2014/5/23 14:14 【現在地】
前編で紹介した探索に続いて、中ノ島を4時間ほど巡って遊んだ私は、再び菱浦港へ戻って来た。
今度は、内航船「いそかぜ」に乗って、知夫里島へ行ってみるのである。
知夫里島の港は来居(くりい)といい、内航船だけでも1日10回程度は移動のチャンスがある。この他、カーフェリーと大型客船も毎日運航しているから、かなり気軽に移動出来る。
島前三島に四方を取り囲まれた内海は、湖と区別が付かないほどに波静かであり、とても本土から50kmも沖合に浮かぶ離島の海とは思えないものがあった。
三島と内海は、巨大な火山の中央火口丘とカルデラと外輪山であるらしく、実際の景観も十和田湖を船上から眺めるのによく似ていると思った。たぶん内海の広さも十和田湖と同程度だろう。
内航船は自転車を乗せるのにも追加料金はかからないし、輪行袋に入れることも求められなかった。普通に客室に停めておける。しかも、三島間の運賃は一律300円と安い。船体は小さいが、その分スピード感があり、デッキに出て風を受けながら四方の風景や航跡を眺めるのは、とても爽快だった。実際の乗船時間も18分(菱浦〜来居間)と短い。
19:47 【現在地】
それからさらに3時間半後、すっかり日の暮れた海をもう一度内航船で渡り、今度は島前三島中最大の面積と人口を誇る西ノ島へとやって来た。
港の名は別府港といい、明治時代以前からの西ノ島の玄関口として島内に二つある大きな集落の一つを構成している。
県道319号西ノ島海士線の起点があるのもここであり、西ノ島側区間の探索をここから始めるつもりであったが、さすがにもう夜だ。探索は明日にしよう。
港のそばにある食堂で温かい定食を頂いてから、集落外れの海端に適当な場所を見つけた私は、一人用テントを設営し直ちに眠った。
こうして隠岐で過ごした3日目、島前での1日目が終わった。
2014/5/24 4:06 【現在地】
……お おひゃょぅござ いまふ………。
さすがに眠い。
根が貧乏性だから、遠征では日のある時間は常に探索をするという状態を4日続けた後の5日目の朝だった。
体の節々が重く、出来の悪い繰り人形のような動きになっているのが自分でもよく分かる。
しかも、昨日の中ノ島のどこかの廃道探索中に、左の目蓋を毛虫に刺されたようで、途轍もなくはれぼった