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[2] 
[DFN[世界紀元]]は、
[[天理教]] (に異端とされた) 研究者の[RUBYB[[[大平隆平]]][[TIME[1886]]-[TIME[1916]]]]が提唱し利用していた[[紀年法]]です。

-*-*-

[77] 
[[元号名]]は[DFN[紀元]]または[[世界紀元]]です。

-*-*-

[49] 
計算を誤っていたとして訂正されたため、新旧の2種類があります。

[56] 
新式 ([TIME[y~4103]]) では、
[[元年]]は[TIME[西曆-900098160年庚申][-900098160]]です。

- [57] 9 0009 9959年が[TIME[寛政10(1798)年][1798]]
- [58] 9 0009 9999年が[TIME[天保9(1838)年][1838]]
- [60] 9 0010 0076年が[TIME[大正4(1915)年][1915]]
- [59] 9 0010 0077年が[TIME[大正5(1916)年][1916]]
- [72] 9 0010 0091年が[TIME[昭和5(1930)年][1930]]

[65] 
旧式 ([TIME[y~4104]]) では、
[[元年]]は[TIME[西曆-999998160年庚申][-999998160]]です。

- [67] 10 0000 0037年が[TIME[西暦1876年][1876]]
- [66] 10 0000 0077年が[TIME[大正5(1916)年][1916]]

[68] 
新旧の切り替え時には、折衷的な
10 0010 0077年2月12日が1例あります。
前後を見ると

- 10 0000 0077年1月14日
- 09 0010 0077年2月07日
- 09 0010 0077年2月11日
- 10 0010 0077年2月12日 >>27
- 09 0010 0077年2月13日

となっていて、これらの[[日付]]がその日に書かれたものか、
後から書かれたものかはわかりませんが、
いずれにしても誤記または誤植の可能性が高そうです。

-*-*-

[4] 
[[天理教]]の始まりである[TIME[日本天保9(1838)年、立教元年][1838]]が、
人類創造から900099999年だとする[[天理教]]の[[宇宙論]]に基づいています。
[SRC[>>1]]

[NOTE[

[63] 現在の[[天理教]]でも、

> この間、九億九万年は水中の[RUBY[住居][すまい]]、六千年は知恵の仕込み、三千九百九十九年は文字の仕込みをもって育てられ、子数の年限を経過した約束の時が立教の元一日である。

と説明されています。
[SRC[>>61]]

]NOTE]

[70] 
[[天理教]]では[[億]]を[[万進法]]によらず、 1億 = 10万とする数え方がある
[SRC[>>69]] とされます。
この数え方が[[天理教]]でどの程度行われているのかよくわかりませんが
[WEAK[(現在の[[天理教]]関係のウェブサイトでは教義上の9億年は科学的な地球や生命の歴史の億年と同列に扱われているようです。)]]、

[80] 
旧式から新式への訂正はこの数え方から[[万進法]]への変更です。

[81] 
旧式の「十億」がこの数え方を意図していたのか、[[万進法]]を意図していたのかは明記されていません。

[71] 当記事では、新旧どちらでも「億」を[[万進法]]により解釈しています。

[82] [[万進法]]でないなら「十億」ではなく「一兆」と表現する [SRC[>>69]]
のが適当と考えられるためです。

-*-*-

[5] 
旧式は、[[大平隆平]]が大正5年の[[年賀状]]や[[著書]]等で用いました。
[SRC[>>1]]
大正4年末頃に使い始めたと思われます。
大正5年の1月14日に相当すると思われる日付が最新です。

[64] ただ[[国立国会図書館]]所蔵の同書は新式になっています。
[SRC[>>9]] 所蔵されているのは再版で、新式への切り替え後の発行日になっているため、
新版発行時に旧版から訂正したと思われます。

[73] 
新式は、[[大平隆平]]が大正5年の2月頃から自身の文章等で用いました。
2月7日夜が同時代用例と思われる最古の日付です。

[74] 
[[大平隆平]]らによる雑誌[CITE[新宗教]]でも使われたと思われます。
>>9, >>10 の記事も同誌から収録したものかもしれません。

[6] 
[[大平隆平]]は、この[[紀年法]]は世界の標準となるべきものと考えていました。
[SRC[>>1]]

