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* 即位紀年

[25] 
[[中原]]では古くから[[君主]]の[[即位紀年]]が使われてきました。

[28] 
[[周]]や[[春秋戦国時代]]、[[秦]]の時代から[[漢]]の時代の初期までは、
各国の[[王]]や[[皇帝]]の[[即位紀年]]を使って記述する方法が、
[CITE[史記]]や[CITE[春秋]]の時代からの標準となっています。

[2] [[東洋の即位紀年]]も参照。

[41] [[周]]の[[文王]]の時代を[[受命]]○年と表記することがあります。
[[文王]]崩御後も[[殷]]の滅亡頃まで使うことがあるようです。
通常の[[在位紀年]]とも[[元号]]とも異なる不思議な扱いの[[紀年法]]です。
「受命[VAR[何]]年」
の表記法が当時から既にあったのかはよくわかりませんが、
後世の利用法をみると[[元号]]とみなしても良いように思われ、
その場合最古の時代を表す[[元号]]ということになります。
[SEE[ [[受命]]、[[元号]] ]]

[23] [[周]]で[[王]]が不在となった時代は[[共和]]○年と表記されることがあります。
[[在位紀年]]に分類されたり、[[元号]]に分類されたりすることがありますが、
[[君主]]不在なのに在位というのもおかしな話ですし、
[[元号]]の成立と一般的に理解されているものより遥かに古い時代でもあり、
不思議な位置付けがされています。
[[在位紀年]]説は、
この時代の実質的な君主の[[共伯和]]に由来するとされ、
現在ではこちらが定説となっているようです。
[[元号]]説は、
臣下の共同統治であることを「共和」と呼んだとするもので、
[[republic]] の訳語としての「共和(制・国)」の語源とされます。
[SEE[ [[共和]]、[[元号]] ]]

[45] [[秦]]の[[始皇帝]]の時代は、[[皇帝]]となる前は秦王政○年と表し、
[[皇帝]]即位後は秦始皇○年と表しますが、[[改元]]はなく年番号は連続しています。
[SEE[ [[秦の即位紀年]] ]]

[287] 
[[睡虎地秦簡]] [CITE[編年紀]]に、「[V[今元年]]」として当時の王を指した例があります。
[SRC[>>286]]
「今」1文字で表現する例は珍しいとされます [SRC[>>286]] が、
いくつか出土品があります [SRC[>>236]]。

[REFS[
- [286] 
<https://hannan-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=840&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1>
]REFS]

** 諸侯の即位紀年 (春秋戦国時代)

[384] 
[CITE@ja[2020youshi04.pdf]], [TIME[2024-03-06T00:31:28.000Z]], [TIME[2025-03-14T04:21:41.578Z]] <https://nichijyu.gakkaisv.org/taikai/pdf/2020/2020youshi04.pdf>

** 在位中改元

[162] 
[[周]]の[[文王]]の時代は[[即位紀年]]と[[受命紀年]]の2つが使われています。
これを史上初の[[改元]]とする説があります。
[SEE[ [[受命]] ]]

[42] 在位中に年を[[元年]]に戻す ([[改元]]する) 例がいくつかありました。
(後世には) 「後」などを付けて区別しています。 [SRC[>>17]]
[FIG(list)[
- [43] 魏惠王36年(紀元前334年)に[[改元]]があり、後元年とされています
- [44] 秦惠文王14年(紀元前324年)に[[改元]]があり、後元年や更元年とされています。
- [1] 漢文帝, 漢景帝, 漢武帝 [SEE[ [[漢の元号]] ]]
]FIG]

[49] 漢武帝は四元から[[元鼎]]に[[改元]]すると共に、一元-四元に名前を与えました。
これが[[元号]]の始まりとされています。
[SEE[ [[漢の元号]] ]]

[REFS[
- [17] [CITE@zh[[[帝王紀年]] - 维基百科,自由的百科全书]]
([TIME[2016-01-10 00:31:07 +09:00]] 版)
<https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E7%8E%8B%E7%B4%80%E5%B9%B4>
]REFS]

[22] [CITE@zh[前元 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2021-04-24T01:43:58.000Z]], [TIME[2021-05-08T02:13:53.888Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E5%85%83>

[35] [CITE@zh[中元 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2021-04-24T01:44:11.000Z]], [TIME[2021-05-08T02:14:01.740Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%85%83>

[60] [CITE@zh[後元 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2021-04-24T01:44:13.000Z]], [TIME[2021-05-08T02:14:09.676Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E5%85%83>

[26] [CITE@ja[前漢文景帝時の改元について。 - 漢の文帝、景帝は改元を行っ... - Yahoo!知恵袋]]
([TIME[2016-02-10 23:57:13 +09:00]] 版)
<http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1039855000>

[27] [CITE[前元_百度百科]]
([TIME[2016-02-11 00:08:09 +09:00]] 版)
<http://baike.baidu.com/view/6148266.htm>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[93] [CITE@ja[改元 - Wikipedia]]
([TIME[2019-02-15 12:57:56 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%B9%E5%85%83>
]FIGCAPTION]

> 元号使用以前について、正史では便宜上、「中元年」「後元年」など、「中」や「後」をつけて記録している。

]FIG]

[9] 
[CITE@zh[史記/卷015 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-22T07:25:41.000Z]], [TIME[2023-02-05T11:47:41.583Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7015>

>秦惠文王元年

>初更元年

[10] [CITE@zh[秦惠文王 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2023-02-05T03:18:37.000Z]], [TIME[2023-02-05T11:48:04.898Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%A6%E6%83%A0%E6%96%87%E7%8E%8B>

>惠文君元年(前337年)

>惠文王元年(前324年),称王,更为元年。

[11] [CITE@ja[恵文王 (秦) - Wikipedia]], [TIME[2023-01-22T06:39:24.000Z]], [TIME[2023-02-05T11:50:57.421Z]] <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%B5%E6%96%87%E7%8E%8B_(%E7%A7%A6)>

>恵文君14年(紀元前324年)

>恵文王3年(紀元前322年)

[300] [CITE@zh[魏惠王 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2023-02-24T07:02:54.000Z]], [TIME[2023-02-26T09:19:07.459Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%8F%E6%83%A0%E7%8E%8B>

** 諸侯王等即位紀年 (漢代)

[115] 
[[春秋戦国時代]]には諸国が乱立しましたが、
[[周]]王朝健在の頃は[[周]]の臣下の[[諸侯]]であるという建前がありました。
しかし実態は独立国で、
周の[[正朔を奉じ]]ず独自の[[即位紀年]]と[[暦法]]を持っていました。

[116] 
[[秦]]の[[中原]]統一で[[秦]]国以外の[[正朔]]は廃されましたが、
[[秦]]にかわって一旦統一国家として成立した[[楚]]の元で、
各勢力が独自の[[即位紀年]]と[[暦法]]を復活させたとも読めるようなことが
[CITE[史記]]
には記録されています (>>47)。
[[漢]]の[[劉邦]]の「漢元年」もその1つです

[117] 
[[項羽]]が滅んで[[漢]]が再統一を果たした後、
[[劉邦]]に従った勢力や臣下は諸侯王や列侯となり、
[[漢]]本国とは異なる制度を持った封国を与えられました。
各勢力は、少なくても[[即位紀年]]は、
[[漢]]本国と[DFN[異なる独自のもの][漢諸侯王等即位紀年]]を用いることができたようです。

[118] 
こうした経緯から、[[中華王朝]]では[[諸侯王]]等が[[即位紀年]]を用いることは、
必ずしも[[皇帝]]の[[正朔を奉じる]]ことの拒否とはみなされない(こともある)ようです。
[[漢]]の[[皇帝]]はその後[[元号]]制度を導入しましたが、
これによって[[皇帝]]の[[元号]]と[[諸侯王]]等の[[即位紀年]]の区別と優劣も生じたようです。
[SEE[ [[諸侯王等即位紀年]] ]]

[58] 
[[後漢]]末期の[[曹操の魏元年]]が[[漢]]の[[皇帝]]の[[元号]]と同時代に使われたのも、
[[漢]]の[[魏王]]だったためと説明されています。
[SRC[>>8]]
[SEE[ [[曹操の魏元年]] ]]

[168] 
[[前漢]]初期の[[即位紀年]]は、
[CITE[史記]]
に一覧表があります
(>>100, >>107)。

[3] 
後世になると歴史的事項はたいてい皇帝の紀年で記述され、
皇帝以外の[[即位紀年]]が使われることは滅多にありません。
そのためなのか、[[即位紀年]]の一覧のようなものもほぼありません。

[70] 
現存する用例もあまりありません。

[80] 
時代が古すぎてあまり残っていないというのもあるでしょうが、
[[漢]]の[[皇帝]]の権力と権威が確立し[[元号]]制度が成立するのに対し、
どれだけ使われていたのでしょう。

[175] 
発掘等されているものはあるようなので、
そのうちでも特に学術的に重要なもの以外はあまり表に出て来ないため、
全体像が見えづらいのが現状のような気がします。

-*-*-

[82] 
[CITE[淮南子]]の用例が有名です。

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [83] [DATA(.label)[[CITE[淮南子]] [CSECTION[天文訓]]]]
-- [84] 
「[DATA(.text)[淮南元年冬,太一在丙子。]]」
[SRC[>>8, >>69]]

]ITEMS]

[85] 
通説によれば[[淮南王安]]の[[即位紀年]]
([TIME[y~2690]])
で、
[TIME[西暦-163年丁丑][-163]]に当たるとされます。
[SRC[>>8, >>69]]

;; [86] [[干支]]が1年ずれていますが、[[干支紀年法]]の発展史と関係しているため、
この用例が暦法史で重視されています。
[SEE[ [[干支年]] ]]

[87] 
[[後漢]]の[[高誘]]の註が「淮南王作書之元年也。」とし、
一説に >>85 としていました。つまり本書の作成の初年のことと解し、
[[即位紀年]]説は異説として示すに留まっていました。
しかし以後後者の説が主流となりました。
[SRC[>>69]]
[[後漢]]の頃には既に[[諸侯王]]の[[即位紀年]]が身近なものではなくなっていたということなのでしょう。

[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[88] 
[CITE@zh[Page:Gujin Tushu Jicheng, Volume 238 (1700-1725).djvu/39 - [[维基文库]],自由的图书馆]], [TIME[2023-02-20T11:24:10.000Z]] <https://zh.m.wikisource.org/wiki/Page:Gujin_Tushu_Jicheng,_Volume_238_(1700-1725).djvu/39>
]FIGCAPTION]

>漢時諸侯王得自稱元年,《漢書諸侯王表》「楚王戊二 十一年」,「孝景三年」,「楚王延壽三十二年」,「地節元年」之 類是也。《淮南天文訓》:淮南元年冬,太一在丙子,謂淮 南王安始立之年也。注者不達,乃曰「淮南王作書之 元年」,又曰「淮南王僭號」,此為未讀《史記》《漢書》者矣。 又考漢時不獨王也,即列侯于其國中亦得自稱元 年。《史記高祖功臣侯年表》:高祖六年,平陽懿侯曹參 元年,孝惠六年,靖侯窋元年,孝文後四年,簡侯奇元 年是也。《呂氏考古圖周陽侯甗鍑銘》曰:「周陽侯家銅 三習甗鍑,容五斗,重十八斤六兩。侯治國五年五月, 國鑄」第四。《文選·魏都賦》劉良注:「文昌殿前有鐘,其銘 曰:『惟魏四年,歲次丙申,龍次大火,五月』」丙寅,作蕤賓 鐘。「魏四年」者,曹操為魏公之四年,漢獻帝之建安二 十一年也。

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[8] [CITE@zh-TW[日知錄 : 卷二十 - [[中國哲學書電子化計劃]]]], [[Donald Sturgeon]], [TIME[2023-02-19T13:08:05.000Z]] <https://ctext.org/wiki.pl?if=gb&chapter=374063&#p46>
]FIGCAPTION]

