旧ソ連でも、入国しにくい国がいくつかある。ひとつはトルクメニスタンである。そして、もうひとつはタジキスタンである。それは、陸路の国境が少ないからである。ウズベキスタンとの国境は流動的に変わり、サマルカンド〜ペンジンケントのルートは、現在閉鎖されているようである。今回は、ウズベキスタンから、別の国境を通ってタジキスタンに入国してみた。
ウズベキスタンの南部にテルメスという町がある。
ここは、タジキスタンだけでなく、トルクメニスタンやアフガニス
タンとも国境を接している。特に、アフガニスタンは、川を越せば
すぐである。そのため、郊外に出て川の近くに行くと、遠くにアフ
ガニスタンの地を見ることができる。
ぼくは、テルメスからタジキスタンの首都、ドゥシャンベまで陸
路で移動しなければならなかった。理由は、ドゥシャンベからイス
タンブール経由で日本へ帰るからである。また、タジキスタンに
入国して、旧ソ連の国々を制覇したかったからである。以前は、
日本に大使館がなかったので、入国するのはほぼ無理であった
が、日本のタジキスタン大使館でビザが取れたので入国するこ
とにした。
しかし、ウズベキスタンとタジキスタンの関係はそんなによいと
はいえず、時々国境が閉鎖されるようであった。今回テルメスへ
行ったのは、ガイドブックで国境が開いているという情報があっ
たからである。
テルメスのホテル「スルタン」で朝を迎えた。このホテルは、看板も何もないホテルであるが、新しくエレベーターもついている。部屋にはエアコンやトイレ・シャワーもついており、十分な設備を備えたホテルであった。ホテルの値段は、20000スム(約12ドルくらい)でとても安かった。タシケントだったら50ドルは下らないだろう。
午前6時過ぎにホテルをチェックアウトした。ここからマルシュルートカ(乗り合いミニバス)に乗ってバスターミナルへ向かった。場所は前日に下見をしていたので迷うことはなかった。
ここから、デナウという国境の町まで行かなければならない。乗り場には、デナウ行きのマルシュルートカや乗り合いタクシーが止まっていた。どちらも声をかけてくる。しかし、人数がそろわないと出発しない。実際、声をかけられたマルシュルートカや乗り合いタクシーも、乗っては見たものの出発する気配は全然なかった。1時間近く