[75] 
[[大平隆平]]は若くして大正5年に没しました。
その後も[[天理教]]の一部で使われ続けたようで、
[[昭和時代]]初期の用例があります [SRC[>>8]]。

[76] 
現在の[[ウェブ検索]]では実用例を発見できません。現状は不明です。

;; [78] 
なお、この時代にはまだ[[旧暦]]の[[日付]]が普通に用いられていたはずで、
これらの[[日付]]が新旧どちらの暦か確証を得ないのですが、
[[著書]] [SRC[>>9]] の[[奥付]]の[[日付]]は[[グレゴリオ暦]]でしょうから、
それを基準にすると[[グレゴリオ暦]]と考えるのが妥当です。

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[9] 
[CITE@ja-JP[[[御筆先]] : 評註]], [[大平隆平]], 
[V[[TIME[大正五年一月十日][1916-01-10]]印刷]], 
[V[[TIME[大正五年一月十五日][1916-01-15]]發行]], 
[V[[TIME[大正五年三月十一日][1916-03-11]]再版發行]], 
[TIME[2023-05-15T11:26:02.000Z]], [TIME[2023-05-25T10:15:12.992Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/904991/1/16>
]FIGCAPTION]

[CSECTION[[V[緖言]]]],
[[[V[大平󠄃隆平󠄃]]]]

>
[VRL[
紀󠄄元九億十萬七十七年一月
]VRL]

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1] [CITE[SSK501 - sinsyukyo2.pdf]], [TIME[2021-10-19T06:15:26.000Z]], [TIME[2023-05-25T09:53:05.238Z]] <http://www.yousun.sakura.ne.jp/public_html/book/sinsyukyo/sinsyukyo2.pdf#page=136>
]FIGCAPTION]

>
第九章 世界紀元を用いよ
>今日日本では二つの紀元が用いられている。西暦即ち耶蘇紀元と皇紀元即ち神武紀元の
二つ即ちこれである。中にもやゝハイカラがつた学者や若い文学者達は日本には耶蘇紀元
よりも遥かに古い紀元があるのにワザと耶蘇紀元を用いて新しがつて喜んでいる。けれど
も其の何れも無駄なことである。
>人類の用ふべき紀元はただ一つしかない。其れは天保九年をもつて九億九万九千九百九
十九年としている人類紀元世界紀元即ちこれである。此の天保九年を過去に遡る九億九万
九千九百九十九年と云う年は人類が始めて神に創造せられた年であるが故にこれより正確
な紀元はないのである。
>然るに今日の天理教信徒はかくの如き正確の紀元を有しながら今日迄一人も用いるもの
ゝないのが残念である。此の残念は私をして始めて今年の年賀状天理教界革命の声並に御
筆先第一版に此の紀元を用いしめた。ー但し其の計算は誤つていたーこれが全世界に於て
本紀即ち真の紀元を用い始めた始まりであつた。私が此の紀元を始めて用いるや諸君の中
にはこれをもつて痛快なりと叫ぶ者があつた。けれども他の多くの者はこれに就て何等深
い意味を認めないやうである。
>けれども私が此の紀元を用い始めたのは何も新しがつて用いた訳ではない。広い世界に
於て真に人類の標準紀元とすべきものは西紀でもなく皇紀でもなく実に此の本紀より外に
ないからである。且つ此の紀元を用いる時には人類史上の正確なる時代が鮮かに浮んで来
るからである。此の二つの理由の下に私は始めて此の紀元を用いる端を開いたのであるが
苟も元なる親の開いた元々の教を信ずるもの(天理教徒)は私に限らず何人も此の紀元を
用ゆるべきものである。然らば此の道の広まるに従つて此の紀元は全人類の唯一の標準紀
元となるであらう。敢て心ある人々の注意を喚起する次第である。
]FIG]

