桜が散ったら急に気温が高くなってきましね。どうも、いづやん( @izuyan )です。
五島列島旅の第二十七回をお送りします。無人島である野崎島、そこに今も建ち続ける「旧野首教会」を見るという旅の大きな目標は達成されたわけですが、まだ島を離れるまでは時間があります。
無人島にダム?
「旧野首教会」の撮影と見学を済ませて、さらに島の西側に向かいます。斜面を登って道を進むと、海が見えてきたと思いました。が、最初に見えてくるのは大きな池です。これ、実はれっきとした「ダム」なのです。
無人島にダム・・・? まあそう思いますよね。僕も思いました。
しかもこのダム、島が無人になってから作られたものだそうです。それって無駄では?と思いたいところですが、このダムの水は海底の送水管を通ってお隣の有人島、小値賀島の農業かんがい用水として使われているそうです。
喫茶タートルのトムさんにちらっとお聞きした、島に来る移住者は農業従事者が多い、ということとも無関係ではないでしょう。水資源確保はどの島でも重要な課題だからです。
それにしても、やはり知らないと島でいきなりダムが現れたら面食らいます。ダムのすぐ向こうには海が見えるのもまた不思議です。
海側の斜面には土砂流出を防ぐためか、ネットのようなものが敷かれていました。
ダムの横を回って、下り坂を行くと「野首港」にたどり着きます。船が着いた野崎港より新しい係接岸のようです。後で聞けばチャーター船が時おり泊まることもあるそうです。休憩所もあったりして、ここだけ見ると無人島には見えません。
「こんなところまでキュウシュウジカが!」と思ったら、ただのモニュメントでした。
日の光が海の底に届いて、目がさめるような景色が広がっています。夏場だったら確実に泳ぎたくなる海です。
海を前に残されたキリシタン墓地跡
その場で国土地理院の地図を見ると、この野首港周辺にもかつては建物があったようですが、おそらくダム建設の時に撤去されたのでしょう。往時のことを伝えるものは何もないように思えました。
と、海から山の方に顔を向けると、海岸そばの灌木の中に石の十字架が立っているのが目に入りました。
「キリシタンの墓だ・・・」
思わずつぶやいてしまいます。
よくよく見ると、その周りにも灌木に覆い尽くされかけた墓石が見え隠れしています。浮足立った足取りで近づこうとしますが、灌木