>漢時諸侯王得自稱元年。

>《淮南·天文訓》:「淮南元年冬,太一在丙子。」謂淮南王安始立之年也。注者不達,乃曰淮南王作書之元年,又曰淮南工僭號,此為未讀《史記人們又書》者矣。

>又考漢時不獨王也,即列侯於其國中亦得自稱元年。

>呂氏《考古圖·周陽侯金復銘》曰:「周陽侯家銅三習金復,容五斗,重十八斤六兩。侯治五年五月國鑄第四。」《文選·魏都賦》劉良往:「文昌殿前有鐘。其銘曰:惟魏四年,歲次丙申,龍次大火,五月丙寅,作蕤賓鐘。」魏四年者,曹操為魏公之四年,漢獻帝之建安二十一年也。
]FIG]

- [69] 
[CITE[saisei-kiji.pdf]], [TIME[2012-06-14T11:14:41.000Z]], [TIME[2023-02-20T11:05:38.659Z]] <http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/science/shinjyoshinzo/saisei-kiji.pdf#page=28>

]REFS]

[176] 
[[漢]]の皇帝の元号と諸侯王の[[即位紀年]]の併記の例もあります。

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [170] 
[CITE(.label)[魯孝王刻石]]
「[DATA(.text)[[V[五鳳二年[BR[]]魯丗四年[BR[]]六月四日成]]]]」 ([[古隷]])
[SRC[>>169, >>171, >>172]]

]ITEMS]

[174] 漢五鳳2年は西暦紀元前56年。

[180] 漢五鳳2年と魯34年が同年として逆算すると[[元年]]は[TIME[西曆-88年 (紀元前89年)][-88]]となります。

[181] 
ところが[CITE[Wikipedia]]によると魯孝王[[劉慶忌]]の即位は西暦紀元前88年で
[SRC[>>177, >>178]]、
魯2年に即位したことになってしまいます。

[173] 
[CITE[漢書]]には

> 元朔元年,安王光嗣,四十年薨。
> 後元元年,孝王慶忌嗣,三十七年薨。

とあります。 [SRC[>>179]]
漢元朔元年は西暦紀元前128年なので、それを第1年と数えると第40年は紀元前89年。
漢後元元年は紀元前88年。
つまり光が没した翌年に慶忌が継位したとなっています。

[182] 
[CITE[Wikipedia]] の[[中文]]版は刘光が征和四年(前89年)死去としていて [SRC[>>177]]、
[[日本語]]版は紀元前88年まで在位としています [SRC[>>178]]。
[[中文]]版は[CITE[漢書]]と同じです。
[[日本語]]版は1年空位はおかしいと先代を延長したのでしょうか。

[183] 
[[即位紀年]]
([TIME[y~3745]])
を信じていいのなら、
[[劉慶忌]]は[[劉光]]の没年のうちに即位したということになります。
[CITE[漢書]]
は機械的に死去翌年を初年としたのか、あるいは漢朝の手続き上か何かの名目的な初年を書いているのでしょうか。

[REFS[
-
[312] 
[CITE@ja-JP[飲冰室文集類編 編下]], [[梁啓超]], [TIME[明37.5][1904]], [TIME[2023-03-13T10:18:48.000Z]], [TIME[2023-03-20T13:03:24.227Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/898411/1/172>
- [169] [CITE@ja[書道の四方山話: 素朴な趣の漢代の古隷『魯孝王刻石』]], [TIME[2023-02-01T09:51:03.000Z]], [TIME[2023-02-20T11:57:05.391Z]] <http://unkaido.blogspot.com/2013/02/blog-post_11.html>
- [171] [CITE@ja[魯孝王刻石 五鳳二年刻石 : 玲児の蔵書]], [[reijiyam]], [TIME[2023-02-20T11:58:32.000Z]] <https://reijibook.exblog.jp/28487419/>
- [172] 
[CITE[五鳳刻石_[[百度百科]]]], [TIME[2023-02-20T11:58:47.000Z]] <https://baike.baidu.hk/item/%E4%BA%94%E9%B3%B3%E5%88%BB%E7%9F%B3/4432201>
-
[179] 
[CITE@zh[漢書/卷014 - [[维基文库]],自由的图书馆]], [TIME[2023-02-07T08:37:42.000Z]], [TIME[2023-02-21T08:42:37.124Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%BC%A2%E6%9B%B8/%E5%8D%B7014>
- [177] 
[CITE@zh[劉光 (魯王) - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2023-02-07T08:36:17.000Z]], [TIME[2023-02-21T08:42:09.940Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%89%E5%85%89_(%E9%AD%AF%E7%8E%8B)#%E5%85%92%E5%AD%90>
- [178] 
[CITE@ja[前漢の諸侯王一覧 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2023-02-15T01:46:05.000Z]], [TIME[2023-02-21T08:42:22.395Z]] <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E6%BC%A2%E3%81%AE%E8%AB%B8%E4%BE%AF%E7%8E%8B%E4%B8%80%E8%A6%A7#%E9%AD%AF%E5%9B%BD>

]REFS]

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [193] 
[CITE(.label)[羣臣上醻刻石]]
「[DATA(.text)[[V[趙廿二年八月丙寅]]]]」 ([[篆書]])
[SRC[>>195 (拓本), >>191]]
--
[194] 
漢文帝後元6年
趙王劉遂22年 ([TIME[y~2736]])
8月24日 
[SRC[>>192]]
-
[197] 
[CITE(.label)[魯北陛刻石]]
「[DATA(.text)[[V[魯六[BR[]]年九[BR[]]月所造]]]]」 ([[篆書]])
[SRC[>>196 (白黒写真, 拓本), >>198]]
--
[199] 
魯恭王6年 [TIME[y~2747]]
[TIME(.value)[西暦-148年][-148]]9月
[SRC[>>198]]

]ITEMS]

[REFS[

-
[195] 
[CITE@ja-JP[[[定本書道全集]] 第2巻 (漢)]], [[河出書房]], [TIME[1955]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T11:47:41.973Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/2475282/1/33> (要登録)
- [191] 
[CITE@en[File:CADAL02090613 [[八瓊室金石補正]](三).djvu - Wikimedia Commons]], [TIME[2023-02-20T18:09:52.000Z]], [TIME[2023-02-21T09:43:46.255Z]] <https://commons.wikimedia.org/w/index.php?title=File:CADAL02090613_%E5%85%AB%E7%93%8A%E5%AE%A4%E9%87%91%E7%9F%B3%E8%A3%9C%E6%AD%A3%EF%BC%88%E4%B8%89%EF%BC%89.djvu&page=11>
- [192] 
[CITE@en[File:CADAL02090611 [[八瓊室金石補正]](一).djvu - Wikimedia Commons]], [TIME[2023-02-20T18:09:52.000Z]], [TIME[2023-02-21T09:44:08.543Z]] <https://commons.wikimedia.org/w/index.php?title=File:CADAL02090611_%E5%85%AB%E7%93%8A%E5%AE%A4%E9%87%91%E7%9F%B3%E8%A3%9C%E6%AD%A3%EF%BC%88%E4%B8%80%EF%BC%89.djvu&page=18>
-
[198] 
[CITE@ja-JP[曲阜魯城の遺蹟]], [[駒井和愛]], [TIME[1951]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T11:52:21.376Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/3027787/1/13> (要登録)
-
[196] 
[CITE@ja-JP[[[定本書道全集]] 第2巻 (漢)]], [[河出書房]], [TIME[1955]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T11:51:31.011Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/2475282/1/27> (要登録)

]REFS]

[234] 
「[DFN[長沙元年]]造」銘の文物がいくつかあるようです。

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [204] 
[DATA(.label)[[[藤井善助]]旧蔵 [SRC[>>212, >>209]] [[鈁]]]]
「[DATA(.text)[[V[長沙元年造]]]]」 ([[篆書]])
[SRC[>>213 (白黒写真、拓本), >>210 (白黒写真 判読不能), >>203 (白黒写真)]]
-- [208] 
英名
「[L[[I[CHANG-SHA YÜAN-NIEN]]]]」
[SRC[>>203]]
--
[214] 
[[前漢]] [SRC[>>213]]
--
[211] 
長沙文王吳芮の元年 (西暦紀元前202年) か定王発の元年 (西暦紀元前155年)
の「[V[封國の紀󠄂年]]」 [SRC[>>210]]
-- [207] 
西暦紀元前155年 [SRC[>>215, >>206]]
--- [216] 
1つに断定したのは >>215 が最古か
-- [205] 
[[前漢]]、「公の紀年にはない」 [SRC[>>203]]
- [200] 
[DATA(.label)[湖南省出土長沙元年銅鼎]]
[SRC[>>222]]
「[DATA(.text)[[V[長沙元年造]]]]」 ([[篆書]])
[SRC[>>227 (カラー写真)]]
--
[202] 
前漢、呉氏長沙 (前202-前178)
劉氏長沙 (前155-後7)
か
[SRC[>>201]]
-
[219] 
[DATA(.label)[[[望城風篷嶺一号墓]]出土銅灯]]
「[DATA(.text)[長沙元年造]]」
--
[220] 
[[長沙市文物考古研究所]]: 時期不詳 [SRC[>>217, >>218]]
--
[221] 
[[福田哲之]]: 劉氏後長沙王国の元年 西暦紀元前155年 か? [SRC[>>217, >>218]]
--
[226] 
「也证实了长沙国拥有自己的年号。」 
[SRC[>>225]]
-
[224] 
[CITE[漢長沙元年斗量陶器全形拓]]
[SRC[>>223]]

]ITEMS]

[232] 
[[吳芮]]説 [TIME[y~2743]],
[[劉発]]説 [TIME[y~2739]]。

[230] 
>>205 のように先行する文献が年代を特定していてもそれを知らずに時期不明とするものがあり、
[[元号]]でない紀年が知られてこなかったことがうかがわれます。

[231] 
様式からの検討は[[前漢]]時代とする程度しか見当たらず、
各文献がどの王か特定した理由ははっきりしません。

[233] 
[[長沙王]]はこの2人の他にも多数います:
<https://data.suikawiki.org/tag/3893/graph>。
この2人が挙げられているのは、
初代王だからでしょうか。
[[吳芮]]と[[劉発]]の間にも数代あったのに候補に挙がっていないのは不審です。
国名を使った紀年だから建国から数えたと考えるのは早計で、
この時代に[[建国紀元]]の用例は確認されていません。

