1、産地概要
東京都奥多摩町にあるこの鉱山は、東京で数少ないマンガン鉱山である。
数少ないといっても、東京(離島を除く)の鉱物産地のほとんどがマンガン鉱山なので、貴重な鉱物産地でもある。
地味な鉱物が多い東京を代表する鉱山でもあり、地味なマンガン鉱の中でも地味なものを産する。
奥多摩駅からアプローチは約15分と軽いものの、車で来ると駐車スペースでかなり悩むうえ、とにかく地味な鉱物が多いので初心者にはお勧めできない産地である。
2、産出鉱物各論
1)、緑マンガン鉱 Manganosite 化学組成 MnO 酸化鉱物
この鉱物は名前の通り緑色をしていて美しいのだが、割って空気に触れた直後から酸化が始まり、2・3日すると、完全に緑色がなくなり、黒っぽくなってしまう。 永久保存は難しいので、これを発見したらすぐに写真を撮ることをオススメする。
2)、ハウスマン鉱 Hausmannite 化学組成 Mn 2 O 4 酸化鉱物
3)、軟マンガン鉱 Pyrolusite 化学組成 MnO 2 酸化鉱物
黒色をしている鉱物で、他のマンガン鉱が酸化してできる。 軟マンガン鉱と同じ組成を持つ鉱物が、ラムスデル鉱である。
4)、石英 Quartz 化学組成 SiO 2 酸化鉱物
この鉱山では普通に産する。
5)、カリオピライト Caryopilite 化学組成 Mn 6 [(OH) 8 Si 4 O 10 ] 珪酸塩鉱物
6)、菱マンガン鉱 Rhodochrosite 化学組成 MnCO 3 炭酸塩鉱物
この鉱山の鉱石は基本的に、バラ輝石より菱マンガン鉱のほうが多い。
7)、バラ輝石 Rhodonite 化学組成 (Mn,Ca) 5 Si 5 O 15 珪酸塩鉱物
この鉱山の鉱石は基本的に、バラ輝石より菱マンガン鉱のほうが多い。
8)、方解石 Calcite 化学組成 CaCO 3 炭酸塩鉱物
9)、クリプトメレン鉱 Cryptomelane 化学組成 KMn 8 O 16 酸化鉱物
この鉱物は、他のマンガン鉱物が酸化することによってできる。やや青みがかった黒色。
10)、テフロ石(マンガンかんらん石) Tephroite 化学組成 Mn 2 SiO 4 珪酸塩鉱物
橄欖石グループの一つで、菱マンガン鉱やアレガニー石などと共