HTML 5.0

HTML 5.0 (W3C)

[1] HTML 5.0 は、 W3C における HTML4XHTML1 より後、 HTML 5.1 より前の世代の HTML 仕様でした。

[69] WHATWGHTML 開発の主導権を握られ焦った W3C は、 WHATWG に共同開発を持ちかけました。 しばらく見せかけの協調関係が続きましたが、 やがて両者は決裂し、 W3C は決裂時点の仕様書をベースに独自仕様の開発を続けました。 決裂以後 W3C勧告になるまでの W3CHTML5 仕様を HTML 5.0 と呼んでいます。

呼称

[29] W3C は本仕様書を「HTML5」と呼んでいます。

[30] W3C 自身の次期版である HTML 5.1 や、 かつての HTML5 (仕様)、 世間一般での HTML5 (バズワード) と区別するため、敢えて「HTML 5.0」と呼んで区別することがあります。

[31] WHATWGHTML と区別するため、「W3C HTML5」 と呼ぶことがあります。

HTML 5.0 と WHATWG

[21] WHATWG平成23(2011)年HTML5HTML Standard と改称した後も、 W3CHTML5 と称し続けていました。

[36] W3C は、 WHATWGHTML Standard が緩いライセンスで提供されているのをいいことに、 共同開発が決裂した後も WHATWG 側の変更を (都合の良い部分だけ) 自身の HTML5 仕様書に取り込み続けていました。

[4] W3C HTML5WHATWG HTML Standard から派生していますが、 独自の変更が大量に加えられており、 W3C HTML 5.0W3C HTML 5.1 のどちらも HTML Standard と一致していません。 (部分集合超集合の関係にもなっていません。)

[70] ちなみに W3C HTML5WHATWG HTML5 は、 完全な決裂以前から内容に変化が生じていました。 それでも共同開発の末期は両仕様ともに WHATWGIan Hickson が単一のソースファイルから生成していました。 当時は WHATWG 版の完全な仕様から、 W3C HTML WG の決定を反映するための差分を適用したものが W3C 版の仕様となっていました。 (W3C HTML WG は論理的に整合しない決定を下すこともあって、 それでも Ian HicksonW3C 版においては機械的に決定に従っていました。 両者の差は徐々に開いていきましたが、 単一ソースファイルで管理されていたのでどこがどう違うかは明白でした。)

[71] 決裂後は独自性を出すためなのか、 W3C 版はわざわざファイル構成を変更したり、 ソースファイル記述用言語を変更したりといった、 両仕様の差分を検出しにくくするような変更が幾度にもわたって行われました。 仕様書を細分化して完全に分離する「モジュール化」も試行されていましたが、 さすがに実行には移されなかったようです。 HTML 5.1, HTML 5.2

[72] まったく馬鹿馬鹿しいことですが、 それで困ったのは当の W3C 版編集担当者自身らしく、 WHATWG 版との違いを比較して差分を半自動適用するような編集システムを開発したりもしていたようです。 また、開発が GitHub に移ってからは W3C 版の編集者が W3C 版の IssuesWHATWG 版の差分リストを貼り付けて必死に管理しようとしている (が作業が追いつかない) 涙ぐましい努力も見られました。

[73] W3C 版は慢性的に編集リソースが不足していて開発が停滞していた時期が長いのですが、 少ないリソースをこういう非生産的な作業に投入していたのですから、 まともな仕様書の開発につながるはずもありません。

[8] なお、 WHATWGIan Hickson は、 (決裂後の WHATWG HTML Standard の変更を無断で W3C HTML 5.0 に取り込む) W3C の行為は剽窃であると厳しく非難しています >>7Ian Hickson はたびたびそれをやめるように要請していました。 (たぶん公の場だけでなく、非公式ルートでも連絡していたはずです。) たとえライセンス的に可能だとしても、 道徳的にはアウトでしょう。 W3C の職員からの釈明は (少なくても公開の場には) 無いようです。 W3C による「剽窃」は、 WHATWG との和解による HTML 5.2 の開発中止まで継続されました。

HTML 5.0 と HTML 5.1

[3] W3C HTML WG は、それまでの HTML5 を、 W3C Process に従い新機能を追加しない HTML 5.0 と新機能を追加する HTML 5.1 に分割しました。しかし HTML 5.0 への変更が行われないわけではなく、 引き続き追加や削除は行われていたようです。

[28] WHATWGHTML5 から除外し「HTML5 の次の版の機能」 と表明したものの一部も W3C HTML5 には含まれているようです。

[37] HTML 5.0 にはその後も色々と独自の追加や大量の削除が行われ、 WHATWGHTML Standard とはかなり違いが生じているようです。 (しかし具体的に何がどう違っているのかは判別困難です。)

[27] W3CHTML 5.0W3C勧告としての出版後、現在まで完全に放置しているようです。 正誤表 (>>26) は用意されていますが、一件も追加されていません。 (HTML 5.1 には色々な修正が入っているので、 W3C が問題を認識していないわけではなく、 HTML 5.0 をメンテナンスする意志がないのでしょう。)

