[1] [[旧暦]]というと[[改暦]]前の[[暦]]、
[[日本]]の場合は[[明治改暦]]以前の[[暦]]を指すのが普通なのですが、
俗にそうでないものを[[旧暦]]と呼ぶ事例も散見されます。

* 旧暦

[9] 明治5年まで[[日本]]で用いられていた[[暦]]と、その[[暦法]]を活用し現在まで使われ続けている[[暦]]のことを、
[[旧暦]]といいます。
[[日本]]で通常[[旧暦]]といったときにはこれを意味します。
[SEE[ [[旧暦]] ]]

* 月の和名

[11] 
[[月の和名]]やその他の[[異名][月名]]を俗に[[旧暦]]ということがあります。
この用法は誤りです。
[SEE[ [[月の和名]] ]]

[12] [[月の和名]]は歴史上正式な[[月名]]となったことはありません。
昔から[[暦書]]の[[月名]]は[[月番号]]でした。
[[月の和名]]やその他の[[異名][月名]]は[[月番号]]と併用されてきました。
正式採用されたことも、廃止されたこともないので、
[[旧暦]]とは言い得ません。

[13] [[月の和名]]や他の異名は歴史的に (本来の意味の) [[旧暦]]と共に用いられてきたので、
その季節感に添っていて、新暦では違和感があるものもあります。
しかし[[月番号]]に基づく新暦への読み替えは[[明治時代]]に始まっていて、
既に100年以上の歴史があります。
従って[[月名]]と[[旧暦]]の結びつきは思っているほど強くもありません。

[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[25] 
[CITE@ja[和風月名の一覧を外国人向けに紹介! 意味や由来と併せてチェック! | WeXpats Guide(ウィーエクスパッツガイド)]], 
[[WeXpats]],
2023/01/18,
[TIME[2023-12-16T02:09:53.000Z]] <https://we-xpats.com/ja/guide/as/jp/detail/11288/>
]FIGCAPTION]

>和風月名は、日本の旧暦で使用されていた和風の月の呼び名です。1月は「睦月」、2月は「如月」のように、旧暦の各月を日本独自の名前で呼んでいました。和風月名は、四季折々の季節感を織り込んだ風情ある名称が多く、新暦になった現在も月の異称として用いられることがあります。ただし、和風月名は旧暦の月の名称なので、現在の季節感とは1ヶ月ほどのずれが生じることがあるので注意してください。

;; [26] この説明はぎりぎりセーフ? しかし知らない人に紹介する文章という観点で見ると、
ほぼ確実に誤解を招く。

>なお、旧暦は1~3月が春、4~6月が夏、7~9月が秋、10月~12月が冬です。現在の季節感との違いも含めてチェックしてみましょう。

;; [27] これも間違ったことはいっていないのだが、
暦の季節 (機械的に定義されたもの) と季節感 (気象と感覚により定まるもの)
を比較しているのを読者に理解させられるとは思えない (もしかすると筆者も認識していないのかも)。

]FIG]

]REFS]

* 二十四節気

[2] [[二十四節気]]のことを[[旧暦]]と呼ぶ人もいますが、[[国立天文台]]が毎年発行している現行の[[暦要項]]にも[[二十四節気]]は掲載されているのですから、'''旧'''暦とは言い難い。
[[旧暦]]に含まれていた、というのは間違ってはいないが。


** 二十四節気が廃止されたというデマ

[8] 
[[日本]]の[[二十四節気]]は、現行暦 ([CITE[暦要項]]) に正式に記載されています。
今まで廃止されたことは一度もありません。

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[6] [CITE@ja[中国も韓国も旧正月を祝うのに! 日本はなぜ祝わないの?=中国-サーチナ]]
( 2021-02-15 13:12 [TIME[2021-02-16T00:56:34.000Z]])
<http://news.searchina.net/id/1696858?page=1>
]FIGCAPTION]

> 中国メディアの百家号はこのほど、中国も韓国も旧正月を祝うのに、日本はいつから旧正月を祝わなくなったかと問いかける記事を掲載した。
> [SNIP[]]
> 立春や冬至などは太陽暦に合わせることはできないので、旧暦で計算していると伝えた。

]FIG]

[7] [[中華人民共和国]]にまで[[デマ]]が広まっているの?


