[17] 
[DFN[代替ルート]] ([DFN[alternative root]], [DFN[alternate root]])
は、
[[インターネット]]に於ける正式な [[TLD]] 以外の独自の [[TLD]]
を含む[[ドメイン名]]の体系です。

[18] 
原義はそのような[[ルートサーバー]]を提供するサービスを指すものと考えられますが、
本記事および関連記事では [[DNSサーバー]]提供の有無など[[プロトコル]]的外形に関わらず、
[[ICANN]] の管理する[[インターネット]]の正式な[[ドメイン名]]の体系から外れた[[ドメイン名]]の体系を提供するもの全般を指すものとします。
ただし[[内部名]]等もっぱら特定組織内等に限って使われるものはこれに含めません。

* 概要

[19] 
[[インターネット]]で標準的に使われる[[ドメイン名]]が使えないと不便で実用に供せないので、
[[代替ルート]]サービスは普通は [[ICANN]] 管理下の [[TLD]] もそのまま丸ごと受け入れています。

[20] 
それに加えて[[代替ルート]]サービスが独自の基準で定めた独自の [[TLD]]
が1つ[[以上]]提供されます。
そのような [[TLD]] の名前は [[ICANN]] の [[gTLD]] や [[ccTLD]] の基準に合致する
[WEAK[(= 将来的に正式な [[TLD]] として使われるリスクがある)]]
ものも多いですが、
そうでない
[WEAK[(≒ [[ICANN]] が使うべきでないと判断した、実用には何らかのリスクがある)]]
ものもあります。

[21] 
他の[[代替ルート]]の [[TLD]] を取り込んで利用可能としている[[代替ルート]]もあります。

* 実例

[7] 
[FIG(list)[
- [[Cesidian Root]]
- [CITE@en[new-nations]] ([TIME[2016-09-04 14:33:31 +09:00]]) <http://www.new-nations.net/>
- [[Handshake]]
- [[Unstoppable Domains]]
- [[i-DNS.net]]

]FIG]

[11] 
単体の非標準の [[TLD]] は [[TLD]] 参照。

* セキュリティー

[8] [[代替ルート]]は [[PSL]] でカバーされていないので、
[[Web]] では[[セキュリティー]]の問題が起こる可能性があります。

;; [[PSL]] 参照。

* ドメイン名利用権

[12] [[ICANN]] 管理下の[[ドメイン名]]が[[知的財産権]]等に関わる係争等で各国の法体系下で一定の地位を確認されているのに対し、
[[代替ルート]]管理下の[[ドメイン名]]の利用権限の法的地位は明確でないことには、
注意が必要です。

[13] 
[[代替ルート]]やそれに類する独自の[[ドメイン名]]の管理団体等を称する組織が[[ドメイン名]]の管理権を他者に付与したり、
販売したりすることがあります。しかし、その有効性は当該組織以外において保証されないものと考えておくべきです。

[14] 
例えば[[代替ルート]]が勝手に創設した [[TLD]] と同名の [[TLD]] の登録を後から [[ICANN]]
が承認したとしても、その[[代替ルート]]の利用者の[[ドメイン名]]の利用権を
[[ICANN]] 管理下 [[TLD]] の管理組織が承認するとは限らない (むしろ承認しない可能性の方が高い)
ので、[[代替ルート]]側組織への代金支払いは無駄になります。
それどころか [[ICANN]] 管理下の正規[[ドメイン名]]購入者から、
不正な利用として追求を受けるリスクすら生じます。

[16] 
こうした危険性を説明しないまま[[代替ルート]]やそれに類する機構に属する[[ドメイン名]]を販売する行為は、
[[詐欺]]等の犯罪を構成する可能性も排除できないため、注意が必要です。


[15] 
[[月の土地]]も参照。

* 大規模な特定組織内ドメイン名

[2] [[インターネット]]の [[DNS]] [[ドメイン名]]体系の代替として世界規模で展開するいわゆる[[代替ルート]]の他に、
企業内ネットワーク等比較的小規模な範囲で通常の[[ドメイン名]]と競合しない[[ドメイン名]]もあります。

[22] 
その中間として [[NTT]] の[[地域IP網]]でのみ提供される [CODE[[[.flets]]]] のような
[[TLD]] もあります。

[23] 
[[ICANN]] の[[ドメイン名]]の体系に挑戦するいわゆる[[代替ルート]]とは違って、
特定の目的のため、特定の[[網]]内に限って供用され、 [[ICANN]] 
の[[ドメイン名]]の体系とは平和的に共存可能なものではあるのでしょうが、
[[フレッツ]]網のように大規模に展開されるものだと、
まったく私的なものとも無視できない可能性があります。


[24] 
セキュリティー等[[代替ルート]]の問題点の一部または全部はこうしたものにも当てはまることがあります。

[25] 
正式な[[ドメイン名]]との名前の衝突の危険性も、例えば [CODE[.flets]] 
ほどはっきりと有名製品名になっているものならそれほど可能性は高くないのでしょうが、
皆無ではありませんし、[[一般名詞]]を使ったものなどは危険性が高まります。

[26] 
現在なら新規 [[gTLD]] の創設は大企業ならそう難しくないので、
こうした使い方がしたいならはじめから正式に [[gTLD]]
を取得してしまうのがいいのでしょうね。

[27] 
それが難しいのなら長くなっても何階層かの正式な[[ドメイン名]]を使うか、
一般の[[利用者]]の目に触れないような組織内部だけの利用に留めておくかが無難でしょう。


[3] 関連: [[内部名]], [[特殊ドメイン名]]


* 関連

[SEE[ [[TLD]] ]]

[10] 
[[創作世界]], [[マイクロネーション]]などの活動で実在しない [[TLD]] 
が世界観設定として設けられることがあります。
(その中には [[alternate root]] によって具現化されたものもあります。)

* メモ

[1] [CITE@ja[オルタネートルート - Wikipedia]]
([TIME[2015-03-04 10:29:10 +09:00]] 版)
<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88>


[4] [CITE@en[RFC 2826 - IAB Technical Comment on the Unique DNS Root]]
([TIME[2015-03-08 19:18:05 +09:00]] 版)
<http://tools.ietf.org/html/rfc2826>

[9] [CITE[RFC Errata Report » RFC Editor]], [TIME[2021-04-12T11:05:55.000Z]] <https://www.rfc-editor.org/errata_search.php?rfc=2826>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[5] [CITE@ja[独自のトップレベル・ドメイン販売に協力者現わる « WIRED.jp]]
([TIME[2015-07-24 20:08:22 +09:00]] 版)
<http://wired.jp/2001/03/07/%E7%8B%AC%E8%87%AA%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%81%AB%E5%8D%94%E5%8A%9B%E8%80%85%E7%8F%BE%E3%82%8F/>
]FIGCAPTION]

> 米ニュー・ネット社は独自にトップレベル・ドメインを提供することで、新しい需要に対処しきれていないICANNに闘いを挑もうとしているが、この計画に米MP3コム社、米エキサイト・アットホーム社、米アースリンク社が協力することになった。ニュー・ネット社は今後、アルファベット以外のドメインも扱う意向だ。

]FIG]


[6] ([TIME[2015-09-22 18:00:36 +09:00]] 版)
<https://www.icann.org/en/system/files/files/alt-tlds-roots-report-31mar06-en.pdf>