* 用例

** [CITE[佐佐木状]]

[30] 
[CITE[佐佐木状]]
は、
[[佐々木四郎高綱]]発給文書の形式で記載された[[往来物]]です。


[ITEMS[ [[日時事例]]

- [14] [DATA(.label)[[CITE[佐々木状絵抄]]]]
-- [15] 
[DATA(.text)[良王元年]]
[SRC[>>13]]
- [17] [DATA(.label)[[[東書文庫]]所蔵[CITE[佐々木状]]刊本]]
-- [46] >>16 : カラー写真 (高解像度)
-- [18] 
「[V[[SNIP[]][DATA(.text)[[RUBY[良][りやう]][RUBY[王][わう]][RUBY[元][くわん]][RUBY[年][ねん]][OKURI[の]][RUBY[頃][ころ]]]][SNIP[]]]]」
[SRC[>>46]]
- [21] [DATA(.label)[[[東書文庫]]所蔵[CITE[佐々木状絵抄]]刊本]]
-- [45] >>19 : カラー写真 (高解像度)
-- [20] 
「[V[[SNIP[]][DATA(.text)[[RUBY[良][りやう]][RUBY[王][わう]][RUBY[元][くわん]][RUBY[年][ねん]][OKURI[の]][RUBY[頃][ころ]]]][SNIP[]]]]」
[SRC[>>45]]
- [23] 
[DATA(.label)[[CITE[覚書新版 佐々木状絵抄]] [[文化]]頃刊本]]
-- [24] 
「[V[[SNIP[]][DATA(.text)[良王元年頃]][SNIP[]]]]」 
[SRC[>>22]]
- [41] [DATA(.label)[[CITE[[LINES(smaller)[頭書][新刻]]佐々木状絵抄本]]]]
-- [43] >>1 : 白黒写真 (解像度中の下)
-- [42] 
「[V[[SNIP[]][DATA(.text)[[RUBY[良][りやう]][RUBY[王][わう]][RUBY[元][くわん]][RUBY[年][ねん]][OKURI[の]][RUBY[頃][ころ]]]][SNIP[]]]]」
[SRC[>>43]]
--- [44] 
「[V[[SNIP[]][DATA(.text)[[RUBY[良][りやう]][RUBY[王][わう]][RUBY[元][ぐわん]][RUBY[年][ねん]][OKURI[の]][RUBY[頃][ころ]]]][SNIP[]]]]」
[SRC[>>1]]
--- [4] 
[DATA(.text)[良應一年]]
[SRC[>>1]]
- [48] [DATA(.label)[[CITE[往来物落穂集]]所収[CITE[佐々木状]]]]
-- [49] 
「[V[[SNIP[]][DATA(.text)[良王元年頃]]、[SNIP[]]]]」 ([[明朝体]])
[SRC[>>47]]

]ITEMS]

[29] 
[[令和時代]]に至るまで、[[私年号研究]]の文脈で紹介した事例は見当たりません。

[REFS[

- [16] 
[CITE@ja[国書データベース]], [TIME[2026-08-28T09:26:06.000Z]] <https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100266748/3?ln=ja>
- [19] 
[CITE@ja[国書データベース]], [TIME[2026-08-28T09:34:48.000Z]] <https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100266749/3?ln=ja>
- [47] 
[CITE@ja-JP[[[往来物落穂集]] 上巻]], [[石川謙]], [TIME[1927]], [TIME[2026-08-18T01:13:52.000Z]], [TIME[2026-08-28T11:33:16.653Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/1915413/1/149?keyword=%E8%89%AF%E7%8E%8B> (要登録)
- [22] 
[CITE@ja[Facebook]], [TIME[2026-08-28T09:40:43.000Z]] <https://www.facebook.com/gyokueido1/photos/%E5%95%86%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B%E8%A6%9A%E6%9B%B8%E6%96%B0%E7%89%88-%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E7%8A%B6%E7%B5%B5%E6%8A%84%E6%96%87%E5%8C%96%E9%A0%83%E5%88%8A5%E6%9E%9A%E8%A1%A8%E4%BA%8C%E8%A1%A8%E4%B8%89%E5%85%B1-%E8%A1%A8%E4%BA%8C%E3%81%AB%E5%9B%B3%E6%9C%AC%E6%96%87%E4%B8%8A%E9%83%A8%E3%81%AB%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%88-%E5%86%85%E9%A1%8C%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E7%8A%B6-%E5%8E%9F%E8%A1%A8%E7%B4%99-%E5%8E%9F%E9%A1%8C%E7%B0%BD%E8%A6%9A%E6%9B%B8%E6%96%B0%E7%89%88-%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E7%8A%B6%E7%B5%B5%E6%8A%84-255155%E7%B3%8E-%E6%8B%B5%E5%B8%99%E5%85%A5-%E3%82%B7%E3%83%9F/1414355917170636/>