* 節月年

[14] 
[[節月年]]の始まりと終わりを[[旧暦]]の[[年始]]、[[年末]]ということがあります。
例えば[[節分]]は[[旧暦]]の[[大晦日]]、[[春分]]を[[旧暦]]の[[元日]]ということがあります。
この用法は誤りです。
[SEE[ [[節月年]] ]]

[15] 
[[旧暦]]の体系において[[節月]]は重要な要素で、[[節分]]と[[新春]]も[[年]]の区切りの1つとして重要な意味を持っていたのは事実ですが、
[[旧暦年]]の区切りとは違います。



[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[28] [CITE@ja[きょう2月4日は立春 大神神社で豆まいて「福は山!」かけ声響き境内に活気 |奈良新聞デジタル]], 
2024.02.04,
[TIME[2024-02-06T06:07:06.000Z]] <https://www.nara-np.co.jp/news/20240204203854.html>
]FIGCAPTION]

>4日は二十四節気の一つ「立春」。旧暦では1年の始まり。諸説あるが3日の節分は「新しい年が来る前に厄を払おうと豆まきを行うようになった」といわれ、今も受け継がれ、各地でさまざまな催しが行われている。
]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[32] 
[CITE@ja[北斗星(2月3日付)|秋田魁新報電子版]], 
2024年2月3日 掲載,
[TIME[2024-02-06T06:16:28.000Z]] <https://www.sakigake.jp/news/article/20240203AK0013/>
]FIGCAPTION]

>きょうは節分。季節の分かれ目だ。元々は立春、立夏、立秋、立冬の前日を意味したが、旧暦では立春が一年の初めと考えられ、次第に立春の前日を指すようになった。季節の変わり目は悪鬼が出るとされ、「鬼は外、福は内」と豆をまいて鬼を払う行事が始まった由来という

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[33] 
[CITE@ja[節分 子どもたちが人工雪のゲレンデで豆まき 富士市|NHK 静岡県のニュース]], 
[[日本放送協会]], 
02月03日 16時04分,
[TIME[2024-02-03T10:22:31.000Z]], [TIME[2024-02-06T06:17:28.584Z]] <https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20240203/3030022903.html>
]FIGCAPTION]

>この催しは、富士市にある県営公園「富士山こどもの国」が、毎年行っているもので、人工雪で作ったゲレンデには親子連れなど約200人が集まりました。
>はじめに職員が節分の豆まきについて、旧暦では立春から新しい年が始まると考えられていたため、その前日に厄を払って新年を迎えるための行事として始まったことを説明しました。


]FIG]





-*-*-

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[29] 
[CITE@ja-JP[【月美容 如月】冬から春へ、ゆっくり体の準備を整えて。旧暦ビューティーDo&Don’t|ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)公式]], 
[[yurika hisatomi]],
公開日:2024/02/04,
[TIME[2024-02-06T06:09:53.000Z]] <https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/beauty-column/g46419591/lunar-calender-240202-hb/>
]FIGCAPTION]

>[B[ひさとみゆりか]]
>暦研究家。証券会社勤務時代に神社仏閣を担当したことから、旧暦を学ぶ。旧暦を軸とした、二十四節気、雑気、九星気学などの占いを発信するほか、金融占星術を得意とする。

>[B[旧暦でみる旧元日]]です。旧暦でみる1月1日。え?旧正月は立春じゃないの?と思われる人もいるかもしれないのですが、この日は旧元日。ややこしいのですが、旧暦はいまの新暦とは日付がずれていて、2024年でみるとこの日が1月1日にあたるのです。
>
旧正月は立春という二十四節季でみますが、これは太陽の動きをみているものなのでお月様のリズムとはぴったりあいません。たくさんの新年の考えかたが混乱するかもしれないのですが、とにもかくにも今年、[B[この日はスペシャルな新月]]]です。[B[甲辰という年の干支が重なる開運]]デー。この日はスイッチが入りやすい日。

]FIG]

[30] [[旧正月]]と[[旧暦]]正月を区別するという説。「暦研究家」らしいがこれはどの方面の説なんだ??