[39] いつの間にか正誤表の中身が HTML 5.1 を見よになっています (>>38)。 旧版は出版だけして以後メンテナンスしないというのなら、 別の名前を与えて分けて開発する意味はあるのですかね? バグ修正もすべて取り込まれた単一の最新版を見よ、という WHATWG 方式の方がわかりやすい気がしますが・・・。

KS X 6061:2012

[47] KS X 6061:2012 は、 W3C HTML 5.0 LCWDKS 版。

[48] なぜ LCWD という中途半端な段階で fork したのか謎だし、 その後のメンテナンスもなされず放置という体たらく。

[49] そもそも fork 元が W3C 版というセンスのなさ。 (KSデジュール標準なので手続き的に WHATWG 版をベースにはしがたかったのかもしれないが。)

[50] なんかおかしなところ

[58] KS の人が付けた?序文には Markup Tag, Cross Date, Plug-in から独立した Multimedia, Animation のような Web Application 機能が定義されているみたいなことが書いてある。 「Markup Tag」 とかいうおおよそ HTML の専門家が使わない俗語があるし、 「Cross Date」は意味不明。 「Multimedia」や「Animation」は間違いとまでは言えないまでも、 この仕様の説明に適した用語とは思えない。 これらを含めて HTML5 の新機能にフォーカスしていて、 この仕様が作られた背景と意義をまるで理解していないで、 HTML5 (バズワード) うぇーいのノリだけで作られたことがわかる。

[60] 「text/cache-매니페스트」はかなり酷い誤りで、1回でも通読した人がいれば容易に気づけたはずです。 最初から最後まで一貫して誤訳していて、節題になってるので目次にも載ってます。 本来、斜め読みでも間違いに気づけるレベルのはずです。 それができてないってことは、この程度の基礎的知識すら持ってない人で委員会が構成されてたってこと。

[62] 本来ここは code 要素で文字色も違うので、 KS スタイルに変えてなきゃもっともっと気づきやすかったはずなんですよね。 HTML を最大活用して書かれた HTML の仕様書なのに、 HTML でないフォーマットで出版しようとした時点で既に方針が間違ってるんです。 (きっと HTML じゃないフォーマットになおした英語テキストを翻訳者に渡して韓訳させたんでしょう。)

[63] こういう英単語と英語ベースの定数の区別に気をつけないといけないのって、 英語仕様書の翻訳や読解で陥りがちな初歩的なミスなんですよね。 この KS には案外このタイプのミスがないなーと思って読み進めてたらこれっすよww あんまりにも堂々としてるんで逆に気づきにくいかもしれんね。

[64] この KS X 6061:2012 にはなぜか原文にあったはずの謝辞が全部カットされてます。

[65] 後に W3CHTML 5.1謝辞リセット事件を起こしますが、 時系列的にはこっちが先駆けですね。こんなところまで韓国起源かよ!

[66] 原著者の名前などもカットされていて、オリジナルへの敬意がまったく感じられない。

[67] まあその辺の W3C FPWD としてのヘッダー、フッターに当たる部分を削るのはきっと W3C と協議してるんだろうし、 W3C著作権表示を削除してるのも了承の上だろうけど、 W3CHTML 5.0 にあったはずの WHATWG著作権表示を削除することにも同意は取ってるんだろうか?

W3C はともかく WHATWG には著作権表示を除去して KS 規格化されるメリットが何もないはずで、 当時 WHATWG を仕切っていた Ian HicksonW3C fork を出版することに積極的に同意したとも思えない。

もし無許可で削除したなら氏名表示権侵害よね (大韓民国著作権法でもそうなのかはしらないけど)。 流石に国家規格がそんなことせんよね、普通は...

[68] 本文中の歴史背景のところに仕様書の著作権の話が出てくるんですけど、 そこで言及されてる肝心の著作権表示がカットされてるから、意味不明なんだよなあ。

関連

[2] かつて XHTML 1.0 が俗に HTML 5.0 と呼ばれていたことがありましたが、 本項の HTML 5.0 とは関係ありません。

[74] 次の版は HTML 5.1

歴史

[32] WHATWG 仕様との分裂の経緯は HTML5 (仕様) を、 HTML 5.1 との分岐は HTML 5.1HTML WG をも参照してください。

[5] HTML5 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2014/CR-html5-20140429/

[6] XSLT and XQuery Serialization 3.0 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/xslt-xquery-serialization-3/#xhtml-output

[9] HTML5 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2014/WD-html5-20140617/

[10] HTML5 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2014/CR-html5-20140731/

[11] HTML5 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2014/PR-html5-20140916/

[12] HTML5: Analysis of failed tests ( ( 版)) http://w3c.github.io/test-results/html/details.html

[13] HTML5 Differences from HTML4 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2014/WD-html5-diff-20140918/