]REFS]

* 諸説

[32] 
[[良王]], [[良応]]の用例として現在知られているものは、
明らかに[[貞応]]の誤りと思われるもの数点を除くと、
[CITE[佐々木状]]
の系統のもののみとなります。

[33] 
[CITE[佐々木状]]の諸本は「良王元年」とするものが多いようですが、「良応一年」
とするものもあるといわれます。ただ、その「良應一年」との解説がある同じ書籍が本編では
「良王元年」と表記していて、どこから「良應一年」が出てきたのかは謎です。

[34] 
同書は[[往来物]]であり、史実的な意味で実在が確認されている文献ではありません。
その内容も登場人物と出来事の関係に史実と齟齬があります。
元来の著者の意図や受容した人々の受け止めはわかりませんが、
少なくても現在伝わる態様は、史実性よりも娯楽性が重視された[[媒体]]であることが明らかです。

[31] 
そこで使われる「良王」ないし「良応」なる[[元号]]がいかなる性格のものなのかは明らかではありません。

[35] 
これらに明示的に言及したものは多くないようですが、知られている限りではいずれも[[架空の元号]]と断定しています。

[36] 
ただ、一応登場人物は実在の人物ですし、記述される事件も史実を模型にしたものに見えます。
[[元号]]だけがまったくの架空というのも不審に思われます。
何らかの実在の[[公年号]]が伝写を経て変質した可能性も否定できないところです。

[37] 
しかしながら、登場人物の活動時期である[[鎌倉時代]]初期頃の[[公年号]]で、
[[字形]]や[[音]]が「良王」ないし「良応」と似たものは見当たりません。

[40] 
[[良応]]は[[貞応]]の誤りとして出現することがあり、時代も[[鎌倉時代]]でありそこまで場違いというほどではないのですが、
少々時代の隔たりがあって、それ以外の[CITE[佐々木状]]の史実との不整合を勘案してもなお、
[[貞応]]を原形とするには不自然すぎます。

[38] 
一方、この場限りの[[架空の元号]]だとして、
それがここで用いられるのはどういう意味があるのか、
「良王」ないし「良応」とはどういう意味の[[元号名]]なのか、
といった事項はこれまで議論されていないようです。

[39] 
[CITE[佐々木状]]は[[架空の元号]]がなければ成立しないような[[物語]]でもありませんし、
ここで「良い王」などの意味を込める必然性も自明でなく、何らかの説明が必要と思われます。

* 研究史

[6] 
[TIME[昭和45(1970)年][1970]]の書籍は、
>>41
を紹介して、
[CSECTION[[V[解説]]]]で
>>4
に
「[V[こんな年号はない。架空のもの]]」 ([[明朝体]])
と注釈しています。
[SRC[>>1]]

[5] >>4 の「良應一年」は >>41 の「良王元年」と一致していませんが、
誤植にしては不審で、謎です。

[REFS[

-
[1] 
[CITE@ja-JP[日本教科書大系 往来編 第11巻 (歴史)]], [[石川謙, 石川松太郎]], [TIME[1970]], [TIME[2026-08-18T01:13:52.000Z]], [TIME[2026-08-28T11:36:21.362Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/9546010/1/40?page=left&keyword=%E8%89%AF%E5%BF%9C+%E8%89%AF%E7%8E%8B> (要登録)

]REFS]

