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[16] [[ファイル名]]には特別扱いされるものがあります。
[[ファイルシステム]]や[[プラットフォーム]]の仕組み上の特殊な[[名前]]もあれば、
特定の[[アプリケーション]]に限定されるものや、
仕組み的な特殊性はないものの[[慣習]]が存在するものなどいろいろあります。

* Unix の特別なファイル名

[1] [[Unix]] では [CH[.]] から始まる[[ファイル名]]は[[隠しファイル]]を表す慣習となっています。

[12] ここから派生して、[[ホームディレクトリー]]下に [CH[.]] 
から始まり[[アプリケーション]]名等が続く[[ディレクトリー]]や[[ファイル]]で設定ファイル、
一時ファイル等を配置する慣習があります。

[2] [[Unix]] では[[ディレクトリー]]に特別な[[ディレクトリー]]
[CODE[.][FULL STOP]]、[CODE[..]] が自動作成されます。

[3] [[標準入出力]]を表すために [CODE[-]] が使われることがあります。
[SEE[ [[- (Unix)]] ]]

[4] [[シェル]]の多くは [CODE[~]] を自身の[[ホームディレクトリー]]に、
[CODE[~]] + [[ユーザー名]]を当該[[ユーザー]]の[[ホームディレクトリー]]に展開します。
[SEE[ [[~][ホームディレクトリー]] ]]

[5] [[エディター]]が[[バックアップ]]を自動作成する場合、
元の[[ファイル名]]の末尾に [CODE[~]] をつける[[慣習]]があります。

[13] 
一般的なファイルは[[小文字]]の名前を与え、
[CODE[README]], [CODE[LICENSE]], [CODE[Makefile]]
等目につかせたいファイルに[[大文字]]の名前を与える慣習があります。
[CODE[ls]] 等で[[整列]]して表示されたときにまとまって表れてわかりやすいためと説明されています。
[SEE[ [[ファイル配置]] ]]

[NOTE[

[25] 
[[Unix]] の[[プログラム]]の多くは [CH[-]] から始まる[[引数]]を[[オプション]]の指定と解釈します。
[[[CODE[--]] (Unix)]] も参照。

[26] 
[[Unix]] では [CN[NULL]] ([N[0x00]]) を[[ファイル名]]に含められません。

[28] 
[[Unix]] では [CH[/]] を[[ファイル名]]に含められません。

[27] 
[[Unix]] では[[ファイル名]]は[[バイト列]]として扱われます。
[[プログラム]]次第、[[ロケール]]次第で [[UTF-8]] などの[[文字コード]]と解釈されます。
結果として特定の[[プログラム]] (や特定の[[ロケール]]指定) で扱えない[[文字コード]]を含む[[ファイル名]]が存在してしまうことがあります。

[29] 
[[シェル]]は[[空白]]を[[コマンドライン引数]]の区切り、
[CH[\]] を [[escape]] と解釈します。
[CH[$]], [CH["]], [CH[']] その他も解釈されることがあります。

]NOTE]

[46] 
[CITE[Finder]] は[[ファイル]] [CODE[.DS_Store]] を使います。

* Windows の特別なファイル名

[20] [[ショートカット]] ([CODE[.lnk]] や [CODE[.url]] や [CODE[.pif]] や 
[CODE[.scf]] など) 
は[[エクスプローラー]]を[[拡張子]]表示モードにしても、
[[拡張子]]が隠されて表示されます。

[21] [CODE[SCF]] [[ファイル]]は[[エクスプローラー]]で[[フォルダー]]表示時に処理されます。

[18] [CODE[desktop.ini]] は[[エクスプローラー]]の機能の指定に使われます。
[[Windows]] や[[エクスプローラー]]にとって意味のある[[フォルダー]]に自動的に作られますし、
関係する個別設定を変更した[[フォルダー]]にも作られます。

[23] [CODE[Thumbs.db]] は[[エクスプローラー]]の[[縮小表示]]の[[キャッシュ]]データです。
[[縮小表示]]した[[フォルダー]]に自動的に作成されます。

[8] [CODE[.files]]

[24] 
[CODE[$mft]] は [[NTFS]] で特別な意味を持ちます。

[9] [CODE[\\.\]], [CODE[\\?\]]

[19] 
([CH[{]], [CH[}]] で囲んだ)
[[CLSID]] を[[拡張子]]とする[[フォルダー]]は[[エクスプローラー]]で特別に表示されます。

[15] 
[CITE@ja[Windowsの「God Mode」を悪用して実行ファイルを隠蔽するマルウェア、名前に予約語を使って削除も回避 | スラド セキュリティ]], [TIME[2024-07-07T08:18:07.000Z]] <https://security.srad.jp/story/16/05/03/0737226/>

[43] 
[[ファイル]]でも[[フォルダー]]でも、 [[ASCII文字]]の[[記号]]は[[拡張子]]に使わないのが無難です。

[36] [[ドライブ]]直下の [CODE[autorun.inf]] は[[媒体]]の挿入時に自動的に実行する操作を記述するファイルです。

[14] [[CON CON問題]]