[14] HTML5 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2014/REC-html5-20141028/

[15] Open Web Platform Milestone Achieved with HTML5 Recommendation ( ( 版)) http://www.w3.org/2014/10/html5-rec.html.en

[16] >>15 MicrosoftMozilla は祝辞を贈っているが GoogleAppleOpera は無い。

[17] >>15 謝辞の最初に Ian Hickson を挙げていて、一応 WHATWG も謝辞リストに含まれているので、 W3C にしては (現実と向きあおうと) 頑張っている感じがする。

[26] HTML5 Errata ( 版) https://www.w3.org/html/wg/html5-errata

[18] IRC logs: freenode / #whatwg / 20141028 ( ( 版)) http://krijnhoetmer.nl/irc-logs/whatwg/20141028

[19] HTML5 Differences from HTML4 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2014/NOTE-html5-diff-20141209/

[20] Looking for my Next Project | Robin Berjon ( 版) http://berjon.com/whats-next/

[22] [powerful-features] The note about responsible documents and workers makes no sense (Boris Zbarsky 著, 版) https://lists.w3.org/Archives/Public/public-webappsec/2015Jul/0010.html

I'm going to ignore the W3C forks of this stuff for the moment, since it doesn't even define the primitives we're trying to work with.

[23] 14689 – xml-stylesheet with type=text/xsl needs to be handled explicitly ( 版) https://www.w3.org/Bugs/Public/show_bug.cgi?id=14689

[25] Timed Media Working Group ( 版) http://www.w3.org/2015/07/timed-media-wg.html

The Timed Media Working Group will maintain errata and new editions, as necessary, for the HTMLMediaElement related sections of HTML 5.0 (e.g. sections 4.7.6 to 4.7.10). When future versions of HTML are published as modules, the working group will deliver future versions of these timed media features as a W3C Recommendation.

[24] kashbridge / DTD — Bitbucket ( 版) https://bitbucket.org/kashbridge/dtd

To properly work with XHTML documents using PHP's DOMDocument class you need to supply a valid DTD. Unfortunately, there is no DTD for XHTML5, so I created one.

I have built the HTML5 DTD using the final spec at http://www.w3.org/TR/2014/REC-html5-20141028/. I have included the <main> tag from the draft HTML5.1 spec, and there is some preliminary ARIA support.

[33] Correct HTML5 to HTML 5, including similar cases · w3c/html@b9f09a5 ( 版) https://github.com/w3c/html/commit/b9f09a5e013b8774ec0035d3c01926c1ae5fe663

[34] Remove appcache from future HTML specs · Issue #40 · w3c/html ( ()) https://github.com/w3c/html/issues/40

The HTML WG had appcache marked "at risk" for HTML 5.0 but the WG decided to keep it when we went to Proposed Recommendation since at the time it was considered interoperable.

If appcache implementations have been withdrawn since the fall of 2014 then the situation should be re-considered.

There are multiple reasons for its removal.

  • Lack of consistent inter-operable implementation

[35] >>34 HTML 5.0 はちゃんと相互運用性を確認したよ派と相互運用性なんて無かった派があるのか?? そんな雑な感じのW3C勧告でいいのか??

[38] HTML5 Errata ( ()) https://www.w3.org/html/wg/html5-errata

HTML5 Errata

24 March 2016

Latest version of HTML 5.1:

http://www.w3.org/TR/html51/

Editor's Draft of HTML 5.1:

https://w3c.github.io/html/

Previous Recommendation of HTML 5:

https://www.w3.org/TR/2014/REC-html5-20141028/

Copyright © 2016 W3C® (MIT, ERCIM, Keio, Beihang). W3C liability, trademark and document use rules apply.

Table of Contents

1 About this document

2 Known Errors in HTML 5

About this document

If you find errors in the specification that are not listed in this document, please use Github issues. Historical discussions can be found in the public-html@w3.org archives.

Known Errors in HTML 5

Errors or issues are being listed and addressed in the development of HTML 5.1.

[40] この後の歴史は HTML 5.1 を参照。

[41] Looking for my Next Project | Robin Berjon () http://berjon.com/whats-next/

[42] CFC: Make previous versions of HTML and XHTML obsoleteCFC: Make previous versions of HTML and XHTML obsolete · Issue #86 · w3c/WebPlatformWG () https://github.com/w3c/WebPlatformWG/issues/86

[43] Proposal to Republish Previous Versions of HTML and XHTML as Obsolete Recommendations (Wide Review until 2017-09-07) (Xueyuan著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/public-review-announce/2017Aug/0004.html

[44] Shouldn't www.w3.org/TR/html5/ point to the "Latest version of HTML5"? · Issue #1089 · w3c/html () https://github.com/w3c/html/issues/1089

[45] HTML5 () https://www.w3.org/TR/2018/SPSD-html5-20180327/

[46] Memorandum of Understanding Between W3C and WHATWG () https://www.w3.org/2019/04/WHATWG-W3C-MOU.html