[22] 
[DFN[寿保]]は、[[日本の私年号]]の1つです。

* 用例

** 大和国の用例

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [2] [DATA(.label)[[DATA(.addr)[[[日本国]][[奈良県]][[桜井市]][[笠区]]]] 書写経]]
-- [3] [DATA(.label)[巻第四百九 書写奥書]] (本文同筆)
「[V[[DATA(.text)[壽保二𭘾六月十八日]]奉結縁僧永芳]]」 ([[楷書]])
[SRC[>>33]]
--- [7] >>33 /64 白黒写真 (中解像度)
--- [9] >>8 /301 書誌情報

]ITEMS]

[4] 
この書写經は、[[鎌倉時代]]中期のものと推定されています。
巻181の奥書に[TIME[建長4(1252)年6月3日][kyuureki:1252-06-03]]の[[延玄]]による[[校合]]の記録があります。
[[奈良県]]内のいくつかの寺社に分散して所蔵されている一部と考えられています。
[SRC[>>33]]

[18] 
令和8年4月現在、 >>8 は[[国立国会図書館デジタルコレクション]]の全文検索が不完全なので、
目視で一部を確認して検出できたものに限られますが、 >>3 と同系統の可能性があり、
しかも[[日付]]の入った[[奥書]]があるものは、他に次のものがあります。

- [12] >>8 /125 巻第四十三 建長3年辛亥6月23日 延玄(校) (十輪寺所蔵)
- [15] >>8 /215 巻第九十一 暦仁2年己亥1月19日 沙門長円(本文同筆) (夜支布山口神社所蔵)
- [6] >>33 /64, >>8 /295 巻第百八十一 建長4年壬子6月3日 延玄(校)
- [5] >>33 /57, >>8 /144 巻第五百十二 建長7年乙卯9月4日 延玄(校) (十輪寺所蔵)
- [16] >>8 /227 (巻五百三十五に添付) 建長4年壬子10月1日 延玄(校) (夜支布山口神社所蔵)
- [17] >>8 /228 (巻五百六十七に添付) 建長4年壬子10月4日 延玄(校) (夜支布山口神社所蔵)
- [13] >>8 /147 巻五百八十三 建長7年乙卯10月3日 延玄(校) (十輪寺所蔵)
- [14] >>8 /148 巻五百九十五 建長7年乙卯10月6日 延玄(校) (十輪寺所蔵)

[19] 
これら (とその他) を見ると、現存する巻が一部に過ぎないこと、
日付入奥書はその更に一部であること、
[[延玄]]の校合奥書があるものは少ないこと、
書写者の奥書があるものは更に少ないこと、
[[延玄]]の奥書と書写者の奥書の両方があるものは見当たらないこと、
がわかります。

[20] 
[[延玄]]の[[校合]]は、巻数の小さいものから順に[[建長]]年間に行われえていることがわかります。

[21] 
ところが >>15 は[[暦仁]]の書写奥書で、[[延玄]]の時系列と矛盾します。
この巻は他の系統に属するものなのか、あるいは[[延玄]]の校合と書写は別の時間軸で行われたのか。
こうした事例がある以上、 >>3 を単純に[[延玄]]の時系列に当てはめるわけにはいきません。

[REFS[

- [33] [CITE@ja-JP[[[奈良県大般若経調査報告書]] 1 /本文篇]], [[奈良県教育委員会事務局文化財保存課]], [TIME[1992.3.][1992-03]], [TIME[2025-02-25T01:55:51.000Z]], [TIME[2025-03-23T05:43:10.334Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/12748404/1/32?keyword=%E7%A7%81%E5%B9%B4%E5%8F%B7> (要登録)
- [8] 
[CITE@ja-JP[奈良県大般若経調査報告書 1 /資料編 1]], [[奈良県教育委員会事務局文化財保存課]], [TIME[1992.3.][1992-03]], [TIME[2026-04-28T01:12:07.000Z]], [TIME[2026-04-28T14:28:12.094Z]] <https://dl.ndl.go.jp/pid/12748374/1/301> (要登録)

]REFS]

** 常陸国の用例

[ITEMS[ [[日時事例]]

- [24] [DATA(.label)[[[日本国]][[茨城県]][[東茨城郡]][[常澄村]][[字六反田]] [[六地蔵寺]] 法宝蔵 所蔵 [CITE[金剛頂瑜伽護摩儀軌]] 写本]]
[SRC[>>23]]
-- [25] 文保二年写
--- [29] [TIME[西暦1318年][1318]]
-- [26] 長元十年
--- [30] [TIME[西暦1037年][1037]]
-- [27] [DATA(.text)[寿保二年]]
-- [28] 承徳二年
--- [31] [TIME[西暦1098年][1098]]

]ITEMS]

[32] 
[[長元]]・[[承德]]間で[CH[保]]が2文字目に入る[[元号]]で

- [34] [TIME[承保2(1075)年乙卯][1075]]
- [35] [TIME[永保2(1082)年壬戌][1072]]
- [36] [TIME[嘉保2(1095)年乙亥][1085]]

があります。

[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[23] 
[V[昭和四十二年五月稿]],
[TIME[2026-04-28T15:11:58.600Z]]
<https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/AN00106199-00000005-0345.pdf?file_id=63452>
#page=28
]FIGCAPTION]

>
[VRL[
[YOKO[01]]金剛頂瑜伽護摩儀軌  唐釈不空訳  文保二年写  長元十年釈[BR[]]    行円・[RUBY[寿][マヽ]]保二年・承徳二年本奥書。ヲコト点附  一冊
]VRL]
]FIG]

]REFS]

* 研究史

[10] 
[TIME[平成4(1992)年][1992]]の[CITE[般若心経]]所蔵調査で、
[[私年号]]ではないかと報告されました。
[SRC[>>33, >>8]]

[11] 
[[令和時代]]に至るまで[[私年号研究]]の分野では知られることなく埋もれていました。

* 関連

[SEE[ [[保寿]], [[保元]], [[壽永]] ]]

* メモ


[1] 
[CITE[平安遺文フルテキストデータベース - 検索]], [TIME[2026-04-27T16:42:34.000Z]] <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w09/search?keyword=%E5%AF%BF%E4%BF%9D%E4%BA%8C%E5%B9%B4&resultoption=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9%E8%A1%A8%E7%A4%BA&page=1&itemsperpage=200&sortby=jc_date&sortdesc=false&sortitem=%E5%92%8C%E6%9A%A6%E5%B9%B4%E6%9C%88%E6%97%A5%EF%BC%9A%E6%98%87%E9%A0%86>

>1	寿永1年7月	位局申状、宜雖有御綺、教子寿保二年自大柳姫宮、賜永代一円之御	既収	4040	東寺百合文書ヨ	8/3068
