吉林省旅行の続き5 <あるおじさんとの出会い、そしてやっと昼休みが終わって……>
(北朝鮮、ロシア、中国の三国の接点が見える展望台からみた北朝鮮。川の向こうが北朝鮮です。ちなみに、これは中国側から撮ったもので、最近の北朝鮮訪問記とは関係ありません。その前日の写真。)
(前回は、中国側に戻ろうとしたのに国境の橋が昼休みで閉まってしまい、北朝鮮側から出られなくなって途方にくれたところまで。そして、ガックリして北朝鮮の入国審査の建物ところまで戻ると、なんとネイティブの日本語で話しかけられたんです――。)
「あなたたち日本人? どうしてこんなところにいるの?」
その日本語を聞いて、その人物が日本人であろうことを確信して、ぼくらもまたびっくり。どうしてこんなところに日本人がいるのだろう、と。。。しかしまず、自分たちの状況を説明する。
――北朝鮮をちょっとだけ見てみたいって中国側で頼んだら、いいよ、って入れてくれたんです。で、ちょっとだけ見て帰ろうと思ったら、なんと国境が閉まってしまって……」
「え? 招聘状とか何か持ってるの? そういうのなしでどうやって中国側を出国できたの?」
――招聘状? やっぱりそういうのいるんですか……? もちろん何もそういうものは持ってないんですけど、いろいろと交渉したら、なんだかんだで通してくれて、橋渡ってここまで来ることができちゃったんです。
「えっ? そうなの? なしでここまで来れるのか……。それは知らなかったよ。びっくりしたなあ。いやあ、橋の前でうろうろしてるあなたたちを見て、なんか様子がおかしいから、なんだろうなって思ってたんですよ。そしたらこっちに戻ってくるし、日本人だっていうから、ほんとにびっくりしたよ。まさか旅行者がこんなところまで入ってくるなんて思わなかったから……それに、昨日北朝鮮が核実験をやるって宣言したんだよ、知ってた? もうそれで日本もどこも大騒ぎですよ」
え?そうなんですか!? そう、このとき初めて、核実験のことを知ったんです。まさかこのタイミングで、そんなことになっていたとは……。全く知らずにびっくりでした。
――でもところで、どうしてこちらにいらっしゃるのですか?
と今度はおじさんに聞いてみました。
「私は在日なんですよ。日本で育ったけど、もともとはこっちの出身でね。今は仕事でよくこっちに来てて、もう北朝鮮には50回