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[38] 
[CITE[2月4日から旧暦の新年が始まる!九星気学で占う『2月運勢ランキング』を占いメディアのziredが発表 | NEWSCAST]], 
2024-02-02 10:20,
[TIME[2024-02-06T06:26:14.000Z]] <https://newscast.jp/news/0734288>
]FIGCAPTION]

>
[B[九星気学では旧暦のため2月4日から新しい年]]
>
旧暦を参考とする九星気学では、2月4日から新しい年が幕を開けます。当然運勢も、この日を境にトレンドが変化していくのです。なお、2月のくくりは2月4日~3月4日)までがひとくくり。運勢も今後、この旧暦での1ヶ月単位で見ていく必要があるんです。
]FIG]

[39] 
[[九星気学]]とやらのいう[[旧暦]]は[[節月]]のことらしい。

-*-*-

[40] [CITE@ja[Xユーザーの暦生活さん: 「「立春(りっしゅん)」は春の始まり。 旧暦(節切り)では、立春を迎える日が一年の始まりとされました。木々が少しずつ芽吹き、どこか春の気配が感じらるようになります。 「春立つ」などと共に、春の代表的な季語。 ▼二十四節気の立春をわかりやすくご紹介します♪ https://t.co/6wUp504Hj2」 / X]], [TIME[午後9:00 · 2024年2月6日][2024-02-06T12:00:01.000Z]], [TIME[2024-02-10T02:18:18.000Z]] <https://twitter.com/543life/status/1754837348376862909>

[41] 
「旧暦 (節切り)」では立春が1年の始まり。これなら間違ったことはいっていない。
が、今度は[[節切り]]は[[旧暦]]なのか?という疑問が。

[42] 
[[節切り]]の[[暦注]]はあっても[[節月]]は[[旧暦]]の[[暦]]には書かれてないよね。
[[旧暦]]の一部を構成しているのだろうか。計算過程で使ってるから一部ではあるのかな。
暦注の説明で暦書に[[節切り]]って出てくることもあるかもしれないし。

[43] 
[[暦]]にも「正月節」とか書いてあって区切りになってるよね。てことは[[節切り]]も[[旧暦]]の暦に書かれてるという解釈もあり得るのかな??

[44] 
逆に[[節切り]]は現行暦を構成する一部であるのかないのかという疑問も出てくる。
[[二十四節気]]が現行暦にあるから[[節切り]]も現行暦を構成しているという主張もあり得る?
でも区切りには使われていないし[[節切り]]由来の[[暦注]]も載ってないしなあ。

-*-*-

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[31] 
[CITE@ja[楠原由祐子ブログ » 節分会(楠原)]], 
2024年2月04日,
[TIME[2024-02-06T06:15:29.000Z]] <https://www.abn-tv.co.jp/blog-kusuhara/%E7%AF%80%E5%88%86%E4%BC%9A%EF%BC%88%E6%A5%A0%E5%8E%9F%EF%BC%89/>
]FIGCAPTION]

>旧暦では節分が新年の始まりとされていました。
]FIG]


-*-*-

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[34] 
[CITE@ja[【旭川市】本年2月3日は旧暦でクリスマスイヴ。ショートケーキ210円の大感謝祭有。上川神社で福豆領布(みゃあ) - エキスパート - Yahoo!ニュース]], 
[[みゃあ]],
2/2(金) 18:00,
[TIME[2024-02-06T06:20:02.000Z]] <https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0e01ae4e1f4f984e274a036d0ef6ed91873f0ce8>
]FIGCAPTION]

>皆さん、節分の準備は整いましたか。節分は旧暦ではおおむね大晦日といわれていますね。また本年2024年2月3日は旧暦にもどすと12月24日になるそうです。旧暦ではありますが、そうクリスマスイヴとなるんです!
]FIG]


[35] 
[[クリスマスイブ]]は12月24日の同義語ではなくて[[グレゴリオ暦]]12月24日でないと意味がないわけで・・・でも[[ユリウス暦]]の12月24日ということもあるから、
[[旧暦]]の12月24日というのもありなのか・・・?