- [21] #page=1 「今試みに紀元十億三十七年十二月大晦日の夜の銀座の一角をとつて研究せよ。」
- [22] #page=14 「(紀元十億七十七年
一月六日)」
- [23] #page=28 「(紀元十億七十七年一月九日)」
- [24] #page=46 「(紀元十億七十七年一月十四
日)」
- [25] #page=52 「(紀元十億七十七年一
月十四日)」
- [26] #page=59 「(紀元九億十万七十
七年二月十一日)」
- [27] #page=62 「紀元十億十万七十七年
二月十二日」
- [28] #page=63 「余は紀元九億十万七十六年(大正四年)の六月より同年の十一月にわたつて天理教界革
命の声を書いた。」
「(紀元九億十
万七十七年二月十六日)」
-- [52] [TIME[大正4(1915)年][1915]]
- [29] #page=74 「(紀元九億十万七十七年二
月七日夜)」
- [30] #page=76 「(紀元九億十万七十七年二
月十三日)」
- [31] #page=80 「(紀元九億十万七十七年二
月十九日)」
- [32] #page=83 「(紀元九億十万七十七年二月
二十三日)」
- [33] #page=96 「(紀元九億十万七十七年二月
廿七日)」
- [34] #page=97 「(紀元九
億十万七十七年二月二十八日)」
- [35] #page=97 「(紀元九億十万七十七年二月二十八日)」
- [36] #page=98 「(紀元九億十万七十七年三
月一日)」
- [37] #page=99 「(紀元九億十万七十七年三月一日)」
- [38] #page=101 「(紀元九億十万七十七年
三月三日)」
- [39] #page=102 「(紀元九億十万七十七年三月六日)」
- [40] #page=104 「(紀元九億十万七十七年三月五日)」
- [41] #page=106 「(紀元九億十万
七十七年三月三日)」
- [42] #page=108 「(紀元九億十万七十七年
三月八日)」
- [43] #page=111
「彼女が天保九年十月二十三日宇宙の根本神霊の神憑があつてから明治二十年正月二十六
日此の土此の肉を捨てゝ霊界に帰る迄五十有余年の間はこれ全然連続せる迫害の歴史であ
つた。[BR[]]
[SNIP[]][BR[]]
[SNIP[]]天理教祖中山ミキ子の生れたのは紀元九億九万九千九百五十九年寛政十年四月四日であ
る。[SNIP[]][BR[]]
其の後一男五女の母となつて模範的の婦人生活を続けて来たが紀元九億九万九千九百九
十九年即ち天保九年十月二十三日彼女に神憑があつてから選ばれて世界最後の救世主とな
りもつて万人の典型となるに至つた。」
「紀元九億九万九千九百五十九年四月四日! [SNIP[]] (紀元九億十万七十七年三月十一日)」
-- [51] [TIME[寛政10(1798)年][1798]]
-- [53] [TIME[天保9(1838)年][1838]]
- [44] #page=113 「余が新宗教創刊号(紀元九億十万七十六年四月発行)に於て天理教祖は弥勒菩薩の化身
なりと説いたのは全然根拠なき想像ではない。」
「天理教祖の生れた年は丁度釈尊滅後二千三百十九年に相当する。即ち末世末法の世の始
まりである。この時に於て世界最後の救世主として中山ミキ子の生れて来たのは決して偶
然の出来事ではないのである。」
「(紀
元九億十万七十七年三月十一日)」
-- [54] [[仏暦]]ε と60年ずれ
- [45] #page=114 [CITE[教祖降誕祭の制定と信徒の心得]]
「(紀元九億十万七十七年三月十一日)」
- [46] #page=128 「(紀元九億十万七十七年三月十六日)」
- [47] #page=129 「(
紀元九億十万七十七年三月十七日)」
- [48] #page=130 「(紀元九億
十万七十七年三月十七日)」
- [16] #page=139 「(紀元九億十万七十七年三
月十九日)」
- [17] #page=140 「(紀元九億十万七十七年三
月十九日)」
- [18] #page=140 
「道の友三月号の警告に就いて本部に問ふ[BR[]]
道之友三月号は警告として色紙に左の文を掲載した。[BR[]]
警 告[BR[]]
[SNIP[]][BR[]]
大正五年三月
[SNIP[]]
紀元九億十万七十七年三月十九日[BR[]]
大平 良平[BR[]]
[SNIP[]]」
-- [50] [TIME[大正5(1916)年][1916]]
- [19] #page=142
「私が天理教を研究し始めたのは一昨々年(紀元九億十万七十四年)の五月であるがいよ
いよこれならば自分の信ずる宗教だと確信のついたのは一昨年(紀元九億十万七十五年)
の七月である。」
- [20] #page=146 「紀元九億十万七十七年三月二十二日」