-*-*-

[26]
[TIME[平成12(2000)年][2000]]出版
[CITE[往来物解題辞典]]
の[[母利司朗]]執筆記事は、
>>14
について、
[[良王元年]]を[[架空の時代]]と断定しています。
[SRC[>>13]]


[REFS[

- [25] 
[CITE[往来物解題]], [TIME[2026-08-28T09:44:41.000Z]], [TIME[2002-10-02T08:50:33.326Z]] <https://web.archive.org/web/20021002084958/http://www.bekkoame.ne.jp/ha/a_r/B40.htm>
--
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[13] 
[CITE[往来物解題・さ行]], [TIME[2026-08-28T09:24:03.000Z]], [TIME[2002-10-16T03:47:04.008Z]] <https://web.archive.org/web/20021016033157/http://www.bekkoame.ne.jp/ha/a_r/B4sa.htm>
]FIGCAPTION]

>◆ささきじょうえしょう [1310] 
>〈頭書新刻〉佐々木状絵抄  【作者】不明。【年代】江戸後期刊。[仙台]伊勢屋半右衛門板。【分類】歴史科。【概要】異称『〈新板〉佐々木絵抄』『佐々木状』『高綱状』。大本一冊。連判五三人を添え、佐々木四郎高綱が、源頼朝に梶原景時の弾劫を願った古状形式の往来で、竹生島で那須与市宗高を殺害しようとした謀略の発覚を恐れた八谷定国が、舅の梶原景時を頼み、頼朝に讒言を図ったことに対する書状形式をとる。事件の年代を「良王元年」頃と架空の時代に設定するのが特徴。上部四分一ほどに掲げた一四葉の挿絵は書状の内容を絵解き風に表現したものである。本文を大字・五行・付訓で記す。〔母利〕
]FIG]

]REFS]


* 関連

[SEE[ [[前近代日本文芸の日時]], [[偽文書元号]] ]]

** 貞応とみられる用例

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [7] [DATA(.label)[[CITE[救世]]]]
-- [8] 
「[V[[SNIP[]][RUBY[良][りや]][RUBY[應][うおう]][RUBY[元][ぐわん]][RUBY[年][ねん]][RUBY[壬][じん]][RUBY[午][ご]]の[RUBY[歳][とし]]に[RUBY[生][うま]]れ[BR[]]て[RUBY[弘][こう]][RUBY[安][あん]]五[RUBY[年][ねん]][RUBY[壬][じん]][RUBY[午][ご]]の[RUBY[歳][とし]]に[RUBY[死][し]]せる[RUBY[日][にち]][RUBY[蓮󠄄][れん]]たゞ[RUBY[一][ひと]][RUBY[人][り]]、[SNIP[]]]]」
([[明朝体]])
[SRC[>>3]]

]ITEMS]

[9] [TIME[貞応元(1222)年壬午][1222]]。

[REFS[

-
[3] [CITE@ja-JP[浪六傑作大集]], [[村上浪六]], [TIME[昭和13][1938]], [TIME[2025-09-30T02:09:54.000Z]], [TIME[2025-10-16T09:51:07.232Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/1028969/1/242?keyword=%E8%89%AF%E5%BF%9C%E5%85%83%E5%B9%B4> (要登録)

]REFS]

-*-*-

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [11] [CITE(.label)[四国縦貫自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告]]
-- [12] 
「[L[良応元年 (1222年) [SNIP[]]]]」 ([[明朝体]])
[SRC[>>1]]

]ITEMS]

[10] 明らかに[[貞応]]の誤り。

[REFS[

-
[2] [CITE@ja-JP[四国縦貫自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告 8]], [[徳島県埋蔵文化財センター]], [TIME[1994.10][1994]], [TIME[2025-09-30T02:09:54.000Z]], [TIME[2025-10-16T09:49:18.953Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/13247093/1/21?keyword=%E8%89%AF%E5%BF%9C%E5%85%83%E5%B9%B4> (要登録)

]REFS]

-*-*-

[28] 
[[私年号研究]]の文脈でこれらを紹介した事例は見当たりません。

[27] 
なお[[国立国会図書館デジタルコレクション]]で「良応」で検索すると、
[[貞応]]の[[OCR]]誤認識が大量に見つかります。



* メモ