63年の開業当初は世界最長の鉄道トンネルであり、現在もなお世界第2位の地位にある。
まさに我が国が誇る土木構造物の一つといって良いだろう。
青函トンネルの建設着工が昭和36年で、開業は昭和63年だから、その工期は27年間にも及んだ。この間は本州と北海道の地上にそれぞれ1ヶ所ずつの建設基地が設けられ、本州側のそれは龍飛崎の突端近い、現在の「道の駅みんまや」および「青函トンネル記念館」の位置にあった。工期中に延べ1400万人の作業員が働き、その多くが建設基地の周辺に作られていた宿舎で暮らしたことから、当時の三厩村は今(外ヶ浜町)とは比べものにならないほどの人口を有し、財政的にも県内トップの充実ぶりを誇った。
そんな時代が確かにあった。
私が国道339号の旧道を探る目的で、その末端の袰内(ほろない)集落を自転車で訪れたのは、2014年11月11日の午後だった。
無事にその目的を果たしたので、マイカーを残してきた三厩駅付近へ戻ることにしたのだが、出来れば通ったことのない道を多く利用したい。
そんな気軽な理由から白羽の矢を立てたのが、右の地図に「 青函トンネル工事用道路 」と注記した道だ。
この道は最新の地理院地図にもちゃんとした(?)二本線で描かれていた。
ただし、その表記は途中でぷつりと切れていて行き止まりのようなのだが、その終点付近はとても平坦な地形として描かれており、これはおそらく青函トンネルのズリ捨て場だったのではないかと考えた。
ならば道はなくても無理矢理に国道339号の「ウィンドパーク」辺りへ抜けられるのではないかという、……まあ私にありがちな、少し無理のある打算をした。
なお、これは思いつきからの行動だったので、この道についてら事前の情報を持っていなかった。
ここが青函トンネルの工事用道路だということについても、確信があったわけではなかった。
だから当然、 そこが 廃道 だということも、知らなかったんだぜ…。
2014/11/11 14:36 《現在地》
写真