[REFS[

-
[213] 
[CITE@ja-JP[[[有鄰大観]] '''['''第2冊''']''']], [[有鄰館]], [TIME[1929.9][1929]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:36:51.981Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/3454417/1/28> (要登録)
-
[212] 
[CITE@ja-JP[藤井善助伝]], [[熊川千代喜]], [TIME[昭和7][1932]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:35:19.664Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/1090817/1/365> (要登録)
-
[210] 
[CITE@ja-JP[[[東方学報]] = Journal of Oriental studies 8]], [[京都大学人文科学研究所]], [TIME[1937-10]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:29:23.305Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/3558884/1/143> (要登録)
-
[209] 
[CITE@ja-JP[[[藤井善助]]伝 続編]], [[熊川千代喜]], [TIME[昭和14][1939]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:27:10.698Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/1033114/1/96> (要登録)
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[CITE@ja-JP[[[世界考古学大系]] 第7巻]], [[平凡社]], [TIME[1959]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:38:44.844Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/3026426/1/39> (要登録)
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[206] 
[CITE@ja-JP[[[世界美術全集]] 第13]], [[角川書店]], [TIME[1962]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:17:56.301Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/2466528/1/84> (要登録)
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[CITE@ja-JP[日本蒐儲支那古銅精華 第6冊]], [[梅原末治]], [TIME[1964]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:16:14.690Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/8798015/1/74> (要登録)
-
[201] 
[CITE@ja-JP[Museum (309)]], [[東京国立博物館]], [TIME[1976-12]], [TIME[2023-01-17T10:48:16.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:12:30.392Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/4429698/1/13> (要登録)
-
[222] 
[CITE@ja[[[筑波大学附属図書館]]ポスターデータベース]], [TIME[2023-02-21T12:43:39.000Z]] <https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/scripts/poster/show?id=P20040112>
-
[217] 
[CITE[cks_041_239.pdf]], [TIME[2023-02-21T12:40:30.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/60841/cks_041_239.pdf#page=16>
--
[218] 
[CITE@ja[[[長沙市]]文物考古研究所 | 中国出土文献研究会]], [TIME[2023-02-21T12:40:51.000Z]] <http://www.shutudo.org/research/chousa/chousa3>
-
[223] 
[CITE@ja[収蔵[[拓本]]画像 - 至宝 中国碑刻拓本]], [TIME[2019-04-02T14:02:12.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:46:09.106Z]] <http://takuhon.jp/001kenshinkorekushonshoukai.html>
-
[225] 
[CITE@zh[[[风篷岭汉墓]] - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2023-02-09T07:43:13.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:48:33.645Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%8E%E7%AF%B7%E5%B2%AD%E6%B1%89%E5%A2%93#%E4%B8%80%E5%8F%B7%E5%A2%93%E5%87%BA%E5%9C%9F%E6%96%87%E7%89%A9>
-
[227] [CITE@zh-TW[[[長沙元年]]銅鼎 木犀角 歌舞俑:《長沙馬王堆精品展》下篇 - 資訊咖]], [TIME[2023-02-21T12:51:13.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:53:46.591Z]] <https://inf.news/culture/2f57522413b004c14842849b517ff06c.html>
--[228] [CITE[03ec8303bd0c42118c7e7d9f087aeccd.png (PNG 画像, 1080 × 1104 px) — 表示倍率 (52%)]], [TIME[2023-02-21T12:52:54.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:54:11.902Z]] <https://p1-tt.byteimg.com/origin/pgc-image/03ec8303bd0c42118c7e7d9f087aeccd.png>
--[229] [CITE[28604f5559bc4e9cb78b191e179023a8.png (PNG 画像, 1080 × 633 px) — 表示倍率 (92%)]], [TIME[2023-02-21T12:52:55.000Z]], [TIME[2023-02-21T12:54:19.417Z]] <https://p1-tt.byteimg.com/origin/pgc-image/28604f5559bc4e9cb78b191e179023a8.png>

]REFS]

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [184] 
[CITE(.label)[周陽侯甗]]
-- [186] 「[DATA(.text)[[V[師治國五年五月]]]]」
[SRC[>>99]]
-- [188] 
「[DATA(.text)[侯治國五年五月]]」
[SRC[>>88]]
-- [187] 
「[DATA(.text)[侯治五年五月]]」
[SRC[>>8]]

]ITEMS]

[189] 
誤写なのか入力ミスなのか[[OCR]]の誤読なのか、
原型に一番近いのは >>188 でしょうか。

[185] 
該当し得る[[周陽侯]]は少なくても3人います [SRC[>>99]]:
<https://data.suikawiki.org/tag/4995/>。

[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[99] 
[CITE@zh[厯代鐘鼎彞器款識法帖 (四庫全書本)/卷20 - [[维基文库]],自由的图书馆]], [TIME[2023-02-06T11:16:54.000Z]], [TIME[2023-02-20T11:25:04.962Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8E%AF%E4%BB%A3%E9%90%98%E9%BC%8E%E5%BD%9E%E5%99%A8%E6%AC%BE%E8%AD%98%E6%B3%95%E5%B8%96_(%E5%9B%9B%E5%BA%AB%E5%85%A8%E6%9B%B8%E6%9C%AC)/%E5%8D%B720#%E5%91%A8%E9%99%BD%E4%BE%AF%E7%94%97>
]FIGCAPTION]

>
[VRL[
周陽侯甗

周陽侯家銅三習雝甗鍑一容五斗重十八斤六兩師治國五年五月國輸苐四

考古云銘三十有三字按説文鍑金大口者鍑上有甗故曰甗鍑言三習雝者習重也其制三重漢恩澤侯表有周陽侯二淮南王長舅趙兼孝文元秊封六年免孝景太后弟田勝孝景後三年封傳子祖元狩三年免文曰師治國五年自以侯受封嗣位之年數也文字疑宣帝時器皆未可考

]VRL]

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[190] 
[CITE[[[史記新證]] - 陳直 - Google ブックス]], 
[TIME[2006]],
[TIME[2023-02-21T09:14:46.000Z]] <https://books.google.co.jp/books?id=C48FAQAAIAAJ&q=%22%E5%91%A8%E9%99%BD%E4%BE%AF%E7%94%97%22>
]FIGCAPTION]

>38 ページ
>平陽今晉州霍邑。本秦時霍伯國,漢為彘縣。直按:《正義》疑白燕作白彘非也,下文霍將軍者本居平陽白燕可證,蓋白燕爲鄉名也。十二諸侯年表第二趙孝成王時,其相虞卿上采《春秋》,下觀近世,亦著八篇,為《虞氏春秋》。七頁直按:下文叙呂不韋作《吕氏春秋》, ...
>41 ページ
>高祖功臣侯者年表第六平陽六年十月靖侯窑元年。十一頁直按:西漢王國自有紀年。有僅寫王國紀年者,如趙二十二年(見《八瓊室金石補正》卷一羣臣上醻刻石) 、魯九年(見魯北陛刻石,北京大學歷史系藏)、淮南元年(見《淮南子·天文訓》)、
長沙元年是也(見《陶齋吉金録卷》六、十二頁,長沙銅鈁)。
有兼寫漢廷紀年者,如五鳳二年魯卅四年泮池刻石是也(見《金石萃編》漢一)。侯國自有紀年,如周陽侯甗稱侯治國五年(見《積古齋鐘鼎款識》卷九、二十九頁)。與本表稱平陽靖侯窑元年正同。又侯子亦可以稱太子,《文帝紀》與棘蒲侯太子奇謀反是也。
>51 ページ
>... 長沙相,侯七百户二年四月庚子,侯利倉元年。四頁直按:《索隱》:《漢書》作軹侯朱倉。今本《漢書》作黎朱蒼。一九七二年長沙馬王堆發掘一號漢墓為軼侯妻辛口之墓。 倉”等三印,足證《史記 七三年又發掘二號墓出有“長沙丞相”、“侯之印”、“利 惠景間侯者年 ...

]FIG]

]REFS]

** 元号時代の即位紀年

[315] [CITE@zh[三國史記/卷29 - [[维基文库]],自由的图书馆]], [TIME[2023-04-16T02:22:41.000Z]], [TIME[2023-04-30T03:22:42.412Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9C%8B%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B729>

>
前漢孝宣帝詢十七年
>
五鳳元年

[316] >>315 [[年表]]の先頭で、
時期を表すため特例で[[漢]]の[[皇帝]]、[[孝宣皇帝]][[劉詢]]の[[即位紀年]]が[[元号]]の[[五鳳]]と併記されています。
これ以後の[[年]]には[[漢の元号]]だけがあります。

** 標準ものさしとしての即位紀年

[18] 
[[周]]王やそれ以前の帝王の[[即位紀年]]は、
[[周]]やそれ以前の時代の史実の追求という通常の歴史学的意味で重要なことは言うまでもありませんが、
それだけにとどまらず、
[[仏誕]]・[[仏滅]]、
[[神武天皇]]の即位、
古代[[朝鮮]]の王の即位、
といった古代の出来事の時期の説明に使われてきた、
[[アジア]]の思想史の共通記述言語でもあります。
その理解のためには旧説・訛説も必要となってきます。

[327] 
[[近代日本]]の代表的な[[朝鮮史]]研究者[[今西竜]]は、
[[檀君]]についての研究の中で、

- [328] 伝説の紀年を考究するのは一見甚だしく愚かに思える
- [329] だが支那太古の紀年は時代によって違う説がとられてきた
- [330] よって紀年を調べれば伝説を書いた当時の紀年説がわかり、
伝説の書かれた年代が推定できる
- [331] だからこの調査は重要である

と指摘しました。
[SRC[>>326]]

[332] 
これは[[檀君]]以外にも適用できることで、
古代史研究には無益でも史学史、思想史、神話・伝承史の研究の基礎として重要なのですが、
その後俯瞰的、網羅的な研究がほとんどなされることなく現在に至っているのは遺憾なことです。
断片的には、諸分野の研究者が諸研究の中で取り組んでいます。

[325] 
関連:
[[仏滅紀元]],
[[檀君紀元]],
[[皇紀]],
[[尭󠄁]],
[[箕子]]

[REFS[

- [326] 
[CITE@ja-JP[朝鮮古史の研究]], [[今西竜]], [TIME[1937]], [TIME[2023-06-27T13:15:37.000Z]], [TIME[2023-07-01T06:35:29.939Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/1921111/1/19>

]REFS]

* 干支年

[SEE[ [[干支年]], [[十二支年]] ]]

* 甲骨文と金石銘の日付表示

[265] 
[[甲骨文字]]資料には後の[[東洋の日時表示]]の原型がいくらかみられます。

[266] 
文頭に[[日干支]] (だけ) を書くことがしばしばありました。
[[殷]]の[[甲骨文]]や[[西周]]の金石銘にみられます [SRC[>>236]]。
釈文では[[日干支]]とそれ以後の本文の間に「、」や「。」を補うことが多いです。

;; [267] 後の[[史書]]などで (前の年月と同じ時にこれを省略して)
文頭に[[日干支]]を置いて文を始めることがしばしばありますが、
この伝統を受け継いでいるのでしょうか。

[268] 
文末に「惟[VAR[何]]年」のように[[即位紀年]]を書くことがしばしばありました。
[[殷]]の[[甲骨文]]や[[西周]]の金石銘にみられます [SRC[>>236]]。

[272] 
[CITE[殷契佚存]] [V[五一八背]] [SRC[>>271 #page=141]] の[[甲骨文]]には、

>
[VRL[
壬午[SNIP[]][BR[]][SNIP[]][ASIS[才][(在)]]五月[ASIS[隹][(惟)]]王六祀肜日
]VRL]

とあります。 [SRC[>>271]]

[270] 
[CITE[尚書]] [CSECTION[洛誥]]は先秦時代から伝わるものとされますが、

>戊辰,王在新邑,烝,祭歲:文王騂牛一,武王騂牛一。王命作冊逸祝冊,惟告周公其後。王賓,殺、禋,咸格,王入太室裸。王命周公後,作冊逸誥,在十有二月,惟周公誕保文武受命,惟七年。

とあります。 [SRC[>>269]]

[273] 
[[王国維]]は >>272 >>270 の文末の「隹王六祀」「惟七年」
を王の[[即位紀年]]としました。 [SRC[>>269 ([CITE[観堂集林]] 巻一 [CSECTION[洛誥解]])]]
その直前に[[月番号]]があり、文頭には[[日干支]]があります。

[277] [[年の字]]も参照。

[REFS[
- [269] 
[CITE@zh[[[尚書]]/[[洛誥]] - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-02-10T09:02:58.000Z]], [TIME[2023-02-24T09:04:20.421Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%B0%9A%E6%9B%B8/%E6%B4%9B%E8%AA%A5>
- [271] 
[CITE@zh[臺灣華文電子書庫]], [TIME[2023-02-24T09:11:31.000Z]] <https://taiwanebook.ncl.edu.tw/zh-tw/book/NCL-000145761/reader>

]REFS]

[278] 
[TIME[2023-02-24T11:51:32.700Z]]
<https://nagoya.repo.nii.ac.jp/record/8108/files/jouflh_35_35.pdf>
#page=7