[22] [CITE[8-1. Windowsパス名の落とし穴]]
([TIME[2013-06-03 15:52:26 +09:00]])
<https://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programmingv1/b08_01.html>

[30] 
[CH[~]] と整数は自動的に割り当てられる[[短いファイル名]]で使われます。

[37] 
[CH[%]] は元々[[MS-DOS]]で[[環境変数]]の前後区切子でしたが、
[[Windows]]で[[ファイル]]の[[パス]]を指定する一部の文脈で特別な[[フォルダー]]を参照するための構文に使われています。
しかしながら[CH[%]]は普通の[[ファイル名]]に使える[[文字]]でもあります。

[39] 
[CH[:]] は[[ドライブ名]]や[[代替データストリーム]]名の区切りに使われますので、
[[ファイル名]]自体には使えません。

[38] 
[[Windows]] では[[ファイル名]]が1文字のとき、[[ドライブ名]]と曖昧になることがあります。
[[絶対パス]]にするか、 [CODE[.\]] を前につけて回避できます。

[7] [[Unix]] 同様に [CODE[.]] や [CODE[..]] を[[ディレクトリー名]]として使えます。
[[Windows 95]] 以降、[[アプリケーション]]によっては [CODE[...]] など [CODE[.]] を更に加えて上位階層を表すことができます。

[31] 
[[Windows]] の[[エクスプローラー]]は [CH[.]] から始まる[[ファイル名]]に変更することを受け付けません。
[[Windows]] として禁止しているわけではないので、他の方法で作ることはできますし、
[[エクスプローラー]]も[[ファイル名]]変更以外は通常の[[ファイル名]]のように扱えます。

;; [42] [[Unix]] ではしばしば使われるので、 [[Unix]] とのやり取りがある場合や
[[Unix]] から移植された系のソフトウェアでたまに問題となります。

[41] 
[CH[.]] や[[空白]]で終わる[[ファイル名]]は[[ファイルシステム]]によっては使えません。
[SRC[>>40]]

[REFS[

- [40] 
[CITE@ja-jp[ファイル、パス、名前空間の名前付け - Win32 apps | Microsoft Learn]], [[alvinashcraft]], [TIME[2024-02-29T15:44:19.000Z]], [TIME[2024-07-07T08:28:30.666Z]] <https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/fileio/naming-a-file?redirectedfrom=MSDN>

]REFS]

* アプリケーション依存の特別なファイル名

[6] [[RCS]] は元の[[ファイル名]]に [CODE[,v]]
をつけた[[ファイル名]]を[[バージョン管理]]に使います。

[44] [[CVS]]: [CODE[CVS/]],
[[Subversion]]: [CODE[.svn/]],
[[Mercurial]]: [CODE[.hg/]],
[[Bazaar]]: [CODE[.bzr/]],
[[Fossil]]: [CODE[.fslckout/]], [CODE[_FOSSIL_]],
[[Plastic SCM]]: [CODE[.plastic/]]

[47] 
[[WebDAV]] 用 : [CODE[.DAV/]]

[10] [[ZIPファイル]]内: [CODE[META-INF/]], [CODE[__MACOSX/]]

[11] [[HTTP(S) URL]]: [[特別なHTTP(S) URL]], [CODE[/.well-known/]]

[17] [[アプリケーション]]や[[ライブラリー]]の[[パッケージ]]: [[ファイル配置]]

[45] [[bash]]: [CODE[/dev/tcp]]

[49] [CODE[wget]] : [CODE[.listing]]

* ファイル名安全性

[32] [[ファイル名]]として特別な意味を持たないような[[文字列]](片)のことを[DFN[ファイル名安全]]であるということがあります。

[34] 本記事各項からわかるように、[[ファイル名安全]]といえる条件は[[プラットフォーム]]によっても、
[[応用]]によっても異なります。

[35] [[URL安全]]とも微妙に要件が異なります。

[33] 関連:
[[識別子文字]], [[URL安全]],
[[ファイル名の文字コード]]

* 関連

[SEE[ [[ファイル名の文字コード]] ]]

[SEE[ [[拡張子]] ]]

[SEE[ [[file:]], [[識別子文字]] ]]

* メモ

[48] 
[CITE[Special filenames]]
( ([TIME[2011-03-01 18:26:29 +09:00]] 版))
<http://www.cygwin.com/cygwin-ug-net/using-specialnames.html>

[10] [CITE@ja[UNIXの部屋 コマンド検索:ファイル制限まとめ (*BSD/Linux)]]
([TIME[2013-01-23 16:20:02 +09:00]] 版)
<http://x68000.q-e-d.net/~68user/unix/pickup?%A5%D5%A5%A1%A5%A4%A5%EB%C0%A9%B8%C2%A4%DE%A4%C8%A4%E1>

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