[6] バイトと併用される倍数接頭辞には、幾つかの流儀があります。
一番よく使われているのは、 1 KB (キロ・バイト) = 1024 B = 210 B とする方法です。ビットの2進性を中心に考えると自然な方法です。
しかし、これは SI の流儀 (k (キロ) = 1000 = 103) とは一致しません。日常的 (10進的) 感覚からすると 1024 という数は中途半端な感じがしますし、計算も面倒です。 (例えば 100,000 バイトは 100 キロ・バイトではありません。) この方法はハード・ディスクの製品案内などでよく使われます。
この問題を解決するための幾つかの提案があります。 まず、 KB の K と kg の k (SI のキロ) を別のものとしてしまうというものです。 この流儀の人の中には、 KB を「ケー・バイト」, MB を「エム・バイト」のように読むべきだと言う人もいます。 (但しこの考え方は古めのもので、現在では廃れた感があります。)
しかしこの方法には致命的な欠点があります。 K と k は区別できても、それ以上の単位, M や G は区別できません。 SI が既に大文字ですし、 SI には m (ミリ) や g (グラム) が存在しますから、どうにもなりません。
他の回避法として、バイト系の接頭辞に i をつける方法と、 接頭辞を二重にする方法があります。前者では KiB, MiB, GiB (ギビ・バイト)、後者では KKB (大キロ・ バイト), MMB, TTB のような単位になります。
しかし、これらの回避法はいずれも普及したものではありません。 普及する見通しも今のところありません。 今後も 103 系と 210 系の単位による混乱は続くでしょう。
[7] kbps / Mbps / Gbps は 103 系。
[8] KB/s / MB/s / GB/s は諸説ある。
[1] RFC 3028 - Sieve: A Mail Filtering Language, , https://tools.ietf.org/html/rfc3028#section-2.4.1
[2] RFC Errata Report » RFC Editor, https://www.rfc-editor.org/errata_search.php?rfc=3028
[9] 点訳校正委員会報告, , http://www.shichocenter.kagoshima.kagoshima.jp/tennyaku_kosei.bak#20130609
② k (キロ) と K (ケー) 大文字と小文字で表記を分けます。
1バイトが1024集まると1Kバイト(1024B = 1KB)です。人間の世界でもk(キロ)は千を表わす単位で日常で使用しています。 コンピュータの世界は2進数なので(1,2,4,8,32,64,128,256,512,1024)
1K (2の10乗 = 1,024)バイト
1k (10の3乗 = 1,000)
表記上大文字のK (2の10乗)と小文字のk (10の3乗)で書き分けます。小文字のk と識別するためにK を「キロ」ではなく「ケー」と発音することもあるそうです。