マーク付けとは、文書の構造を明示することでした。 ですから、まず文書の構造を見極める必要があります。
「
愛って何なんだ。
愛は海よりも深く、山よりも高いものなんだとか、 あいつは言っていたっけな。きざな奴だ。
ったく、その舌の根も乾かぬ内に・・・。 今度会ったらとっちめたやる。
」例文1
この文章(の断片)は、3つの段落から成っています。
図1 例文1の構造
「
今度会ったらだって? 梓の思考はそこで立ち止まった。
」例文2
「会ったら」の部分が強調されてます。
図2 — 例文2の構造
ところで、実はこの文章(片)は、「天の川の向こうに」という見出しがついた 章の冒頭部分でした。ですから、まとめるとこの章の構造は、 次のようになります。
図3 例文1・2の構造
この構造木 (このように枝分かれしていくような構造を、 木構造と呼びます。) のそれぞれの枝, つまり構造の要素を、 その名もずばり、要素と呼ぶことにします。
では、今度はこの構造を元に、マークをつけてみます。 マークはもちろん、要素の始めと終わりにつけます。
(要素の終わりは要らないと思うかもしれませんが、 前の節の木構造図を思い出して下さい。要素の中に 別の要素が入ることがありますし、前の要素のすぐ次に 別の新しい要素がくるとは限りません。)
ここでは、始めのマークは "<" で始まって ">" で終わり、 間に要素の名前を書くこととし、終わりのマークは "</" で始まって ">" で終わり、間に要素の名前を書くこととします。 (え? 何のことかさっぱりだって? 大丈夫、すぐわかります。)
要素の名前は、次のように決めましょう。
図4 要素の名前の定義
ですから、段落の始めのマークは "<p>" で、終わりのマークは "</p>" です。
では、図3の構造を元に、マークをつけてみて下さい。
ここで少しだけ名前を覚えておきましょう。 マークのうち、要素のはじめを示す "<p>" のようなものを、 開始タグといいます。 また、終わりを示す "</p>" のようなものを、 終了タグといいます。
マークには他にも種類がありますが、その話はいずれまたしましょう。