2008/9/9 8:46
渇水によって干上がった湖底で偶然にも見つけてしまった、おそらくは発電用導水路とみられる廃隧道。穴を見つけると覗かずにはいられない私は、いくつかの障害を乗り越えて入口に立ってしまったが、今はそこで足が止まっている。
これは、このまま進んでいいものだろうか?
水路隧道というのは、とにかく通常の道路や鉄道用の隧道とは一線を画するレベルで長いことが多い。おそらくこの水路は戦前に建設されたものだと思うが、そのような古い時期でも、水路隧道には数キロを越えるものがざらにあった。
この隧道についても、どこへ通じているのかも、その長さも、皆目見当が付かない。
過去の経験を振り返ってみれば、廃止された発電用導水路の隧道探索は、岩手県でやった覚えがある( 和賀計画第1次探索 / 同第2次探索 )が、あれもかなり長くて大変だった。あのときもダムの建設で水没し廃止された発電所の導水路だったが、水没区域外に残った坑口から内部を探索したのであって、今回は湖底にあった坑口に潜り込もうとしている点で大きく異なっている。今回の方が、状況はより不確定であろう。
右図は坑口周辺の地形図だ。GPSで位置を測定したのでかなり正確なはずだ。
果たしてこの水路隧道は、どこへ通じているのだろうか?
どこかにあった発電所に向かって徐々に下降していくものと推測されるが、現在の地図だと近隣にそれらしい発電所は描かれていないし(←これは当然だ。おそらく奈川渡ダムに沈んでいるのだろうから)、発電所があったような場所も私は知らない。
そもそも、奈川渡ダムが形作る巨大な梓湖の北岸(左岸)には国道が通じているが、現在地を含む南岸(右岸)には全く道が存在しないし、左岸の国道もトンネルばかりで視界がほぼ皆無だ。それゆえに梓湖南岸の情報は圧倒的に不足している。地形図には送電線の記号が2本ほど右岸を通っており、これらの管理用通路くらいはどこかにあるのだろうが、私は見たことも無いし、満水位以下にある本隧道とは基本的に関わりが無いだろう。これも頼りには出来ない。
う〜ん…。
入って行く先を確かめなければならない気はするし、中が気になるのは間違いないのだが、坑口に風が全くないので、高確率でどこにも繋がっていない 閉塞隧道だと思うんだよなぁ…。
坑口の風というのは本当に正直で、野外が限りなく無風に近