[7] Living Standard モデルは、特定の条件や締め切りを設定して仕様書を「完成」 させることを目的とせず、相互運用性の向上と新機能の開発を継続的に進めていく標準化形態です。
[8] かつては標準化する技術を記述した文書を原案委員会で製作し、 予め定められた標準化手続きに則り上部組織や参加企業などの正式な承認を経て標準として定め、 実装に供するのが一般的な形態でした。しかし、とりわけ Web 分野では、 技術開発が非常に高速であることや、標準化団体の運営方針と関係各社の事業方針が必ずしも一致していないことから、 従来の標準化手続きでは実態に合った標準仕様を開発し相互運用性を高めていくことができないと考えられるようになってきました。
[9] WHATWG は2011年に従来の標準化手続きを事実上廃止して HTML5 を Living Standard としました (HTML Standard)。 これが Living Standard モデルの始まりです。 (正規の標準化団体によらない仕様書など、事実上 Living Standard モデルといえるものはこれ以前からありましたが、従来型の標準化手続きを明確に否定し Living Standard という言葉を使って説明したのはこれが最初です。)
[10] W3C は既存の標準化手続きを頑なに守っていますが、 その多くの Web 技術の仕様書は ED を公開しており、 各社は (W3C勧告ではなく) ED に基づき実装を進めていますから、 実質的に Living Standard モデルを採用しているともいえます。
[12] W3C は Living Standard モデルに強く影響された開発モデルを Evergreen Standards と呼んでいるようです。
[1] TR strikes again - WHATWG Wiki ( ( 版)) http://wiki.whatwg.org/wiki/TR_strikes_again
[2] api - Content-Range header - allowed units? - Stack Overflow ( ( 版)) http://stackoverflow.com/questions/9480193/content-range-header-allowed-units#answer-9481121
[3] Re: w3process-ISSUE-124 (WHATWG-blacklist): Normative Reference policy should explicitly black list WHATWG specs [Normative Reference Policy] ( (Ian Hickson 著, 版)) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-w3process/2014Oct/0036.html
[5] Re: PSA: publish WD of "WebIDL Level 1" (Ryosuke Niwa 著, 版) https://lists.w3.org/Archives/Public/public-webapps/2015JulSep/0341.html
[6] RE: CfC: publish Candidate Recommendation of Web IDL Level 1; deadline December 9 (Domenic Denicola 著, 版) https://lists.w3.org/Archives/Public/public-script-coord/2015OctDec/0065.html