[279] 
>>278 から引用

- [280] [CITE[中國殷周時代の武器]], [[林巳奈夫]]
-- [281] [CSECTION[附論(二) 春秋戦国時代文化の基礎的編年]]

[123] [CITE@zh[小臣艅犀尊 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2023-02-10T12:21:53.000Z]], [TIME[2023-02-24T12:34:28.395Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E8%87%A3%E8%89%85%E7%8A%80%E5%B0%8A>

>隹(唯)王十祀又五:商王继位的第十五年。不同于周代的“王十又五祀”,商代都记作“王十祀又五”的形式,另如《版方鼎》的“唯王廿祀又二”。

[313] [CITE@ja[昭和32年度 国立国語研究所年報]], [[NetCommons]], [TIME[1958-12]], [TIME[2017-06-06]], [TIME[2023-04-17T03:57:34.000Z]] <https://repository.ninjal.ac.jp/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=21&item_id=1185&item_no=1>
#page=166

「13月」の合字がある

[320] [CITE[p045.pdf]], [TIME[2023-05-29T09:27:07.000Z]] <https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/2230011/p045.pdf>

* 殷

[238] 
[[甲骨文字]]の時代 ([[殷]]の頃)、
[[十二支]]が既に使われていました。
[SEE[ [[十二支]] ]]

[239] 
[[殷]]の時代、
[[季節]]は[[春]]と[[秋]]でした。
[[甲骨文字]]に[[夏]]と[[冬]]はみられません。
[SRC[>>242 p.204]]

[240] 
[[周]]の時代、
おわり (終) 
を意味する「夂」
が、
1年の終わりである冬の意味で用いられるようになり、
[[秦]]の頃「冬」
の字となりました。
[SRC[>>242 p.204]]

[264] 
[[甲骨文]]では[[日干支]]が使われました。
[SRC[>>236]]

[241]  
古くは[[日没]]が[[日界]]だった [SRC[>>242 p.180]] といいます。

[333] [[武丁]]

[REFS[
- [242] [CITE[漢字字形史小字典]],
[[落合淳思]],
[TIME[二〇一九年三月三一日][2019-03-31]]
-- [243] [CITE@ja-jp[[[漢字字形史小字典]] | 落合 淳思 |本 | 通販 | Amazon]] ([TIME[2019-09-30 17:15:16 +09:00]]) <https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4497219127/wakaba1-22/>
]REFS]

@@
[BOX[

[139] [CITE[ochiai.pdf]], [TIME[2005-02-02T10:52:34.000Z]], [TIME[2023-02-18T01:16:28.093Z]] <https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/577pdf/ochiai.pdf>

[140] [CITE@ja[殷代天文暦法に対する貞人集団の関与 : 殷王室における貞人集団の役割についての新考察]], [[高久 由美]], [TIME[2014-03]], [TIME[2018-04-11]], [TIME[2023-02-18T01:17:48.000Z]] <https://unii.repo.nii.ac.jp/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=21&item_id=145&item_no=1>

[141] 
[CITE[殷暦譜]]
([CITE[殷历谱]])

- [142] [CITE[NCL-9910006731F01.PDF]], [TIME[2023-02-02T02:15:23.000Z]], [TIME[2023-02-18T01:27:54.209Z]] <https://taiwanebook.ncl.edu.tw/pdfjs/web/viewer.html?file=/ebkFiles/NCL-9910006731/NCL-9910006731F01.PDF>
- [143] [CITE[NCL-9910006731F02.PDF]], [TIME[2023-02-02T02:15:23.000Z]], [TIME[2023-02-18T01:28:02.795Z]] <https://taiwanebook.ncl.edu.tw/pdfjs/web/viewer.html?file=/ebkFiles/NCL-9910006731/NCL-9910006731F02.PDF>

]BOX]

** 伐桀歳

[337] 
[[夏]]の最後の[[桀]]王が[[商]]の初代[[湯]]王に敗れた[[伐桀歳]] (= [[湯]]の即位年) について、
[CITE[漢書]][CSECTION[律暦志]][CSECTION[世経]]は、

> 三統上元。至伐桀之歳。十四万一千四百八十歳。

としています。
[SRC[>>336]]

[338] 
[[三統上元]]が[[0年]]だとすると141480年は[TIME[西暦-1750年][-1750]]になります。

[339] 
[[伐桀歳]]は、[[伐紂歳]]に[[殷]]の年数を加えて求めたものと考えられています。
[SRC[>>336]]

[340] 
[[殷]]の世代は

- [341] [CSECTION[世経]] 「自伐桀至武王伐紂。六百二十九歳。」

とされています。
[SRC[>>336]]

[345] 
その根拠は、

- [342] [CITE[左伝]]宣公3年 「殷載祀六百」
- [343] [CITE[尚書]][CSECTION[伊訓篇]] 「書序曰。成湯既没。太甲元年。使伊尹作伊訓。伊訓篇曰。惟太甲元年十有二月乙丑朔。伊尹祀于先王。誕資有牧方明。」

とされます。よって >>346 の通り 141493 - 13 = 141480 を得たと思われます。
[SRC[>>336]]

[362] 
また、[[周暦]]でもこれと同じ[[伐桀歳]]とされていました。
[SEE[ [[周暦]] ]]
[[周暦]]には[[殷暦]] (>>356) のような[[伐桀歳]]の異説はなかったと考えられています。
[SRC[>>336]]

-*-*-

[356] 
[[殷]]の年数に異説があり、[CSECTION[世経]]に

>
殷暦曰。当成湯方即世用事十三年。十一月甲子朔旦冬至。終六府首。当周公五年。
則為距伐桀四百五十歳。少百七十一歳。不盈六百二十九。又以夏時。乙丑為甲子。

とあります。[CH[則]]以下は[[劉歆]]の解釈と思われます。
[SRC[>>336]]

[358] 
周公5年は、武王即位 = [[伐紂]]から11年後です。
[SRC[>>336]]

[359] 
6[[蔀]] = 456年、
[[太甲]]元年までが13年 (>>357)、
それまでが11年 (>>358)、
従って 
456 + 13 - 11 = 458 
が[[伐桀]]から[[伐紂]]までの[[殷]]の年数となります。
[SRC[>>336]]

[360] 
[[劉歆]]は 629 年より 171年も少ないこと、
[[殷正]]でなく[[夏正]]により当時月を11月とする不合理、
[[朔旦冬至]]が[[乙丑]]とあるべきを甲子とする点を指摘しているのです。
[SRC[>>336]]

;; [361] 
[[殷暦]]は[[太初暦]]や[[三統暦]]の有力な反対説だったと考えられ、
これを含めて隋書で[[殷暦]]を批判しています。
[SRC[>>336]]

** 太甲元年

[346] 
[[湯]]王の即位 (= [[伐桀歳]]) から太甲元年までは、

- [347] [CSECTION[世経]] 「後為成湯。方即世崩没之時。為天子用事十三年矣。商十二月乙丑朔旦冬至。」

とあります。
[SRC[>>336]]

[351] 
[[湯]]王から[[太甲]]への代替わりについて、
[CSECTION[世経]]は >>343 のように引いています。

[344] 
太甲元年12月乙丑朔を朔旦冬至、よって[[章首]]と解したものです。
[[三統上元]]から141493年です。
[SRC[>>336]]
すなわち[TIME[西暦-1737年][-1737]]に当たります。

[348] 
ただし現存する
[CITE[偽古文尚書]]
には、
「惟元祀十有二月乙丑。伊尹祀于先王。」
とあります。
[CH[朔]]がありません。
[SRC[>>336]]

[349] 
[[清]]の[[銭大昕]]の[CITE[三統術衍]]は、
[[劉歆]]が見たのは[CITE[真古文尚書]]であったと考えています。
[CITE[漢書律暦志の研究]]
もこれに賛同しています。
[SRC[>>336]]

[350] 
しかし[[銭大昕]]はこの文は後世の曆家が改めた可能性も疑っています。
[[湯]]の没年が[[太甲]]元年なら13年、翌年が[[太甲]]元年なら12年としなければ、
[[三統暦]]の[[章首]]とならないためです。
[SRC[>>336]]

[354] 
[CITE[尚書]][CSECTION[孔氏伝]]は、

> 此湯崩。踰月太甲即位。

としています。
[SRC[>>336]]

[355] 
[CITE[正義]]は、

> 湯崩之年。太甲即称元年也。

としています。
また、
顧氏の説を引いて、

> 殷家猶質。踰月即改元年。以明世異。不待正月。以為首也。

と論じています。
[SRC[>>336]]

[357] 
[[殷暦]]も13年としており (>>356)、[[劉歆]]の時代の定説だったとみられます。
[SRC[>>336]]

[HISTORY[

[352] 
[[銭大昕]]は、13年としながら件の文を解釈するため、
12月とは太甲0年12月のことを指すとする説も提示しています。
暦家によってそのような表現が用いられることはあります。
[SEE[ [[三正]] ]]
[SRC[>>336]]

[353] 
この問題について[CITE[漢書律暦志の研究]]は、
12月乙丑朔を[[朔旦冬至]]としているので[[劉歆]]がこれを[[殷正]]と解釈したことは確かで、
「商十二月乙丑朔旦冬至」と書いたことからも明白であるとしています。
また、[[劉歆]]自身が経文を改竄することはあり得ないと思われるともしています。
[SRC[>>336]]

]HISTORY]

[REFS[

- [335] [CITE[漢書律暦志の研究]]
-- [336] [CSECTION[[V[〔一八〕殷周の年代]]]],
pp.[V[九三]]-[V[一〇一]]

]REFS]

* 西周

[156] 
[[西周]]では各王の[[即位紀年]]が使われました。

[155] 
[[西周]]後期の[[共和]]年間からは[CITE[史記]]の表で時期が確定されており (>>33)、
現在までおおむね定説となっていますが、それ以前の諸王の年代には諸説あります。

-*-*-

[321] [CITE@zh[歷代三寶紀/卷一 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-06-12T12:25:16.000Z]], [TIME[2023-06-26T12:30:51.202Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AD%B7%E4%BB%A3%E4%B8%89%E5%AF%B6%E7%B4%80/%E5%8D%B7%E4%B8%80>

[322] 
>>321 にある「周武王元年己卯」は[[朝鮮]]の文献でたまに使われているようです。
関連: [[檀君紀元]]

[323] >>321 によると

>起周武王元年己卯訖秦二世敗歲甲午。其間九百三十三年。

とのことです。
[TIME[西曆-206年甲午][-206]]を基準に、
間に933年ということで934年遡ったところが[TIME[西曆-1141年'''己'''未][-1141]]。
しかし[[十二支]]が合いません。
この近くで己卯年を探すと、
914年遡ったところが[TIME[西曆-1121年'''己卯'''][-1121]] ([TIME[y~4179]])。
(この20年ずれは[[檀君紀元]]も参照。)

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[7] [CITE[姬昌_百度百科]]
([TIME[2016-02-10 23:39:31 +09:00]] 版)
<http://baike.baidu.com/view/72648.htm?fromtitle=%E5%91%A8%E6%96%87%E7%8E%8B&fromid=525708&type=syn>
]FIGCAPTION]

> 其父死后,继承西伯侯之位,故称西伯昌。西伯昌四十二年,姬昌称王,史称周文王'''['''1''']'''  。
> 周文王七年(前1056年),周文王崩,葬于毕原。

]FIG]

[159] [CITE@zh-CN[姬昌简介_中国周王朝奠基者姬昌个人资料-人物介绍]], [TIME[2021-08-20T02:35:14.000Z]], [TIME[2023-02-18T07:15:34.108Z]] <http://www.renwujieshao.com/lishi/zhouchao/jichang.html>

>周文王七年(公元前1056年),周文王崩,葬于毕原。

[160] 
[CITE@zh[帝辛 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2023-02-14T07:34:26.000Z]], [TIME[2023-02-18T07:29:05.321Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E8%BE%9B>

