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[1] 
[[史書]]等で[DFN[干支元号年形式]]の[[日時表示]]が使われることがあります。

[5] 
[[中華王朝]]の史書や、
[[中原]]をはじめ[[雲南]]や[[越南]]でも[[近世金文]]では通常の[[東洋の日時表示]]の[VAR[元号名]][VAR[元号年]][VAR[干支年]]の順序がほとんどですが、
周縁地域では[VAR[干支年]]が先に来ることがあります。

* 西夏

[8] 
[[西夏語]]では[VAR[元号名]][VAR[干支年]][VAR[元号年]]の順に書きますが、
[[西夏]]地域の[[漢文]]でもこの順序で[[漢字]]表記した例がみられます。
[SEE[ [[西夏の元号]] ]]

[EG[
[6] 
[[西夏]]では
「貞觀壬辰十二年」
のような[VAR[元号名]][VAR[干支年]][VAR[元号年]]型の記述が使われました。
[SEE[ [[西夏の元号]] ]]
]EG]

[14] 
[[西夏語]]の言語的な特徴によるものなのか、たまたま形成された慣習なのか、どちらなのでしょうね。

* 雲南

[15] 
[[雲南]]でも[[史書]]に利用例があります。

[EG[
[2] 
[[南詔国]]や[[大理国]]の[[史書]][CITE[増訂南詔野史]]には
「宋仁宗辛巳慶曆元年」
のような[VAR[国名]][VAR[君主名]][VAR[干支年]][VAR[元号名]][VAR[元号年]]型の記述があります。
[SEE[ [[雲南の日時]] ]]
]EG]

* 越南

[7] 
[[越南]]では伝統的に[[史書]]で[[干支年]]を先に置く書き方が使われてきたようです。
[[干支]]を順に書いていき、そこに[[元号年]]と記事を書いていくような編纂方法から発展したものでしょうか。
後続の[[史書]]は前例に倣ったものでしょう。
[[列伝]]等の本文中には[VAR[君主名]][VAR[干支年]][VAR[即位紀年]]の順に書いた例もあります。

;; [12] 史書では[[干支年]]に[[小書き]]・[[割書]]で[[元号名]]・[[元号年]]を添える形式が多いです。

[EG[
[3] 
[[越南国]]の[[史書]][CITE[大越史記全書]]には
「辛巳漢蒼紹成元年」
のような[VAR[干支]][VAR[君主名]][VAR[元号名]][VAR[元号年]]型の記述があります。
[SEE[ [[越南の元号]] ]]
]EG]

[EG[
[4] 
[[越南国]]の[[史書]][CITE[大南寔録]]には
「壬申十五年〈黎洪福元年,明隆慶六年〉春正月」
のような[VAR[干支]][VAR[即位紀年]]型の記述があります。
[SEE[ [[越南の元号]] ]]

]EG]

[11] [[越南]]でも特殊な例: [[協和]]

* 漢土

[10] [CITE@zh-CN[《删注脉诀规正》((清)沈镜)电子书下载、在线阅读、内容简介、评论 – 京东电子书频道]], [TIME[2022-10-25T09:43:20.000Z]], [TIME[2022-10-25T09:46:06.077Z]] <https://e.jd.com/30332426.html>

>[SNIP[]]本次校注选用的底本为收藏于中国中医科学院图书馆的清康熙庚辰三十九年(1700)刻本,该本虽不一定为是书之祖本,但属早期刻本应无误,且刻印精良,错讹极少。[SNIP[]]

- [59] 
[CITE@ja-JP[中国関係論説資料 6-3]], [[論説資料保存会]], [TIME[1967.][1967]], [TIME[2025-02-25T01:55:51.000Z]], [TIME[2025-03-10T05:55:50.733Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/12406875/1/20> (要登録)

[31] >>59 [[清国]]で作られた[[日本]]の[[年代記]]。

* 日本

[381] 
[[日本]]でも[[年干支]]の後に年数が来るとされる例がごく稀に報告されています。
実在するのか、誤報告なのか、はっきりしません。

- [355] 
[[日本国]][[香川県]][[大川郡]]神前村新川庵[[鰐口]]
「[V[永仁 [LINES[乙][未]] 三      年]]」
[SRC[>>339 p.二一七 [V[[YOKO[23]]]] ([CITE[讃岐金石史]], [[岡田唯吉]])]]
([TIME[日本永仁3(1295)年[LINES[乙][未]]][year:1295]])
- [380] [TIME[西暦1327年][year:1327]]板碑 [SEE[ [[二二]] ]]
- [17] 
[[明翁]]

