* 天承 (日本公年号)

@@

* 天承 (日本中世)


[3] 
[CITE[図説いけばな体系]]
所収
[CSECTION[花書便覧]]
に掲げられた[[鹿王院]]蔵
[CITE[文阿弥花伝書]]
に、

>
綉谷庵文阿弥 天承元年五月十三日

とあります。
[SRC[>>1]]

[4] 
その次の
[CITE[立花雲乃上巻]]
にも天承とあります。
[SRC[>>1]]

[5] 
[[天承]]は[[日本の公年号]]にありますが、
天承元年は[TIME[西暦1131年][1131]]にあたります
([TIME[大治6(1131)年1月29日][kyuureki:1131-01-29]][[改元]])。

[6] 
しかし[[花伝書]]が12世紀初頭に出現するとは考えられません。 [SRC[>>1]]

[7] 
[[梁川町史]]は、
[[東山時代]]の[[私年号]]かとしています。
[SRC[>>1]]
[[文化史]]の[[時代区分]]の[[東山時代]]は普通[[足利義政]]の時代 (15世紀後半)
を指します。
[[華道]]の大家、初代[RUBYB[[[文阿弥]]][?-[TIME[1517]]]]の活動時期と他の著作等を勘案してこの時代と判断したのでしょう。


[10] 
この
[CITE[文阿弥花伝書]]
は現在も[[華道]]分野で紹介されることはあるものの、
詳しく研究されてないとのことです。
[SRC[>>9]]


[13] 
[CITE[文阿弥花伝書]]
には諸本あって、
[TIME[弘治2(1556)年][1556]]の奥書を持つ [SRC[>>12]]
とか[TIME[天文22(1554)年][1553]]だ [SRC[>>14]]
とかいわれています。
[[西教寺]]本[CITE[文阿弥花伝書]]奥書は[[文阿弥]]から数人を経て[TIME[天文5(1536)年][1536]]などの日付があります
[SRC[>>14]]。
それら[[鹿王院]]本以外の諸本にも「天承」があるのかは不明。

[15] 
[[東山時代]]、初代[[文阿弥]]の生存中の[[元号]]で「天承」に似ているのは「天文」
くらいです。
[TIME[天文元(1532)年][1532]]は[TIME[享禄5(1532)年7月29日][kyuureki:1532-07-29]]の[[改元]]で、
その転または誤だとすると2ヶ月の[[遡及年号]]になってしまいます。

;; [16] 似てるといっても1文字目が同じだけ、[[字形]]も[[字音]]も似ていないかな?
[[崩した字形][崩し字]]なら2文字目も似るかも?

;; [26] 
[[天正]]も時代と字形が似る可能性。



[2] 
作為ある異本が出てくるような[[カテゴリー][秘伝書の日時]]の文献なら、[[私年号]]よりまず[[偽書]](嘘日付)を疑ってみるべきかな?

[8] 
でも[[著者]]が[[文阿弥]]と明記してあるのに全然違う古い[[公年号]]を書いたりはしないかな。


[18] 
[TIME[令和3(2021)年][2021]]に[[華道]]界の人は、

- [22] 公年号天承元年の花伝書とは考え難い。
- [20] 5月13日は[[竹酔日]]で、関係する記述が巻3にあります。
- [21] 公年号天承元年には[[宇治]]で蟄居していた[[藤原忠実]]が[[鳥羽上皇]]に呼び戻された。
- [23] 竹の植え替えに良い[[竹酔日]]に因んで挿花の極意の伝授の日付にしたのかも。
- [24] [[宇治]]の宝蔵から[[紀貫之]]が「花の書」を見つける[[説話]]が巻3にあります。
それが天承元年5月13日卯の刻のことだったとあります。

と指摘しています
[SRC[>>17]]。

[25] どうにも繋がりに無理が感じられるところもありますが (特に >>21)、
[[紀貫之]]の件は年月日が完全に一致しているだけに無視できません。

[REFS[

-
[12] 
[CITE@ja-JP[[[藝能史研究]] = History of the performing arts (45)]], [[藝能史研究會]], [TIME[1974-04]], [TIME[2023-12-19T01:59:10.000Z]], [TIME[2023-12-23T12:34:49.395Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/6048911/1/5> (要登録)
-
[14] 
[CITE@ja-JP[時宗教学年報 6]], [[時宗教学研究所]], [TIME[1978-02]], [TIME[2023-12-19T01:59:10.000Z]], [TIME[2023-12-23T12:37:26.073Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/4424037/1/39> (要登録)
-
[1] [CITE@ja-JP[[[梁川町史]] 第10巻]], [[梁川町史編纂委員会]], [TIME[1994.3][1994]], [TIME[2023-12-19T01:59:10.000Z]], [TIME[2023-12-21T14:51:53.167Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/9644765/1/321> (要登録)

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[9] 
[CITE[テキスト2021年_.pdf]], [TIME[2023-12-23T12:18:50.000Z]] <https://jimdo-storage.global.ssl.fastly.net/file/6652e1ca-4ce4-4aae-b0ba-223a2a82dcc7/%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%882021%E5%B9%B4_.pdf#page=128>
]FIGCAPTION]

(古文献の写真: 低解像度で読み取れない)

>
[LEFT[
文阿弥花伝書と伝わるものは滋賀の西教寺[BR[]]
に 7 巻、九州国立博物館に残巻 1 巻、他に[BR[]]
もあり、鹿王院のものには天承元年(1131)[BR[]]
の日付がある。

『特別展 いけばな 歴史を彩る日本の美』図録より[BR[]]
(2009)p42-43
]LEFT]

]FIG]


- [11] 
[CITE[テキスト2021年_.pdf]], [TIME[2023-12-23T12:58:08.000Z]] <https://jimdo-storage.global.ssl.fastly.net/file/6652e1ca-4ce4-4aae-b0ba-223a2a82dcc7/%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%882021%E5%B9%B4_.pdf#page=142>
-- [19] 
[CSECTION[[V[花伝書を読む]]]],
[[[V[仙溪]]]]
--- [17] 
[CSECTION[[V[「[RUBY[文阿弥][もんあみ]]花伝書」の謎]]]]



]REFS]


[27] 
関連:
[[秘伝書の日時]]

* メモ