>公元前1046年(武王元年,周文王十五年),

[158] 
[[受命]]

[161] [CITE[先秦文系年注析丛书 《逸周书》文系年注析]], [TIME[2023-02-18T07:29:24.000Z]] <http://www.bbtpress.com/bookview/7509.html>

[130] [CITE[tani.pdf]], [TIME[2010-10-19T07:34:40.000Z]], [TIME[2023-02-17T13:23:20.425Z]] <https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/617/617PDF/tani.pdf>

[135] [CITE[jor043_1_1.pdf]], [TIME[2021-09-06T09:36:27.000Z]], [TIME[2023-02-17T14:47:03.048Z]] <https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/153939/1/jor043_1_1.pdf#page=4>

[137] [CITE[jic058_071.pdf]], [TIME[2022-03-20T08:05:40.000Z]], [TIME[2023-02-17T15:16:21.272Z]] <https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/66659/1/jic058_071.pdf>

[134] [CITE[›¡4/‰gŒ{/’ÓŠ¹ - yosimoto.pdf]], [TIME[2018-09-06T06:14:24.000Z]], [TIME[2023-02-17T14:14:57.695Z]] <https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/586pdf/yosimoto.pdf>

[133] [CITE[04.賴文隆 金文「 弭」字考—兼論弭器斷代問題.pdf]], [TIME[2020-07-21T07:30:57.000Z]], [TIME[2023-02-17T14:11:54.230Z]] <https://cart.ntua.edu.tw/uploads/root/%E6%88%90%E6%9E%9C%E7%99%BC%E8%A1%A8/%E5%87%BA%E7%89%88%E5%88%8A%E7%89%A9/%E6%9B%B8%E7%95%AB%E8%97%9D%E8%A1%93%E5%AD%B8%E5%88%8A/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%85%AB%E8%BC%AF/04.%E8%B3%B4%E6%96%87%E9%9A%86%20%E9%87%91%E6%96%87%E3%80%8C%20%E5%BC%AD%E3%80%8D%E5%AD%97%E8%80%83%E2%80%94%E5%85%BC%E8%AB%96%E5%BC%AD%E5%99%A8%E6%96%B7%E4%BB%A3%E5%95%8F%E9%A1%8C.pdf#page=45>

[136] [CITE[v06p173.pdf]], [TIME[2022-03-03T06:10:40.000Z]], [TIME[2023-02-17T14:58:08.596Z]] <https://www.cuhk.edu.hk/ics/journal/articles/v06p173.pdf>

[138] [CITE[月相正名及西周王年考 - OJHS20140200000_97939222.pdf]], [TIME[2014-04-25T07:18:42.000Z]], [TIME[2023-02-18T01:12:12.827Z]] <https://pdf.hanspub.org/OJHS20140200000_97939222.pdf>

[157] 
[CITE@en[周 - Chinese Text Project]], [[Donald Sturgeon]], [TIME[2023-01-22T17:34:19.000Z]], [TIME[2023-02-18T04:03:44.069Z]] <https://ctext.org/datawiki.pl?if=en&res=634793&remap=gb>

[19] 
[CITE[西周代陝東出自者「周化」考[BR[]]―西周中期改革考(1)―]], [TIME[2010-10-19T07:34:40.000Z]], [TIME[2021-08-06T06:02:47.269Z]] <http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/617/617PDF/tani.pdf>

** 周文王

[363] 
周文王42年の位置について[[春秋暦]]との関係が伝わります。
[SEE[ [[春秋暦]] ]]

[366] 
受命元年が周文王の時代に当たります。
受命9年に文王が死去しました。
[SRC[>>336]]

** 伐紂歳

[364] >>339 も参照。

[365] 
[[三統上元]]から伐紂の歳まで142109歳とされます。
[SRC[>>336]]

[367] 
[[三統上元]]を0年とすると、142109年は[TIME[西暦-1121年己卯][-1121]]に当たります。

[373] 
[[劉歆]]は[CITE[国語]]周語から

>歳在鶉火。即我有周之分野也。

を引用し、[[鶉火]] (7) を[[伐紂歳]]の[[歳星]]の位置とみました。
[SRC[>>336]]

[374] 
[[三統上元]]に[[歳星]]は[[星紀]] (0) から7次ずれているので、
[[三統上元]]から[[伐紂歳]]の年数 [VAR[N]]
は、

- [375] [VAR[N]] = 1728 [VAR[p]] + 144 [VAR[m]] + 12 [VAR[n]] + (7 - [VAR[m]])
- [376] 1728 : [[歳星]]歳数
- [377] 0 < [VAR[m]] ≦ 7, [[整数]] 
- [378] n < 12

と書くことが出来ます。
[SRC[>>336]]

;; [383] 144 は[[超辰]]に関係する値

[379] 
また、
(現在は正確な時期は伝わらないものの[CITE[史記]]には[[周]]王の世代の大略があり)
[[劉歆]]の時代には周初の年代は大体の予想が付いていたと考えられます。
従って100年前後の誤差を除いて年代を推定し得るのです。
[SRC[>>336]]

[380] 
[VAR[p]] = 82, [VAR[m]] = 2 とすれば [VAR[N]] = 141989 + 12 [VAR[n]] 
となります。
[SRC[>>336]]

[381] 
ここで、[CSECTION[世経]]に引用された資料に示された天象と暦日について、
[VAR[n]] = 10
を採用することで[[三統暦]]の推算値と[CITE[国語]]や[CITE[尚書]]を完全に説明することができます。
142109年とはそのように決められたと推測できます。
[SRC[>>336]]

[382] 
[TIME[西暦-1121年己卯][-1121]] = 西暦紀元前1122年という値は長く支那年代学の権威となっていました。
[SRC[>>336]]

-*-*-

[372] 
受命11年に武王会八百諸侯、
受命13年に武王伐紂克殷とされています。
[SRC[>>336]]

** 周公

[368] 
周公5年が周正月丁巳朔旦冬至、入孟統28章首とされます。
[SRC[>>336]]

[369] 
[[三統暦]](第31元)孟統(第3統)第28章0年 (142101年)
は[TIME[西暦-1129年][-1129]]に当たりますが、
これだと[[伐紂歳]]の8年前になります。

[371] 
[[三統暦]](第31元)孟統(第3統)第29章0年 (142120年, 0はじまりで28章)
は[TIME[西暦-1110年庚寅][-1110]]に当たります。
[[伐紂歳]]の11年後となります。

[370] >>356

* 春秋戦国時代

[144] 
[[春秋戦国時代]]は[[東周]]および[[諸侯]]の[[即位紀年]]が使われました。

[145] [CITE[史記]]の表 (>>33) が基礎的な資料となっており、
大枠ではそれが現在の通説となっていますが、
その後の研究で訂正されている部分もあります。

[147] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]には一部の人物記事に紀年の表があります。
[SEE[ [[Wikipediaの日時関連記事]] ]]
(すべての諸侯の記事にあるわけでなく、基準はよくわかりません。)

- [153] 
[[西周]]の[[共和]] ([CITE[史記]]の表の最初) には紀年表がなく、
その次の[[宣王]]から[[東周]]の最後まで紀年表があります。
[SRC[>>152 等]]
-- [154] 
[[宣王]]には
[CITE[史記]]
に基づく紀年表と
[CITE[逨鼎的月相紀日和西周年代]],
[[張培瑜]]の異説に基づく紀年表が掲載されています。
- [151] 
[[周]]の分裂政権のうち2人は[CITE[史記]]の表にありませんが、
紀年表が掲載されています
[SRC[>>148, >>149]]。
- [150] 
[[田斉]]については[CITE[史記]]の表と大きく異なる新しい説に従った紀年表が掲載されています
[SRC[>>146 等]]。
- [305] 
[[魯]]については初代から[CITE[史記]]表2の終わりまで相当分の紀年表があります。
一部、[CITE[史記]]とは違う新しい説を採用しています。 [SRC[>>304]]

[303] 
[[日本語]]版[CITE[ウィキペディア]]は[[魯]]国の一部の君主にだけ紀年表を掲載しています。
[SRC[>>302]]
一部、[CITE[史記]]とは違う新しい説を採用しています。
[[中文]]版とも[CITE[春秋]]とも範囲が違います。

[REFS[
-
[152] 
[CITE@zh[[[周宣王]] - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2023-02-09T07:42:51.000Z]], [TIME[2023-02-18T03:16:16.516Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E5%AE%A3%E7%8E%8B>
-
[148] 
[CITE@zh[[[周攜王]] - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2023-02-09T07:43:09.000Z]], [TIME[2023-02-18T02:20:53.338Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E6%94%9C%E7%8E%8B>
-
[149] 
[CITE@zh[[[王子颓]] - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2023-02-09T07:43:30.000Z]], [TIME[2023-02-18T02:21:14.088Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E5%AD%90%E9%A2%93>
- [146] 
[CITE@zh[[[田和]] - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2023-02-09T07:43:07.000Z]], [TIME[2023-02-18T01:41:07.820Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%92%8C>
-
[304] 
[CITE@zh[[[伯禽]] - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2023-02-24T07:02:55.000Z]], [TIME[2023-02-26T13:56:21.048Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%AF%E7%A6%BD>
-
[302] 
[CITE@ja[[[考公]] (魯) - Wikipedia]], [TIME[2023-02-12T13:03:30.000Z]], [TIME[2023-02-26T13:54:37.575Z]] <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%83%E5%85%AC_(%E9%AD%AF)>

]REFS]

[163] [CITE[東洋史論集 - 35_p001.pdf]], [TIME[2023-02-18T13:22:56.000Z]] <https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/25837/35_p001.pdf>

[164] >>163 金石銘には「[VAR[何]]年」しか書かれていないので、どの王の時代かが問題となる。

[319] [CITE@ja-JP[史記東周紀年の再編について - 国立国会図書館デジタルコレクション]], [TIME[2023-04-25T10:11:41.000Z]], [TIME[2023-05-07T01:56:54.393Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/3140735/1/1>

[318] 
[CITE@ja[「原左氏傳」と清華簡「繫年」における卽世と卽位 ─「春秋經」の正月卽位法の再検討に及ぶ ─]], [[NetCommons]], [TIME[2017-06-30]], [TIME[2021-09-17]], [TIME[2023-05-07T01:54:00.000Z]] <https://tohoku.repo.nii.ac.jp/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=33&block_id=46&item_id=135390&item_no=1>

[324] [CITE[中国戦国期年表]], [TIME[2011-05-30T08:23:16.000Z]], [TIME[2023-06-29T09:07:23.441Z]] <https://www.shuiren.org/senshin/nenpyo-s.html>

* 秦始皇帝以後

[1] [[秦の即位紀年]]、
[[漢の元号]]

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [124] [DATA(.label)[[[張家山漢簡]]]]
-- [125] 
[CITE(.label .text)[[[二年律令]]]]
--- [126] 主流説は漢呂后2年
--- [127] 少数説で漢高祖2年

]ITEMS]

[128] [CITE[takatori.pdf]], [TIME[2011-10-28T05:04:40.000Z]], [TIME[2023-02-15T23:39:24.640Z]] <https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/619/619PDF/takatori.pdf#page=3>

秦簡、漢簡。[[元号名]]なく年数だけが書かれている。

[314] [CITE@ja['''['''論文''']''' 漢代暦運説の形成と数理]], [[武田 時昌]], [TIME[2022-03-25]], [TIME[2023-03-31]], [TIME[2023-04-21T13:49:28.000Z]] <https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=41&item_id=2849&item_no=1>

* 古い史書の紀年

** [CITE@ja[繫年]]の即位紀年

[275] 
[CITE@ja[繫年]]
は[[周]]や各国の王の[[即位紀年]]を使っています。

[283] [CITE[lit52_001.pdf]], [TIME[2022-02-28T09:44:23.000Z]], [TIME[2023-02-24T12:53:49.153Z]] <https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/173919/1/lit52_001.pdf>