[13] 
>>355 の場合、中央の行に「永仁三年」とあって、その左右に干支を[[割り振る形][書字方向「小」]]で書かれていたものを、
たまたまこのように翻刻したのかもしれません。

[REFS[
- [339] [CITE[[V[平安・鎌倉時代鰐󠄂口銘文集]]]],
[CITE[[[仏教考古学研究]]]], pp. [V[二〇八󠄂]]-[V[二二二]]
]REFS]

[676] [CITE@ja-JP[肥後国誌 : 校訂 上]], [[後藤是山]], [TIME[大正5][1916]], [TIME[2023-01-06T06:14:39.000Z]], [TIME[2023-01-07T13:39:22.444Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/954697/1/264>

鐘銘 「太歳戊戌正平十三年九月廿二日」

[32] このような金石銘の翻刻文の場合は部分文字列の原配置位置の情報が失われた結果であることがあるので注意が必要

[18] [CITE@ja-JP[江府名勝志]], [[藤原之廉 撰, 横関英一 校注]], [TIME[1972]], [TIME[2024-01-05T08:01:52.000Z]], [TIME[2024-01-20T09:46:25.513Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/9640430/1/109> (要登録)

[19] >>18 この形式の年表

* 偽史

[9] 
[CITE[竹内文書]] ([[偽書]]) でもたまに使われています
[SEE[ [[古史古伝の日時]] ]]

[16] 
[[朝鮮半島]]でも20世紀の[[偽書]]
[CITE[桓檀古記]]
でこの形式が使われています。
[SEE[ [[[CITE[桓檀古記]]の日時]] ]]

[20] [CITE@ja-JP[大楠公秘史]], [[八板千尋]], [TIME[昭和17][1942]], [TIME[2024-02-01T05:12:54.000Z]], [TIME[2024-02-12T09:20:00.263Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/1041757/1/115> (要登録)

[21] 
>>20 [[三河吉野朝]]関係の文書。元号名 + 十二支年 + 元号年。
月日にも怪しげな表記が。
飛んで /131 あたりにも。

- [337] 
[CITE@ja-JP[宗良親王信州大河原の三十年・東海信越南北朝編年史]], [[松尾四郎]], 
[V[発行  [TIME[昭和五十六年十二月][1981-12]]]], [TIME[2024-05-28T02:01:58.000Z]], [TIME[2024-07-26T14:42:52.271Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/12270332/1/67> (要登録)

[22] 
>>337 
元、[[石切村]][[堂原]]居住、執筆当時[[植田]]居住[[山下宗利]]方位碑形由緒書

>
[VRL[
[PRE[
元暦甲辰元年
四家を残  京に入    後  権三良
  尹良将軍上ニ有
        延暦乙亥十四年
元祖    藤原鎌足末孫左凉
延元五卯三  楠正成家臣信濃より入  土民と成り  身を
かくす
丁酉大永七年正月十一日大火宝物焼失

権兵衛
]PRE]
]VRL]

(それらしき白黒写真あるも判読困難)

[24] [TIME[元暦元(1184)年甲辰][1184]]

[25] 
「延元五卯三」を >>337 は「延元乙卯四」と解しています。
[TIME[延元3(1338)年戊寅][1338]],
[TIME[延元4(1339)年己卯][1339]],
[TIME[延元5(1340)年庚辰][1440]]のうち[[十二支年]]「卯」を重視し、
前後の[[日付の書き方][日時表示]]との整合性を考慮したものです。

[26] 
「延元5年卯(4)月3日」の[[省略形][東洋の日時表示]]と解釈した方が自然です。
前後の[[日付の書き方][日時表示]]はよく見ると微妙に違っていて、
元々統一的に書かれていたと前提にしなくてもいいでしょう。
むしろ異なる表記の何らかの別の原資料からの寄せ集めと考える根拠になります。

[27] 
[TIME[大永7(1527)年丁亥][1527]]。
>>337 は丁亥であると注釈していますが、それ以上の解釈は加えていません。

[28] [[尹良親王]]はこの地方など各地に伝承が残る[[後南朝]]の皇族ですが、
信頼できる史料に現れない人物です。

[29] 
怪しげな日付表記と[[後南朝]] ([[尹良親王]], [[楠木]])、
焼失という鉄板の組み合わせですね...

[30] 
>>20 >>22 と内容は違って地域も微妙にずれているのに[[楠木]]という共通点があって、
日付の書き方が同じというのはどう理解するべきなのでしょう。
このような伝承を広めた集団とこの日付の書き方をした集団が共通していたりするのでしょうか。

* メモ

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