[1] 
[DFN[大福]]は、[[日本の私年号]]とされる[[幽霊元号]]の1つです。

* 用例

[3] 
[[自然用例]]は見つかっていません。言及が1例だけ知られています。

[82] 
[[昭和時代]]の[[民俗学]]研究者[RUBYB[[[中山太郎]]][[TIME[1876]]-[TIME[1947]]]]は、
[[迷信]]に関する習俗として、
民間で招福のため勝手に[[改元]]する[[私年号]]というものがあるとして、
[[福徳]]の例を紹介しました。
[SEE[ [[鎌倉光明寺勅額]], [[福徳]] ]]
[SRC[>>443]]

;; [4] この解説は、[[取越正月]]との類似性に着目したもので、
[[昭和時代]]頃に[[民俗学]]方面で行われていた[[私年号]]の解釈です。
[SEE[ [[日本の私年号]] ]]

[2] 
そして、その他に[[弥勒]]元年や[[大福元年]]のような[[私年号]]が沢山あると述べました。
これらは名前だけで、具体的な用例その他の詳細は省いています。
[SRC[>>443]]


[85] 
[[中山太郎]]は名の知られた[[民俗学者]]で、莫大な量の文献の調査を基盤としていました。
しかし誤記や出典不明の記述も多いとも難じられています。
比較的詳しく触れている[[福徳]]も、出典の記載がありません。
[[弥勒]]や[[大福]]も、何らかの文献でそれまたはそれに近いものに触れただけで、
この分野の専門的な調査を独自に行ったものではなさそうです。

[7] 
[[大福]]は他に用例も言及も見当たりません。おそらく、
何らかの他の[[私年号]]を誤記ないし誤植したものでしょう。

[8] 
当時知られていた[[私年号]]で似た[[元号名]]のものがあるとしたら、
[[永福]]あたりが怪しいでしょうか。
ただ、
[[福徳]]や[[弥勒]]に比べると[[永福]]は用例も少なくマイナーです。

[9] 
「招福の吉兆」の[[民俗]]として紹介しているのですから、[CH[福]]という[[文字]]が使われた[[元号]]を選んだのでしょうか。


[REFS[

-
[443] 
[CITE@ja-JP[日本民俗学 〔第1-4〕 隨筆篇]], [[中山太郎]], [TIME[昭和6][1931]], [TIME[2025-12-18T02:09:35.000Z]], [TIME[2025-12-19T07:33:46.424Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/1449499/1/34?keyword=%E5%85%89%E6%98%8E%E5%AF%BA>

]REFS]

* 研究史

[10] 
[[私年号研究]]の文脈でも、[[民俗学]]の文脈でも、[[大福]]に言及したものは他に見当たりません。

* 大福 (天福)

[5] 
[[天福]]を [[OCR]] が誤読して[[大福]]になっていることがままよくあるようです。

[6] 
[CITE[国立国会図書館デジタルコレクション]]の [[OCR]] は優秀な方だとは思うのですが、
この事案に関しては、
ノイズもないわかりやすい[[明朝体]]の[CH[天]]であっても[CH[大]]と誤認することがよくあるみたいです。
[TIME[2025-12-25T08:17:44.900Z]]


* メモ