[299] [CITE[王紅亮:也說《清華簡·繫年》的“周亡王九年”-复旦大学出土文献与古文字研究中心]], [TIME[2023-02-26T01:36:00.000Z]] <http://www.fdgwz.org.cn/Web/Show/1773>

** [CITE[竹書紀年]]の即位紀年

[274] 
[CITE[竹書紀年]]は伝説時代以来の各帝王の[[即位紀年]]を使っています。

[307] 
「帝堯元年丙子」
と[[即位紀年]]と[[干支年]]の[[併記][元号干支年表記]]らしきものがあります。
[SRC[>>306]]
この1箇所だけ[[干支年]]があって不審です。

[308] 
[[朱右曽]]注に、[[干支紀年法]]は当時未成立のはずでおかしいという旨が書かれています。
[SRC[>>306]]
[[併記の形式][元号干支年表記]]の成立史からみても不審です。

[REFS[
- [306] 
[CITE@zh[[[古本竹書紀年輯校]] - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-02-13T08:19:52.000Z]], [TIME[2023-02-27T08:45:10.471Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%A4%E6%9C%AC%E7%AB%B9%E6%9B%B8%E7%B4%80%E5%B9%B4%E8%BC%AF%E6%A0%A1>
]REFS]

** [CITE[春秋]]の日時

[276] 
[CITE[春秋]]は[[魯]]公の[[即位紀年]]を使っています。

[301] [CITE@ja[春秋 - Wikipedia]], [TIME[2023-02-24T02:38:12.000Z]], [TIME[2023-02-26T12:16:15.101Z]] <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A5%E7%A7%8B#%E4%BD%93%E8%A3%81>

[285] [CITE[Paper Template - 41.pdf]], [TIME[2016-03-28T05:23:35.000Z]], [TIME[2023-02-24T13:07:31.719Z]] <http://xiaoan.web.fc2.com/dongyahanxue/paper/no7/41.pdf#page=2>

[310] 
[DFN[[CITE[春秋]]の日時表示]]はそれ以後の[[東アジア]]の[[史書]]の[[日時表示]]の基本形となりました。

[309] [[王春]]

[317] [[改元踰年問題]]

** 睡虎地秦簡即位紀年

[288] 
[[睡虎地秦簡]] [CITE[編年紀]]
は[[即位紀年]]を使っています。

[292] 
また[[睡虎地秦簡]]は[CITE[編年紀]]部分以外にも[[日付表示]]がいくつかあって、
[[日干支]]を伴うものもあります。 [SRC[>>291]]

- [296] 二月丙子
- [297] 四年三月丁未
- [298] 五月十日
- [293] 廿年四月丙戌朔丁亥
- [294] 廿五年閏再十二月丙午朔辛亥 (2例)
- [295] 二月辛巳

[REFS[
- [291] 
[CITE@zh[[[睡虎地秦簡]] - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-02-11T06:01:51.000Z]], [TIME[2023-02-25T09:00:15.775Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E7%9D%A1%E8%99%8E%E5%9C%B0%E7%A7%A6%E7%B0%A1>
]REFS]

** [CITE[史記]]即位紀年

[31] 
[CITE[史記]]は[[表]]として各王の[[即位紀年]]の対応関係をまとめています。

[96] 
その後の研究により訂正されるべき点もありますが、
漢初までの紀年の復元の出発点として重要です。

-*-*-

[33] 
[CSECTION[卷十四 十二諸侯年表 第二]]
と
[CSECTION[卷十五 六國年表 第三]] 
に、
[[周]][[共和]]元年から[[秦]]の滅亡までが掲載されています。
おおむね前者が[[春秋時代]]、
後者が[[戦国時代]]ですが、
現在の[[時代区分]]とは少しずれています。
[SRC[>>7, >>20]]

[34]
12諸侯年表には、
[[周]]と、
[[魯]], 
[[斉]],
[[晋]],
[[秦]],
[[楚]],
[[宋]],
[[衛]],
[[陳]],
[[蔡]],
[[曹]],
[[鄭]],
[[燕]],
[[呉]]の13諸侯、計14国の欄があって、
期間内の各[[年]]に「[VAR[君主]]元年」や[[年数]]などが書かれています。
[SRC[>>7]]
(表の作りとしては、この表が一番単純明快です。)

[37] 
6国年表には、
[[周]]と、
[[秦]],
[[魏]],
[[韓]],
[[趙]],
[[楚]],
[[燕]],
[[斉]]の7国、計8国の欄があって、
期間内の各[[年]]に「[VAR[君主]]元年」や[[年数]]などが書かれています。
8国以外の国はいずれかの欄に「[VAR[君主]]元年」のみ書かれています。
[SRC[>>20]]

[46] 
[[年]]単位で、[[月日]]は書かれていません。
[[年始]]の違いは[[表]]にあらわれていません。
(大半が重なる[[期間]]を同じ[[年]]とみなしているのでしょう。)

[36] 
[[元年]]の欄には前紀年の年数は書かれていません。
前年に前王死去や新王即位の記事がある場合もあれば、
何もない場合もあります。
[SRC[>>7, >>20]]

[38] 
[[重祚]]によって元の紀年に復帰した事例や、
新たに[[称元]]しなおした事例がいくつかあります。
新[[称元]]時には「[VAR[名前]]後元年」と書かれています。
[SRC[>>7, >>20]]

[40] 
[[秦]]の[[恵文王]]は秦公即位元年に
「秦惠文王元年」、
秦王即位元年に
「初更元年」とあります。
[SRC[>>20]]

[39] 
[[始皇帝]]は[[秦]]王即位元年に「始皇帝元年」とあって、皇帝即位前後で書き分けられていません。
[SRC[>>20]]

[97] 
12諸侯年表は「真公濞十五年,一云十四年」と2説併記されている箇所があります。

[REFS[
-[7] [CITE@zh[[[史記]]/卷014 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-22T03:01:49.000Z]], [TIME[2023-02-05T03:03:54.619Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7014>
-
[20] [CITE@zh[[[史記]]/卷015 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-22T07:25:41.000Z]], [TIME[2023-02-05T12:38:14.163Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7015>
]REFS]

-*-*-

[47] 
[CSECTION[卷十六 秦楚之際月表 第四]]
に、
[[秦]]の滅亡から[[漢]]の成立までの期間がまとめられています。
この表では殆どの欄に[[即位紀年]]でなく即位からの月数が書かれています。
[SRC[>>21]]

[48] 
前半は、
[[秦]],
[[楚]],
[[項]],
[[趙]],
[[斉]],
[[漢]],
[[燕]],
[[魏]],
[[韓]]の計9国について、
[[秦]]の二世元年からの各[[月]]の欄があります。
[SRC[>>21]]

[55] 
前半の[[秦]]の欄に二世元年7月から七月、八月、九月、と月が書かれています。
1月は「端月」、
9月の次の[[閏月]]は「後九月」と書かれています。
[[年始]]は10月で、「三年十月」のように年月が書かれています。
3年10月の「九月」の次は4年の10月になるはずですが、
「十月」とだけあって年が書かれていません。
[SRC[>>21]]

[56] 
前半の他国の欄には蜂起の月にその旨があり、
それ以降の月に二、三、四と月数が書かれています。
月数は12を超えても加算されていき、閏月もありません。
[SRC[>>21]]
これは経過月数を数えたもので、[[暦月]]ではないのでしょう。

[51] 
前半の[[楚]]国の欄は新王擁立のたびに月数がリセットされていて、計3つあります。
3回目が楚の[[懷王]]で、秦の二世2年6月の隣にあります。
そこから二、三、と続き、十二の次が秦の二世3年4月の隣にあります。
その次が「二年一月」で、二、三、四、と八 (秦二世3年12月) まで続きます。
[SRC[>>20]]
「月」とは書かれていませんが、「二年一月」があるのでこれは年月を表すと解釈するしかありません。

[65] 
前半の[[漢]]の欄は「二十七」月、秦の二世3年9月の次の「十月」と同じ月に、
「漢元年」と併記されています。
[SRC[>>20]]

[50] 
後半は、
分置があって計20国について、
やはり各[[月]]の欄があります。
[SRC[>>20]]

[52] 
後半の[[楚]]国は前半の続きで「九」 (楚懐王2年9月) から始まりますが、
同じ[[月]]に「義帝元年」ともあります。
その次が二、三、四と続き、十で[[義帝]]が[[項羽]]に滅ぼされて終わります。
[SRC[>>20]]
「月」とは書かれていませんが、前半に引き続き、年月を表すと解釈するほかありません。

[53] 
後半の[[漢]]国は「正月」から始まり、
「二月」、「三月」と続きます。
「九月」「十月」「十一月」「十二月」「正月」「二月」
と、最初の2年間は何年か書かれていません。
その後
「九月」「後九月」「三年十月」「十一月」「十二月」「正月」
と続き、同じようにして
5年の「後九月」で表が終わります。
[SRC[>>20]]

[54] 
前半は[[秦]]にだけ「月」、後半は[[漢]] [WEAK[(と[[諸侯王]]の「一月」)]]
にだけ「月」を書いているのは、意味有りげです。
義帝元年を書いているのも敢えてのことでしょうが、
秦王子嬰の降伏のタイミングと義帝の死去のタイミングのために[[秦]]の4年、[[漢]]の2年がなく、
漢2年相当の年がどの国にも書かれていません。
この歪な構造も一因となって、
この表の意図の理解には諸説が生じました
[SRC[>>66]]。

[57] 
後半その他の国は、
はじめのうちは前半と同じように経過月数が書かれています。
[SRC[>>21]]

[59] 
[[楚]]の[[義帝]]または[[漢]]によって[[諸侯王]]が置かれた国は、
最初の[[月]]にその旨の記事があり、
以後「二」、「三」と続きます。
「十二」の次が「二年一月」になります。
後半に[[漢]]は[[閏月]]が2回ありますが、[[諸侯王]]には1回もありません。
[SRC[>>21]]

[62] 
月数表記と年月表記の2種類があるのですが、使い分けはよくわからないところがあります。
[[楚]]が分置した地域でも月数のものと年月のものがあります。
主に[[漢]]に従ったため長続きしたところが年月になっているのでしょうが、
[[西楚]]の[[項籍]]も年月になっているので、
単純に[[漢]]方かどうかということでもありません。
12ヶ月に満たないところはどちらの表記のつもりなのかがはっきりしません。

[63] 
衡山王吳芮は四年の「十二」の次に「十三」があります。
その次の月に長沙王となってリセットされています。
[SRC[>>21]]
これは13月なのでしょうか?

[76] 
>>66 は楚や項羽や漢の年月は実際行われた紀年、年始を記述したものとみています。
「漢元年」も10月にかかれていますが、実際よりも遡った位置にあるとしています。

[77] 
義帝元年からの楚の月は、戦国時代の楚の暦を延長したものと一致します。
[SRC[>>66]]

[REFS[
-
[21] [CITE@zh[[[史記]]/卷016 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-22T12:37:41.000Z]], [TIME[2023-02-05T12:40:44.447Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7016>
-
[66] 
[CITE[Kyoto University Research Information Repository: 『[[史記]]』項羽本紀と秦楚之際月表 : 秦末における楚・漢の歴史評價]], [TIME[2021-09-06T09:46:18.000Z]], [TIME[2023-02-06T13:51:18.305Z]] <https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/154523>

]REFS]

-*-*-

[100] 
[CSECTION[卷十七 漢興以來諸侯王年表 第五]]
には[[前漢]]の ([CITE[史記]]執筆当時に至るまでの)
各[[諸侯王]]について、
[[元年]]、
「二」、
「三」、
と書かれています。
建国当初からの異姓諸侯王も、
皇帝の家系の劉姓の諸侯王も含まれています。
[SRC[>>101]]

[102] 
表の記載内容は概ね規則的に見えますが、微妙に表現に揺れもあったりして案外複雑です。

[104] 
出来事の一部は[[月]]や[[月]]と[[日干支]]が書かれていますが、書かれていないものも多いです。

[103] 
初期の一部は表4と重出していますが、[[人名]]表記の法則性が少し違うので、
似て非なる名前に見えたりもしています。
表4は[[月]]単位、表5は[[年]]単位で、
表4の[[年始]]・[[月]]配置の情報は表5に入っていません。

[105] 
同じ人が他の土地に転封されることがたまにあります。
紀年は前の数え方を引き継ぐ場合と、
新たに元年に戻している場合があります。
規則性は見えません。 (当時実際に行われたものなのでしょうか?)

