さて、しばし鎧畑地区で手こずっていた間に、レポは6回目を迎えてしまった。
まだまだ、玉川林鉄の探索は、やっと半分きたばかりである。
ちなみに、玉川ダムより上流についてはまだ探索すらしていない。
なんて、長い軌道なんだ。
本線だけで40,500mは、伊達じゃない。
しかも、一部は付け替え軌道だなんだで、二重になっているので…。
今回は、やっと先へ進む。
まずは、昭和32年の鎧畑ダムの完成に伴い付け替えられ廃止された軌道を、ダムまで辿ってみよう。
ちなみに、次回は同じ区間の付け替え軌道をお伝えしよう。
耳除から左折
チャリを回収し、鎧畑発電所の側まで戻る。
ここから左折する道は、鎧畑ダムサイトへと通じており、概ね旧軌道を踏襲した路線である。
正面の道は国道341号線で、付け替え軌道と重なる部分が多い。
まずは、旧軌道だ。
一車線の舗装路は、杉林の中を玉川に沿って進む。
両脇の山はそそり立ち、もう逃げ場はない谷間へと進んでいく。
だが、まだ僅かに猶予がある。
そこには、白煙をもうもうと上げる材木工場が稼働していた。
軌道は車道の左の杉林に築堤をして続いているようだ。
つかず離れず、並走している。
分岐から1200mほどで、蛇行する玉川と、それが削った岩肌とに挟まれる地点が来る。
ここを過ぎさえすれば、道のある右岸はしばらく地形的に楽なのだが。
軌道としても、ここは最初の難関だったに違いなく、隧道を持って越えていた部分だ。
しかし、車道は岸壁を広く切り開いて先へ進んでいる。
ま、また開削なのか…。
いかにも、この写真の場所など、隧道が開削されたっぽい。
この岸壁を過ぎてから振り返って撮影。
この右の大岩盤に隧道があったはずだ。
見たところ、坑口は存在しないが、ただ。
微妙に、古い地形図にある軌道の線形と、この車道の線形は異なる気がするのだ。
両者を重ね合わせてみても、精々0.5mmも違いはしないだろうが…私の勘が、別の位置に隧道があると言っている。
一旦引き返して、再度大岩盤の麓を精査してみることにした。
隧道 発見!
やはり、あった。
隧道は、車道よりもほんの5mほど山寄りの、帯状の湿地帯の奥に口を開けていた。
湿地帯は元々は軌道敷きだった場所らしい。
素堀の坑口は、岩盤上から落ちてくる細い滝の滝壺となっ