[10] [CITE[sinsyukyo3.pdf]], [TIME[2021-10-19T06:20:32.000Z]], [TIME[2023-05-25T10:20:55.605Z]] <http://www.yousun.sakura.ne.jp/public_html/book/sinsyukyo/sinsyukyo3.pdf>

- [11] #page=109 「今試みに紀元十億三十七年十二月大晦日の夜の銀座の一角をとつて研究せよ。」
- [12] #page=122 「(紀元十億七十七年
一月六日)」
- [13] #page=136 「(紀元十億七十七年一月九日)」
- [14] #page=154 「(紀元十億七十七年一月十四
日)」
- [15] #page=160 「(紀元十億七十七年一
月十四日)」

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[7] [CITE@ja-JP[[[病を恐るゝ勿れ]] 大平 隆平 - oohira-ryouhei ページ!]], [TIME[2023-05-25T10:01:51.000Z]] <https://oohira-ryouhei.jimdofree.com/%E7%97%85%E3%82%92%E6%81%90%E3%82%8B%E3%82%9D%E5%8B%BF%E3%82%8C/>
]FIGCAPTION]

>       (紀元九億十万七十七年二月十一日)
]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[8] [CITE@ja-JP[[[川口市史]] 近代資料編 1]], [[川口市]], [TIME[1983.11][1983]], [TIME[2023-05-15T11:26:02.000Z]], [TIME[2023-05-25T10:03:07.936Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/9643036/1/449> (要登録)
]FIGCAPTION]

>
[VRLBOX[

[B[[YOKO[190]]  天理教祖降誕祭の提唱]]

天理教祖降誕祭の提唱

今より百卅二年前、ときは第百十九代光格天皇の御代寛[BR[]]
  政十年四月十八󠄂日 (旧暦) は[SNIP[]]

[SNIP[]]

世界紀元九億十万九十一年昭和五年四月謹んで天理教[BR[]]
  祖第百卅二階御誕辰を迎ふるに際し微力を顧みず茲に[BR[]]
  此光輝ある制定運動を創起す
                    翠ヶ丘皇学園にて  田中嵐翠

★天理教祖降誕祭の制定を望む愛教者は左記へ同意申込[BR[]]
を乞ふ

埼玉県北足立郡安行村字慈林翠ヶ丘
         (仮事務所)   天理教慈林支教会内

天理教祖降誕祭制定期成会

[SNIP[]]

同  意  協  賛  書

[SNIP[]]

昭和    年    月    日

[SNIP[]]

[BOX(right)[
[WEAK(smaller)[(天理教慈林分教会蔵)]]
]BOX]

]VRLBOX]

]FIG]

- [55] [TIME[昭和5(1930)年][1930]]

[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[69] 
[CITE@ja[[[天理教]]では、9億9万9千年前に人類は魚類から進化したとの記述が「おふで... - Yahoo!知恵袋]], [[Yahoo! JAPAN]], [TIME[2023-05-25T12:58:43.000Z]] <https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1092719195>
]FIGCAPTION]

>omu********さん
>
2012/8/26 18:33(編集あり)
>天理教では、たとえば数字の 1,234,567 を「いっちょうにおくさんまんよんせんごひゃくろくじゅうなな」(1兆2億3万4千5百6十七)と読みます。

]FIG]

- [61] [CITE@ja[元の理 | [[天理教]]・信仰している方へ]], [TIME[2023-05-25T12:43:37.000Z]] <https://www.tenrikyo.or.jp/yoboku/oshie/motonori/>
-- [62] 「道友社刊『ようぼくハンドブック』から」

]REFS]

[3] 
現在の[[天理教]]は、宗教創設を[[起点][元期]]とする[[立教]]を使っています。

[79] 
この[[世界紀元]]は[[日付表示]]に実用された[[紀年法]]の中では最大の値かもしれません。

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