[121] 
[[諸侯王]]が[[皇帝]]に昇進する例もあって、その場合は[[即位紀年]]はリセットされて皇帝の[[元年]]になります。

[106] 
再転封で元の土地に戻ってきて、最初の紀年が「復活」するケースもあります。

[REFS[
- [101] 
[CITE@zh[[[史記]]/卷017 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-29T02:59:57.000Z]], [TIME[2023-02-12T06:19:48.170Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7017>
]REFS]

-*-*-

[107] 
[CSECTION[高祖功臣侯者年表[WEAK(smaller)[第十八]]]],
[CSECTION[惠景閒矦者年表[WEAK(smaller)[第十九]]]],
[CSECTION[卷二十 建元以來侯者年表 第八]],
[CSECTION[卷二十一 建元以來王子侯者年表 第九]]
[SRC[>>108, >>109, >>110, >>111]]
の各表には、
[[漢]]の[[列侯]]が示されています。

[165] 
各封国について、封じられた[[列侯]]の「元年」がいつで、
何年経過した後に次代の「元年」、あるいは国が廃された、
といった事項が書かれています。

[166] 
記述方法はおおむね定型文ですが、たまに例外があります。
廃された後に復活したような例もたまにあります。

[167] 
[[諸侯王]]に昇進する例もいくつかあります。年数は引き継がれていません。

[REFS[
- [108] 
[CITE@zh[[[史記]]/高祖功臣侯者年表 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-24T13:24:58.000Z]], [TIME[2023-02-12T07:36:06.466Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E9%AB%98%E7%A5%96%E5%8A%9F%E8%87%A3%E4%BE%AF%E8%80%85%E5%B9%B4%E8%A1%A8>
- [109] 
[CITE@zh[[[史記]]/惠景閒矦者年表 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-29T07:30:14.000Z]], [TIME[2023-02-12T07:36:47.929Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E6%83%A0%E6%99%AF%E9%96%92%E7%9F%A6%E8%80%85%E5%B9%B4%E8%A1%A8>
- [110] 
[CITE@zh[[[史記]]/卷020 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-29T07:30:33.000Z]], [TIME[2023-02-12T07:37:13.497Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7020>
- [111] 
[CITE@zh[[[史記]]/卷021 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-29T07:31:30.000Z]], [TIME[2023-02-12T07:37:34.723Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7021>

]REFS]

-*-*-

[113] 
[CITE[漢書]]
[CSECTION[卷十三 異姓諸侯王表 第一]]
は漢元年一月から[漢四年]九月まで[[月]]ごと、
[漢]六年から[孝文][後元]七年まで[[年]]ごとの、
異姓の諸侯王の表です。
結合点の[漢]五年は列が年単位ですが、記事内に月が書かれていることもあります。
内容は[CITE[史記]]の表4、表5とおおむね同じです。
(なお[[年始]]が10月ではなく1月になっています。)
[SRC[>>112]]

[119] 
[CITE[史記]]の表4は初年に「元年」表記がなく表5は初年に「元年」と書かれていますが、
[CITE[漢書]]表1では「元年」表記はありません。
表1前半には「二年一月」のように、
[漢]五年には「四年」のように、
後半には「五」のように書かれているのが諸侯王の年月になります。

[120] 
表1前半には[[漢]]に従った諸侯だけでなく、
[[楚]]に封じられ[[漢]]に従わなかった諸侯も、[[項羽]]を含め、
掲載されています。
しかし[CITE[史記]]表4と違って[[義帝]]の欄はありません。

[122] 
[CITE[史記]]と1年程度ずれた年が書かれている者が何人かあります。
結合点の漢5年近辺で[[年始]]の扱いをうまく扱えず誤算したり、
即位年から数えるか翌年から数えるかを違えていたりするようです。

[114] 
[CITE[漢書]]
の他の表には劉姓の諸侯王や列侯がまとめられていますが、
[CITE[史記]]の表とは構造が違っています。
「元年」表記はなく、
一部に年数は書かれていますが紀年とも経過年数とも取れるようなものです。
明確に諸侯や列侯の[[即位紀年]]と言い得るものは見当たりません。

[REFS[
- [112] 
[CITE@zh[[[漢書]]/卷013 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-01-29T07:12:30.000Z]], [TIME[2023-02-12T07:38:07.213Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%BC%A2%E6%9B%B8/%E5%8D%B7013>
]REFS]

-*-*-

@@
本紀の紀年
>>66

@@
[334] 
[CITE@ja[25_1.pdf]], [TIME[2024-12-21T12:18:27.000Z]] <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsj/25/157/25_1/_pdf/-char/ja>

* 暦法

[SEE[ [[農暦]] ]]

@@
>>66

[282] 
[CITE[7-02.pdf]], [TIME[2022-06-28T06:56:11.000Z]], [TIME[2023-02-24T12:40:10.854Z]] <https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?research/shirakawa/file/7-02.pdf#page=5>

14月

#page=22

[284] [CITE[cks_041_017.pdf]], [TIME[2023-02-24T13:03:26.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/61115/cks_041_017.pdf#page=6>

[289] [CITE@zh[睡虎地秦簡 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2023-02-11T06:01:51.000Z]], [TIME[2023-02-25T07:21:41.846Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E7%9D%A1%E8%99%8E%E5%9C%B0%E7%A7%A6%E7%B0%A1>

> 廿五年閏再十二月丙午朔辛亥

[290] [CITE[漢字研究ブログ: 字典「再」]], [TIME[2023-01-20T13:11:59.000Z]], [TIME[2023-02-25T07:22:07.641Z]] <http://kirara0048.blogspot.com/2017/08/blog-post_11.html>

>「閏再某月」は二回目の月(閏月)のことで、秦簡にも同用法が見られる。

>元年閏再十二月丙午。
元年閏矛,《銘圖》17668-17669;戰晩

[311] [CITE@ja[東大中国思想文化学研究室の住人さんはTwitterを使っています: 「ただし、春秋時代の置閏法は後世のものより大雑把ですので、冬至の来る月は若干前後します。 陳美東氏による推算では、荘公七年は正月が建子月となっており、冬至は正月に来ていたようです。……ちょっと安心。 ※画像は『中国科学技術史』天文学巻(科学出版社、2003年)p.55より。 https://t.co/3PcXKEikXE」 / Twitter]], [TIME[午後9:42 · 2023年2月27日][2023-02-27T12:42:11.000Z]], [TIME[2023-03-01T02:04:04.000Z]] <https://twitter.com/UTokyo_chutetsu/status/1630186531184050178>

* 大事紀年

[SEE[ [[以事紀年]] ]]

* 研究史

[129] [CITE[科学図書館]], [TIME[2022-11-02T04:13:11.000Z]], [TIME[2023-02-17T13:11:07.744Z]] <http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/science/scilib.html#kodai>

- [235] [CITE[[[年号と東アジア―改元の思想と文化―]]]]
-- [237] 
[CITE@en-us[Amazon.co.jp: [[年号と東アジア: 改元の思想と文化]] : 雅晴, 水上, 宗平, 〓田: Japanese Books]], [TIME[2023-02-24T08:35:02.000Z]] <https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840622272/wakaba1-22/>
-- [236] 
[CSECTION[[V[[YOKO[5]] [DFN[中国出土資料紀年考]]]]]],
[[[V[名和敏光]]]],
pp.149-163

* メモ

[244] ([TIME[2019-03-29 18:21:46 +09:00]])
<https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/145882/1/jor015_2_235.pdf>

[245] ([TIME[2008-05-29 09:27:22 +09:00]])
<http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1952/pdf/195205.pdf>

[246] ([TIME[2012-05-29 22:13:39 +09:00]])
<http://fomalhautpsa.sakura.ne.jp/Science/IijimaTadao/shina-kinen-utf.pdf>

[247] ([TIME[2016-04-11 13:14:55 +09:00]])
<https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/66659/1/jic058_071.pdf>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[248] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:51:44 +09:00]])
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]FIGCAPTION]

> 殷墟文字の年代

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[249] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:52:16 +09:00]])
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> 支那の古暦と暦日記事(上)

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[250] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:53:27 +09:00]])
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]FIGCAPTION]

> 支那の古暦と暦日記事(下)

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[251] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:55:05 +09:00]])
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> 支那天文学の成立について:新城博士の駁論に答える

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[252] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:57:33 +09:00]])
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]FIGCAPTION]

> 支那古暦法余論

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[253] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:58:21 +09:00]])
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]FIGCAPTION]

> 漢代の暦法より見たる左伝の偽作(1)

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[254] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:58:39 +09:00]])
<https://toyo-bunko.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3900&item_no=1&page_id=25&block_id=47>
]FIGCAPTION]

> 漢代の暦法より見たる左伝の偽作(1)(正誤表)

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[255] [CITE@ja[東洋文庫リポジトリ]]
([[NetCommons]]著, [TIME[2019-10-05 18:59:01 +09:00]])
<https://toyo-bunko.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3902&item_no=1&page_id=25&block_id=47>
]FIGCAPTION]

> 漢代の暦法より見たる左伝の偽作(2)

]FIG]

[256] [CITE[春秋左氏伝の暦日研究]]
([TIME[2011-05-18 16:55:23 +09:00]])
<http://wwwd.pikara.ne.jp/tomoro-chan/>

[257] ([TIME[2019-10-05 19:08:21 +09:00]])
<https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/61003/cks_040_b001.pdf>

[258] [CITE[科学図書館]]
([TIME[2019-09-30 12:36:59 +09:00]])
<http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/science/scilib.html#kodai>

[259] [CITE[春秋暦(魯国暦) 置閏検討 (by 現代定朔/閏(年末)計算との比較)]]
([TIME[2016-08-22 15:02:01 +09:00]])
<http://www.wagoyomi.info/syunnjyuu/syunnjyuu01.html>

[260] [CITE[春秋暦]]
([TIME[2016-08-23 22:31:03 +09:00]])
<http://www.wagoyomi.info/syunnjyuu/>

[261] [CITE[春秋暦(魯国暦)の復元]]
([TIME[2016-08-22 21:47:43 +09:00]])
<http://www.wagoyomi.info/syunnjyuu/syunnjyuu.html>

[262]  ([TIME[2019-10-05 19:20:52 +09:00]])
<https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/2230011/p045.pdf>

[263] [CITE[漢文学習資料【中国史年表】]]
([TIME[2019-10-06 21:13:19 +09:00]])
<https://www.rockfield.net/kanbun/shiryo/docs/>

[98] [CITE[25_1.pdf]], [TIME[2023-02-07T13:05:48.000Z]] <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsj/25/157/25_1/_pdf/-char/ja>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[15] [CITE[西周代陝東出自者「周化」考 ―西周中期改革考(1)―]]
([TIME[2010-10-19 16:34:40 +09:00]] 版)
<http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/617/617PDF/tani.pdf>
]FIGCAPTION]