[36] 
という、別に正しいことではない、とわかった上で数字を楽しむのは別に悪いことではあるまい
(そこから変な[[デマ]]につながらない限りは)。

[37] 
あと、[[クリスマス]]は[[新年]]ではないけど[[欧米]]では実質的に年の切り替えみたいな扱いになっている、
というのが[[立春]]と[[旧正月]]の関係になんだか似ていて、
ほんなら[[立春]]の[[前日]]の[[節分]]が[[クリスマスイブ]]と比べられるのは案外当を得ているのでは、
とも思ったり。



* 月遅れ

[10] 
[[月遅れ]]のことを[[旧暦]]ということがあります。
本来[[旧暦]]ベースの行事を折衷案として[[月遅れ]]に移動したことから、
いつしか[[月遅れ]]と[[旧暦]]が混同されるようになったものです。
この用法は誤りです。
[SEE[ [[月遅れ]] ]]



* 干支年

[16] 稀に[[干支年]]が[[旧暦]]とされます [SRC[>>17]]。

[18] 
[[干支年]]が[[日本]]の現行暦を構成するかどうかはやや難しい問題を含んでいますが、
少なくても「旧暦」、既に廃止された古い制度というのは当たらないように思われます。

[19] 
[[干支年]]の地位は変動が多く、

- [20] [[明治改暦]]、すなわち明治6年に(通常の意味の)[[旧暦]]と共に[[公文書]]において廃止
[SEE[ [[日本における干支年併記の廃止]] ]]
- [21] 大正時代の[[神宮暦]]で併記が復活
- [22] [[GHQ]] の圧力により昭和21年[[神宮暦]]が停止されることになり、
かえて新設された[CITE[暦要項]]から[[干支]]の記載は消滅
- [23] 昭和21年に創設された[CITE[暦象年表]] ([CITE[理科年表]]の[[暦]]部)
には (おそらく初期から) [[干支年]]が記載され、令和6年版でも掲載継続中

と消えたり復活したりを繰り返しています。

[24] 
昭和後期に[[日本政府]]は[[干支年]]が現在[[日本国]]内で一般に通用する[[紀年法]]とはいえないという見解を表明したことがあります。
しかし[[令和改元]]の頃になっても、[[内閣総理大臣]]の年始の挨拶で[[干支年]]が使われたりもします。



[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[17] 
[CITE[日露戦争・東京五輪 時代を反映した出来事を紹介 2024年は旧暦「甲辰」【福井】 |FNNプライムオンライン]], 
[[福井テレビ]],
2023年12月15日 金曜 午後0:00,
[TIME[2023-12-16T01:44:03.000Z]] <https://www.fnn.jp/articles/-/630422>

]FIGCAPTION]

>来年2024年は旧暦の「甲辰」の年、その甲辰の年に起きた過去の出来事を振り返る企画展が、福井市立郷土歴史博物館で開かれています。
>
旧暦の干支は、十干と十二支の組み合わせで全部で60種類あり、来年は、十干では甲、十二支では辰で、「甲辰」の年となります。


]FIG]

]REFS]



* メモ

[3] [CITE@ja[Japanese Calendar | Timeless Edition]], [TIME[2021-06-03T00:49:33.000Z]], [TIME[2021-06-03T02:00:11.160Z]] <https://www.timeless-edition.com/japanese-calendar>

>
[BOX(center)[
日本の旧暦は、今のこよみと違って、月と太陽の動きを基本としています。自然の変化を敏感に感じ取っていた、昔ながらの日本人の感覚を知ることができます。旧暦を理解する上での基本を紹介しています。

[B[今の旧暦]]

[B[5/21 小満]]

約2週間ごとに変わります
]BOX]

[4] 
この「今の旧暦」(謎)を見ると[[二十四節気]]のことを[[旧暦]]と言っているようにみえます。

[5] 
しかしその後に続く
「旧暦を学ぶ」
には[[旧暦]]の[[暦法]]や[[暦注]]の解説が並んでいます。
[[二十四節気]]だけでなく、
[[雑節]]、
[[七曜]]、
[[六曜]]などが説明されています。
[[旧暦]]の[[暦本]]に書かれていた[[二十四節気]]や[[七用]]や[[雑節]]のような廃止されていない現行暦の要素や、
[[明治改暦]]後に普及した[[六曜]]まで含めて「旧暦」と呼んでいる不思議な語法です。