> 中期改革期以前の器銘である段簋銘(中期[4208])15)に、
> 唯王十又四祀十又一月丁卯、王在畢、烝。戊辰、曾。王 段暦、念畢仲孫子、令龔 、 大則于段。・・
> これ王の十又四祀十又一月丁卯、王 畢に在り、烝す。戊辰、曾す。王 段の暦を わし、畢仲の孫子を念いて、龔 を令い、大則を段に らしむ。・・
> とあり、「畢仲孫子」である段が殷式紀年法を用いているのであるが、畢仲は周族出自であると考えられる 16)。そうだとすれば、周族出自者によっても殷式紀年法が用いられる事があり得たという事になり 17)、殷式紀年法の使用有無のみを根拠として陝東出自であるか否かを判断する事は危険であるという事になるのである。
> 咸井叔が右者を担当していた前掲 䋢銘は共王 2 年の器銘であるが、共王 7 年の 曹鼎一銘(中期
> [2783]、Ⅱ B)と懿王元年の師虎簋銘(中期[4316]、Ⅱ B)では、
> 隹七年十月既生覇、王在周般宮。旦王格大室。井伯入右塇曹、位中廷、北郷。・・
> これ七年十月既生覇、王 周の般宮に在り。旦に王 大室に格る。井伯 入りて塇曹を右け、中
> 廷に位して、北郷す。・・
> 隹元年六月既望甲戌、王在杜 、格于大室。井伯内右師虎、即位中廷、北郷。・・
> これ元年六月既望甲戌、王 杜 に在り、大室に格る。井伯 内りて師虎を右け、位に中廷に即き、北郷す。・・
> というように井伯が右者に任じられており、懿王 12 年の走簋銘(後期[4244])では、
> 隹王十又二年三月既望庚寅、王在周。格大室、即位。 〓馬井伯[入]右走。・・
> これ王の十又二年三月既望庚寅、王 周に在り。大室に格り、位に即く。 〓馬井伯 入りて走
> を右く。・・

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[16] [CITE@ja[逸周書 - Wikipedia]]
([TIME[2016-02-05 11:27:02 +09:00]] 版)
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B8%E5%91%A8%E6%9B%B8>
]FIGCAPTION]

> 『春秋左氏伝』文公2年に『周志』からの引用があり、これは現行の『逸周書』大匡解第三十七にも見える。また、襄公11年に『書』の引用として「安きに居りて危うきを思う」というが、これが『逸周書』程典解の「安きに於て危うきを思う」とほぼ一致し、襄公25年の『書』の引用も常訓解に見える'''['''3''']'''。

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[24] [CITE@ja[携王 (周) - Wikipedia]]
([TIME[2016-01-10 01:13:44 +09:00]] 版)
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%90%BA%E7%8E%8B_(%E5%91%A8)>
]FIGCAPTION]

> 紀元前759(平王12年)年、多くの有力諸侯が与する平王は圧倒的な戦力で携王勢力を打倒し、

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[32] [CITE[学位論文要旨詳細]]
([TIME[2016-02-11 00:38:22 +09:00]] 版)
<http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/cgi-bin/gazo.cgi?no=213133>
]FIGCAPTION]

> 史記東周紀年の再編について

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[61] [CITE[過立齋日進譚 - 学術筆記]]
([TIME[2015-10-14 22:54:11 +09:00]] 版)
<http://www.karitsu.org/column/000505sk8.htm>
]FIGCAPTION]

> 『春秋』を読もうとする時、隠公元年の冒頭でいきなり厄介な問題に直面します。
> 隱公元年、春王の正月…
> 『左伝』にしろ『公羊伝』にしろ『穀梁伝』にしろ、ここで必ず「王の正月」という表現が問題にされます。「王の正月」とは一体何なのでしょうか。同所の『左伝』には「元年春、王の周の正月」とあり、また『公羊伝』には次のようにあります。
> 元年とは何ぞや、君の始年なり。春とは何ぞや、歳の始なり。王とは孰れの謂か、文王を謂ふなり。
> すなわち、「王の正月」とは、周王朝の正月を指し(『公羊伝』ではより具体的に、周の文王が受命に際して奉じた正朔とする)、魯公の正月と区別されているのが分かる訳です。

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[71] [CITE@zh[周懿王 - 维基百科,自由的百科全书]]
([TIME[2016-02-28 21:19:29 +09:00]] 版)
<https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E6%87%BF%E7%8E%8B>
]FIGCAPTION]

> 《竹書紀年》記載:「懿王元年,天再旦於鄭」,指的是周懿王元年,在一天之內,接連出現兩次天亮的現象,當時在陝西華縣的鄭國一帶可見到這個奇景。

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[72] [CITE@zh[周康王 - 维基百科,自由的百科全书]]
([TIME[2016-03-04 06:03:35 +09:00]] 版)
<https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E5%BA%B7%E7%8E%8B>
]FIGCAPTION]

> 康王十二年六月,周康王亲自由镐京步行至丰京(今陕西省西安市西南、沣河以西)祭祀先祖,沿途由毕公高率军护卫。周康王在祭祀时作《毕命》,督促毕公高要好好教化商朝的遗民。'''['''10''']'''

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[73] [CITE@zh[周宣王 - 维基百科,自由的百科全书]]
([TIME[2016-03-06 15:16:21 +09:00]] 版)
<https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E5%AE%A3%E7%8E%8B>
]FIGCAPTION]

> 周宣王继位于共和之后,在位46年,有观点认为周宣王继位于共和元年,'''['''79''']'''而张培瑜根据逨鼎铭文推断周宣王元年为前826年,'''['''80''']'''朱鳳瀚認為宣王元年在哪一年仍須斟酌,但「如依宣王元年為公元前826年的方案,有至少11件銅器可排入宣王年曆中」'''['''81''']'''或者認為當時存在著兩個宣王紀年的體系。'''['''82''']'''下文列出史書及近人考証的看法:

]FIG]

[74] [CITE@zh[在位年與西曆對照表 - 搜索结果 - 维基百科,自由的百科全书]]
([TIME[2016-03-23 00:40:10 +09:00]] 版)
<https://zh.wikipedia.org/w/index.php?search=%E5%9C%A8%E4%BD%8D%E5%B9%B4%E8%88%87%E8%A5%BF%E6%9B%86%E5%B0%8D%E7%85%A7%E8%A1%A8&title=Special%3A%E6%90%9C%E7%B4%A2&go=%E5%89%8D%E5%BE%80>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[75] [CITE@ja[干支 - Wikipedia]]
([TIME[2016-03-24 21:47:06 +09:00]] 版)
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B2%E6%94%AF>
]FIGCAPTION]

> 現在のような順序数による紀日法がいつ始まったかはわかっていないが、現在のところ、山東省臨沂県(りんぎけん)から出土した銀雀山漢墓竹簡、および武帝7年(元光元年、紀元前134年)の暦譜竹簡の例が最古とされている。

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[2] [CITE@ja[史記/卷015 - Wikisource]]
([TIME[2019-04-04 22:04:03 +09:00]])
<https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7015>
]FIGCAPTION]

> 初更元年

]FIG]

[6] 「[V[献帝二十五年]]」

[CITE[薮内清著作集]] 第二集 p. [V[二九〇]]

[12] [CITE@ja[史記/卷015 - Wikisource]]
([TIME[2021-04-24T05:56:58.000Z]], [TIME[2021-05-08T05:57:18.517Z]])
<https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7015>

[13] [CITE@ja[「漢字の成り立ち」を語る際、まず第一に『ある漢字の意味は、必ずしもその字の字形と関係があるわけではない』ことを明確に認識しなければならない|nkay|[[note]]]], [TIME[2021-05-25T03:39:39.000Z]] <https://note.com/nkay/n/n749b4ac54acb>

>睡虎地秦簡《語書》は冒頭に廿年(秦始皇20年=紀元前227年)とあり、秦統一前に書かれたものです。

-[29] [CITE@ja[天文史料を使って『史記』の「六国年表」を検証する]]
([TIME[2021-07-21T07:53:21.000Z]])
<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsj/25/157/25_1/_article/-char/ja/>
--[5] [CITE[25_1.pdf]], [TIME[2023-02-05T02:43:01.000Z]] <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsj/25/157/25_1/_pdf/-char/ja>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[14] [CITE@ja[張重華 - Wikipedia]]
([TIME[2022-01-03T23:30:04.000Z]], [TIME[2022-01-05T05:08:33.933Z]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E9%87%8D%E8%8F%AF#%E5%BE%8C%E3%82%92%E7%B6%99%E3%81%90>
]FIGCAPTION]

> 魯宣三年(魯の宣公の在位3年)

]FIG]

[89] [CITE@zh[涇陽王 - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2022-03-13T03:21:19.000Z]], [TIME[2022-03-27T03:22:55.827Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%87%E9%99%BD%E7%8E%8B>

>以「壬戌年(公元前2879年)」為元年。

[78] [CITE[tani.pdf]], [TIME[2010-10-19T07:34:40.000Z]], [TIME[2021-05-03T10:27:32.677Z]] <http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/617/617PDF/tani.pdf>

[64] [CITE[sinsa.pdf]], [TIME[2013-09-04T01:18:25.000Z]], [TIME[2021-06-29T12:50:35.494Z]] <http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/629/629PDF/sinsa.pdf#page=30>

[30] 
[TIME[2021-11-27T00:39:47.200Z]]
<https://waseda.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=64559&file_id=162&file_no=1&nc_session=ki2uk5bk11jgra3hs2ge29r5b4%20target=>

[90] [CITE[cks_029_001.pdf]], [TIME[2022-05-29T12:08:31.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/61078/cks_029_001.pdf>

[4] [CITE[cks_007_001.pdf]], [TIME[2023-02-05T02:42:31.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/60793/cks_007_001.pdf>

- [94] 
[CITE[101_KJ00003671276.pdf]], [TIME[2023-02-07T05:49:03.000Z]] <https://www.jstage.jst.go.jp/article/shigaku/101/8/101_KJ00003671276/_pdf/-char/ja>
-[67] [TIME[2023-02-06T14:01:12.500Z]]
<https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/27145/files/ioc12304.pdf>
-[68] [CITE[学位論文要旨詳細]], [TIME[2023-02-06T14:01:41.000Z]] <http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=213133>

[81] [CITE[cks_040_b001.pdf]], [TIME[2023-02-07T04:41:25.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/61003/cks_040_b001.pdf>

[79] [CITE[cks_038_115.pdf]], [TIME[2023-02-06T14:52:27.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/61140/cks_038_115.pdf>

[91] [CITE[cks_045_b001.pdf]], [TIME[2023-02-07T05:39:14.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/61027/cks_045_b001.pdf>

[92] [CITE[cks_041_017.pdf]], [TIME[2023-02-07T05:45:52.000Z]] <https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/61115/cks_041_017.pdf>

[95] [CITE[1_80.pdf - ToyoKotengakuKenkyu_1_80.pdf]], [TIME[2014-12-11T01:41:03.000Z]], [TIME[2023-02-07T05:53:00.333Z]] <https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/2/25405/20141016151615965536/ToyoKotengakuKenkyu_1_80.pdf>

[131] [CITE[年号以前.pdf]], [TIME[2023-02-17T13:25:11.000Z]], [TIME[2023-02-17T13:26:35.580Z]] 
<https://researchmap.jp/satoshin257/social_contribution/2632600/attachment_file.pdf>

[132] [CITE@zh-cn[对西周诸王王年的最终修正意见]], [TIME[2017-06-21T03:15:26.000Z]], [TIME[2023-02-17T14:03:45.683Z]] <http://www.xml-data.cn/GXMZ/html/c97d8eb1-298a-464b-8318-a9c3addf31a6.htm>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[385] [CITE@ja[楡罔 - Wikipedia]]
([TIME[2025-07-22T09:56:15.000Z]], [TIME[2025-08-05T09:57:14.508Z]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%A1%E7%BD%94>
]FIGCAPTION]

> 初代炎帝が紀元前3050年頃の人物であること、「楡罔元年は壬辰、在位55年」という記述'''['''1''']'''により、紀元前2754年から紀元前2699年と算出できる。従って、阪泉の戦いも紀元前2699年となる。

]FIG]

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